第26巻 医療法人 山田医院 第3号(第302号)|大阪市阿倍野区で内科・外科・小児外科なら山田医院にお任せください。

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山田医院だより

第26巻 第3号(第302号)

今回は令和7年3月2日に行われたRSウイルスの講演会での内容について紹介をしたいと思います。
RSウイルスはあまり聞きなれないウイルスと思いますが、1956年にチンパンジーの鼻かぜから分離されたのが発見のきっかけで、翌年にはヒトの小児から分離されたウイルスで、正式にはヒトオルソニューモウイルスと言いますが一般臨床ではRSウイルスと呼ばれています。
このウイルスはRNA一本鎖ウイルスでエンベロープを持つために比較的脆弱なウイルスでアルコール或いは石鹼で容易に死活します。
タイプとしてはA型とB型の2つに分けることができ一般にはA型が多いようですが、季節によりB型が多くなることもあるようです。
なおA型の方が重症化しやすいと言われています。
日本においては11月から1月に流行性がありますが最近は季節性が乏しくなっている状況で現在も外来において時々見かけます。
なお流行については通常は急激な立ち上がりで2-5か月間続きます。

このウイルスは麻疹、水痘などとは異なり再感染があることで何回も罹患します。
通常はインフルエンザあるいは新型コロナ感染症と同様に飛沫感染あるいは接触感染をおこします。
家族内での感染率が極めて高くなっています。予防はコロナ感染症対応で十分、マスクの着用、手指消毒が大切です。
なお、潜伏期間はインフルエンザよりも長く通常は4-5日と言われています。
微熱、鼻汁などの上気道症状が2-3日続いた後で咳嗽、喘鳴などの下気道症状が4-5日続いてその後回復期になります。

インフルエンザなどとは異なり症状の立ち上がりはゆっくりですが病状が長期にわたるのが特徴です。
インフルエンザは怖い病気としての認識がありますが、RSウイルスは外来受診数、入院数、死亡数などはほぼインフルエンザと同様です。
一昔前までは子どもの病気として特に乳幼児では細気管支炎などの重症化が心配されておりましたが、最近では成人特に高齢者では重症化のリスクも認識され始めました。

インフルエンザあるいは新型コロナ感染症とは異なり迅速検査の感度が成人では低くまた保険適応ではないために診断がPCR検査などが必要となり一般的には容易に診断ができないこ
とが高齢者においての感染症としては認識が低かったものと思われます。

RSウイルスは「隠れた毎年起こる感染症」と認識をされつつあります。
なおRSウイルス感染症においては健康な成人ではいわゆる鼻かぜ程度の症状で改善しますが、高齢者あるいは基礎疾患がある人において肺炎などの重症化が問題となります。

現在重症化しやすい要因としては60歳以上の加齢、免疫能の低下(悪性疾患の罹患、免疫抑制剤の使用など)、基礎疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、糖尿病、冠動脈疾患に加えて慢性腎臓病、悪性腫瘍、認知症)、免疫能の低下となっています。
加齢が最も大きな要因で特に75歳以上ではリスクが急激に高くなります。
肺気腫などのいわゆるCOPDと言われる慢性閉塞性肺疾患においては感冒などで状態が急激に悪くなる急性増悪が問題となっていますが、この急性増悪の原因としてはいわゆる感冒が最も多い原因ですが、この原因ウイルスとしては一般感冒のライノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスが多いと言われています。
また腎機能低下をみとめる慢性腎臓病は実は新型コロナ感染症でなくなる要因として最も多いものですが、RSウイルスにおいても慢性腎臓病は重症化のリスクが高くなっています。
特に透析をしている人については以前は心不全が最も死因としては重要でしたが、現在は感染症が問題となっています。

インフルエンザならびに新型コロナ感染症においては抗ウイルス薬がありますが、RSウイルスに関しては抗ウイルス薬がないために予防が最も大切になります。

現在予防としてはワクチンが唯一のもので数年前に発売されて接種されるようになりました。

このワクチンは1回の接種で効果については現時点では3年間ほどで予防効果としては70-80%となっています。
接種部位の疼痛、腫脹などが主たる副反応で高熱などはほとんどない安全性の高いワクチンです。

ただし任意のワクチンで基本的には60歳以上の方(50歳以上の基礎疾患を持つ方)の接種で当院においても2万2千円の費用がかかります。今後公費接種となる可能性もありますがまだ未定です。米国では糖尿病あるいは慢性閉塞性肺疾患の方についての接種は推奨されており、日本においても今後、接種対象者が増えてくるワクチンです。
このワクチンについて興味がある方はまたかかりつけ医師に相談をしてみてはどうでしょうか。

山田医院 医師 山田良宏

寒い季節には、背中を丸め前屈姿勢になり寒さをしのぐ姿勢をとることが多くなります。

人類は進化の過程で四足歩行から二足歩行になりました。しかし、基本的な骨格は四つ足の状態で安定するように構成されているために、二足歩行の私たちは姿勢を意識しないとバランスが崩れてしまいます。

良い姿勢とは

壁を背にして立った姿勢を横から見た時に(耳、肩、腰、膝、くるぶし)が一直線になる状態を言います。
両足を肩幅に開いて、かかとを壁につけて立ちます。
後頭部、胸の後ろ、お尻が壁について、腰の後ろに手のひらが入る程度の隙間がよいとされています。

姿勢が悪くなる原因

姿勢の悪くなる原因には沢山あります。
例えば、長時間のデスクワークやパソコンの作業で画面の高さがあっていない時、スマホを操作する際の姿勢や仕事、家事などで、前かがみの姿勢を長時間続けた時など、日常生活のちょっとしたことの積み重ねで起こることがほとんどです。
この様な事を繰り返された結果、筋肉が弱ったり固くなったり、左右のアンバランスを起こして正しい姿勢を保つことが難しくなってきます。
また、脊椎圧迫骨折や側弯症などの背骨の病気によって姿勢が変化することもあります。

悪い姿勢による身体への影響は

悪い姿勢と言われる状態では、筋肉や関節への負担が増えるほか、肩こりや腰痛、関節痛などを引き起こしやすくなったりします。
また、高齢の方では背中が丸くなることによって転びやすく、腕が挙がりにくくなったりすることで気分が落ち込むこともあります。また、猫背だと肺を保護する胸郭が狭くなり、空気を多く吸い込めなくなります。

悪い姿勢が必ずしも何らかの症状を引き起こすとは言い切れませんが、無理のない範囲で良い姿勢を心がけることは若々しく見えるほか、健康面でもよいことがありそうです。

姿勢を良くするための日常的な習慣

悪い姿勢は、筋肉、関節、背骨、膝などの多くの原因が考えられます。

多くの場合は弱っている筋肉を鍛えたり、固くなっている関節を柔らかくしたり、普段から姿勢を意識することで、ある程度改善していきます。
背中の病気や股関節、膝関節などの問題によって悪い姿勢になっている場合は、適切な治療が必要なこともあります。
気になる時は整形外科で相談をしてみましょう。

姿勢を良くするためには、食生活や睡眠、ストレス管理など生活習慣の改善も重要となります。
バランスの良い食事は体を健康に保ち、姿勢を支える筋肉を強化します。カルシウム、ビタミンDが豊富な食品は骨の健康を支えて筋肉の機能を向上させます。また、適切な水分摂取も筋肉の柔軟性を保ちます。

質の良い睡眠については体の回復と再生に不可欠です。筋肉の緊張を和らげ、日中の姿勢を保つエネルギーを提供できます。

ストレスは体の緊張を高め姿勢に悪影響を及ぼすことがあります。ストレス管理は筋肉の緊張を和らげる効果があります。

良い姿勢を維持することは健康的な生活を送るための重要なステップです。関節や筋肉の負担を減らし、慢性的な痛みや怪我のリスクを軽減します。また、血流の改善や呼吸の効率化により、全体的な体の機能が向上し活力ある日々をおくることができます。

急に良い姿勢に変えることは難しいですが、毎日意識し運動を続けることで少しずつ良い姿勢に近づけることができます。無理のない範囲で行いましょう。

健康な体を維持し、日々の生活をより快適にするために良い姿勢を心がけましょう

山田医院 看護師 畑中幸子

~心房細動による「脳梗塞」を予防するために~ 

「心房細動(しんぼうさいどう)」とは、心臓のへやの1つの心房という部分が、不規則に、細かく震える「不整脈」の1つです。 

不整脈とは心臓のリズムが乱れること。脈が不規則になる状態をいいます。 

では心房細動が起こると身体にどのように影響があるのでしょうか。1つに「脳梗塞」を起こす可能性が高くなりま す。 

心房細動では、心房内の血液がよどみやすく血液の塊(血栓)ができやすいのです⇒ 

心房内で出来た血栓が血液の流れとともに脳に運ばれます⇒脳の血管で血栓が詰まると「脳梗塞」が起こります。 心房細動の治療は、大きく2つあります。 

〇血栓を予防する治療:抗凝固剤を服用することで血液が固まるのを防ぎます。 

〇心房細動を軽減するための治療:カテーテルアブレーション治療。これは心臓の壁の一部を電気で焼いて小さなやけどを作ったり、凍結させて組織を壊死させ、心房細動の原因となる、異常な電気信号の発生を切り離す治療法です。 

心房細動など、心臓の異常に早く気付くためには、自分で脈をチェックすることが有用です。  

では、手首で脈のチェックをしてみましょう。 

①手首の動脈を使います。 

②手首を少し曲げて、手首の「しわの位置」を確認しましょう。 

③しわの位置に、反対の手の「薬指」の先が来るように、人差し指、中指、薬指の3本を当てます。親指の付け根の骨 の内側で、脈がよく触れるところを見つけてください。(人差し指、中指、薬指の3本の指先を少し立てると分かりや すい) 

④15秒くらい脈拍を触れてみて、感覚が“規則的”かどうかを確認しましょう。「不規則かな?」と思ったら、さら に1~2分程続けてみましょう。 

“規則的な脈”のイメージ図例)♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥(トントントントン・・・)
“不規則”な脈のイメージ図例)♥ ♥♥♥ ♥♥ ♥(トン トトトッ トトン・・・) 

脈のリズムが“不規則”かも?と思われたら、医師にご相談ください。 

抗凝固薬による治療の注意点をお伝えします。
血液を固まりにくくして、血栓が出来るのを防ぐため脳梗塞の予防が期待されます。しかし飲み忘れると、再び血液が固まりやすくなります。 

抗凝固剤の服用中には、通常時よりも出血しやすいこともご注意ください。
出血の観察ポイントは、身体に紫色や赤色のあざ、鼻出血、歯茎からの出血、外傷の出血が止まらないなどの症状です。このような症状の時は、自分の判断で薬を止めないで、必ず医師に相談してください。抗凝固剤の服用をされている方は、この機会に一度お薬が余ってきていないか見直してみることも良いと思います。 

 山田医院 看護師 石田知子 

はじめまして、1月より医療事務としてお世話になっています。大上壽美子と申します。
不慣れなこともあり皆さまに はご迷惑をおかけしています。快い対応となりますよう心掛けてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

今回は、健康寿命を延ばすために、ロコモティブシンドロームについて調べてみました。

「ロコモティブシンドローム (ロコモ)とは」 

運動器(骨・関節・筋肉など)の衰えにより、移動機能が低下し、将来的に要介護や寝たきりになるリスクが高まる状態のことです。 

ロコモの主な原因とは 

・加齢による筋力の低下 ・骨粗しょう症や関節疾患バランス能力の低下 ・運動不足 

ロコモのチェック方法ですが、 

日本整形外科学会が推奨する「ロコチェック」があります。 

例えば、【片足立ちで靴下が履けない】 【家の中でつまずいたり滑ったりする】【 15分くらい続けて歩けない】 【 横断歩道を青信号の間に渡りきれない】【2kg程度の買い物袋を持ち帰るのが困難 】これらに該当する場合、ロコモのリスクが高い可能性があります。 

ロコモの予防法は、主に「運動」「食事」「生活習慣」の 3つのポイントを意識することが大切です。

①運動で筋力・ バランスを維持する

ロコモ予防には、下半身の筋力強化とバランス能力の向上が重要です。

おすすめの運動

・スクワット(太もも・お尻の筋肉を鍛え る) →1日10回x2~3セット ・片足立ち(バランス能力の向 上) →1回1分✕左右3セット(歯磨き中などに行うと習慣化しやすい)
・ウォーキング (持久力と足腰の筋力を鍛 える)→1日30分程度を目安に歩く。 

無理のない範囲で、毎日続けることが大切です。

②食事で骨や筋肉を強化する

運動と合わせて、骨や筋肉を作る栄養素をしっかり摂りましょう。

意識したい栄養素と食品

・タンパク質(筋肉を作る) → 肉、魚、卵、大豆製品 (豆腐・納豆)、乳製品

・カルシウム(骨を強くする) → 牛乳・チーズ・ヨーグルト・小魚・ 大豆製品

・ビタミ ンD (カルシウムの吸収を助ける) → 鮭・サバ・きのこ類

・ビタミンK (骨の形成を助ける) → 納豆・ほうれん 草・ブロッコリー

・マグネシウム(骨の健康を保つ)→ ナッツ類・海藻・バナナ 

また、塩分の摂りすぎは骨密度の低下につながるので、控えめを意識しましょう。

③ 生活習慣を見直す。

姿勢や日常動作に気をつける

• 猫背を改善し、正しい姿勢を意識する

• 座りっぱなしを避け、1時間ごとに立ち上がる

• 階段を使う・なるべく歩く習慣をつける。

十分な睡眠と休養をとる

• 睡眠不足は筋肉や骨の回復を妨げるため、7時間以上の睡 眠を目安にする。

日光を浴びる

• ビタミンDの生成には日光が必要。

• 1日15~30分程度、屋外で日光を浴びる。

ロコモ予防には、適度な運動・バランスの良い食事・健康的な生活習慣が重要です。
毎日のちょっとした積み重ね が、将来の健康寿命を延ばすことにつながります。今日から少しずつ対策していきましょう! 

山田医院 医療事務 大上壽美

アトピー性皮膚炎の保湿スキンケアについて

アトピー性皮膚炎は慢性炎症性皮膚疾患で皮膚バリア機能障害が症状を引き起こす要因の1つです。

スキンケアはアトピー性皮膚炎管理において重要であり、症状の緩和ならびに生活の質の向上に寄与します。
また乳児期のアトピー性皮膚炎の歯症予防戦略としても注目されています。

保湿剤は多くのスキンケア製品の中心的存在です。
皮膚バリア機能が障害すると経皮水分蒸散量が増加してアレルゲンや刺激物の侵入が容易になります。
保湿剤は角質水分量を増加させて経皮水分蒸散量を抑制することで皮膚の乾燥 を防ぐ外用製剤です。保湿剤は大きく分けて3つあり、

①水分を引き寄せるタイプ(ヘパリン類似物質、グリセリン、ヒアルロン酸)

②水分を逃がさないタイプ(ワセリン、セラミド)

③肌を滑らかにするタイプ(セラミド、コラーゲン)

アトピー性皮膚炎では①のタイプが望まれます。
なお保湿剤においては形状もいろいろとありますが重症例、冬場には軟膏やクリームが、症状改善時あるいは夏場はローショ ン、化粧水タイプが推奨されます。

アトピー性皮膚炎に対しては症状を改善させることから保湿剤が有 意に改善することが分かっており、またステロイド外用剤の容量減少につながることが分かっています。

なお皮膚バリア機能が低下していると予測される乳児に対しては保湿乳液の塗布がアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げる事が示唆されていますが、より早期からの介入が必要となっています。

保湿剤は効果は単一ではなく、その組成や使用方法などの要因などによって変わることが分かっています。日本医師会雑誌令和7年2月号から抜粋をしました。 

 山田医院 医師 山田良宏