インフルエンザ予防接種について(R4-R5年度)
7年前まで日本のインフルエンザワクチンは3つの株だけしかありませんでしたが6年前から4つの株(A型2種類、B型2種類)になりました。今年のワクチン株は昨年とは2つ(A H3N2とB型ビクトリア系統)が異なっています。(A型のパンデミック型とB型山形系統は同一。)
A/Victoria/1/2020 (IVR-217) (A/H1N1pdm09 亜型)
A/Darwin/9/2021 (SAN-010) (A/H3N2 亜型)
B/Austria/1359417/2021 (BVR-26)(ビクトリア系統)
B/Phuket/3073/2013(山形系統)
接種するワクチンの量は1回接種でも2回接種でも年齢に応じて決まっています。
6ヶ月以上3歳未満 : 0.25ml/回
3歳以上 : 0.5ml/回
CDCでは9歳未満の小児についても今までに2回以上のインフルエンザワクチンを接種している場合には1回の接種でよいとの指針を出しています。なお、推奨は6ヶ月以上の小児となっています。
熱性けいれんについては、最終発作から一応1ヶ月経過していれば可能です。
卵アレルギーについては、重篤な卵アレルギーがある方は当院では接種を避けています。
過去にインフルエンザの予防接種でアレルギー反応あるいはギランバレー症候群などの重篤な副作用が出た方については接種はできません。
使用薬
なお、どこの医療機関で接種をされても同じ4種類のワクチン株が入っています。当院では基本的には阪大微生物病研究会製造の「ビケンHA」を使用しています。ならびにデンカ株式会社の「インフルエンザHAワクチン「生研」を使用しています。
当院で推奨する接種方法
9歳以上の方
1回の接種
6か月以上9歳未満で過去2シーズンにおいて接種した方
1回の接種
6か月以上9歳未満で過去1シーズンのみの接種または未接種の方
2回の接種
接種部位について
接種場所は、二の腕の外側(肘の上2~3センチ程度)の位置です。
予防接種の予約について
通常の診察時間に接種は可能です。定期的に受診をされている方は受診時に接種していただければいいのではと考えております。
フルショットを使用して下記の予防接種のみの時間帯に予約をする事は可能です。なお、この予約においても30分枠での予約ですから待ち時間は生じますのでご了承ください。
子どもに接種をする場合は予約をされて接種をするほうが予定も立ちやすくいいと思います。
診察時間中ではなく予防接種予約時間中の予防接種の希望をされる方はインターネットでの予約をお願いします。電話での予約をしてほしいといわれる方もありますが、コスト削減のために一切しておりません。インターネットを使用できない方は申し訳ありませんが順番とおりに並んでの接種をお願いします。
別紙にありますが、フルショットという予防接種予約サービスを利用していただき携帯あるいはパソコンからいつでもどこでも24時間予防接種の予約が可能です。なお通信費を除く利用料金は無料です。
ある程度待ち時間を減らす目的あるいは一般患者さんと混じらないために予防接種優先時間を作りました。小さな子どもあるいは子どもが2人以上いる方はぜひともご利用ください。
予約優先時間(予防接種の予約をした方を優先する時間)予約は10月上旬から可能です。
10月中旬(初旬)から1月14日(土)まで。なお、祝日、日曜日、年末年始は施行しておりません。
- 8:00-8:15 (10人) この時間帯は最優先ではありませんのでご了承下さい。
- 10:30-10:45(5人)この時間帯は最優先ではありませんのでご了承下さい。
- 12:30-12:45(5人) この時間帯は最優先ではありませんのでご了承下さい。
- 15:45-16:00(10人)この時間帯は最優先ではありませんのでご了承下さい。
- 18:00-18:15(5人) この時間帯は最優先ではありませんのでご了承下さい。
- 木曜日、土曜日は午後診療はありません。
- 土曜日は9:30、11:30にも5名枠があります。
1月14日以降は診察時間中の接種をお願いします。〔予約時間はとりません〕
10月中旬から接種日の予約が可能です。各自都合の良い日に予約をしてください。
予防接種予約枠の空きがありましたら当日朝の6時まで予約は可能です。
他のワクチンと同時接種も可能ですが上記予約優先時間帯には同時接種は致しませんので了承ください。
予防接種の際に持ってきてもらうもの
予防接種問診表に必要事項を記載して持ってきてください。 なお、小児の方については母子手帳も持参ください。
予防接種の時期ならびに接種が特に望ましい人について
2回接種の場合には10月以降できるだけ早めの接種、1回接種の場合にも10月からの接種が勧められています。
なお、 CDCを参考にすると接種の推奨者としては、重篤な合併症(脳症、肺炎など)に罹患しやすい人、インフルエンザの患者さんと接する人として下記に該当する方がインフルエンザに罹患すると解熱後3日は通学、就業ができなくなるために上記以外の方でも接種を勧めます。
- 6か月から5歳までの小児
- 50歳以上の成人
- 肺疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、脳神経疾患、血液疾患、糖尿病などの代謝疾患がある方
- 免疫抑制状態にある方(抗がん剤治療やAIDSなど)
- インフルエンザシーズンに妊娠している方
- アスピリンを服用している方
- 医療/救急/介護関連職業の方
- 過度な肥満の方
予防接種の副反応について
麻疹ワクチン等の生ワクチンではなく不活化ワクチンなのでインフルエンザ予防接種後にインフルエンザになる事はありません。一般的に副反応は軽微であるといわれています。
10-20%で接種部位の発赤、腫脹、硬結、熱感、しびれ感をきたす事がありますが通常は2-3日で消失します。
全身性の反応としては5-10%に発熱、頭部痛、悪寒、倦怠感、嘔気、筋肉痛を認めることがありますが通常は2-3日で消失します。なお、ワクチンに対するアレルギー反応としてまれに蕁麻疹、発疹、掻痒感などが数日間見られることがあります。
この全身性の反応をさして予防接種後にインフルエンザになったという人を時々見かけます。
その他にギランバレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、痙攣、肝機能障害等の報告がごくまれにありますが、ワクチンとの関連性については明らかではありません。なお、救済対象として認定された死亡事故は2500万例接種あたり1例です。
卵アレルギーについては重篤な卵アレルギーがある方(鶏卵を食べるとひどい蕁麻疹や発疹が出る人、口がしびれる人。)以外は可能です。一般に卵の加工品が食べられる人は問題ないと思われます。
ワクチンを接種できない時
- 明らかな発熱があるとき。通常は37.5度を超える場合です。
- インフルエンザ予防接種を施行してアナフィラキシーショックになった事がある。
- 現時点で重篤な急性期疾患に罹患している事が明らかな場合。
- その他。
ゼラチンについては国内4社からの製品には含まれていませんので心配ありません。
麻疹に罹患後は治癒後4週間、風疹、水痘、おたふくかぜ等に罹患後は治癒後2-4週間、その他のウイルス性疾患(手足口病、特発性発疹など)では治癒後1-2週で接種可能です。