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山田医院だより

第21巻第4号(第243号)

虐待死の予防のために

虐待とはただの暴言や一時的な暴力とは違って子の心身の成長や人格の形成に重大な影響を与える行為で4つの類型があります。

①身体的虐待:これは一時的なものではなく継続的、そして異常な暴力です。虐待死の原因として最も多いのは0歳児の頭部外傷です。
②性的虐待:子に性的行為などを強制、性交、性器を子どもに見せるなどです。この背景には娘の「女性性」を守ろうとしない母親がいることも知るべきです。
③ネグレクト:必要な養育をしないこと。
④心理的虐待:子をいつも批判する、否定する、夫婦間の暴力を見せるなど。

児童相談所における児童虐待相談数は年々増加しており平成30年度は16万件ほどになっており平成13年度の約7.5倍となっています。半分近くが心理的虐待であり身体的虐待、ネグレクトが続いています。なお虐待死はほぼ年間に50名程度となっていますが半数以上は0歳児となっています。虐待の加害者は半数が実母となっています。

自動虐待においてはいろいろな着目点がありますが母と子の愛着関係で見てみると分かりやすくなります。「炎天下の車内に置き去りにしてパチンコに夢中になる」「浴槽に乳児を残したままお風呂を出てしまう」「しつけだと言ってタバコの火を押し付ける」は児童虐待の1例ですがこれは親の不注意や事故で起こることではなく、継続的な異常事態であり原因があります。この原因を知るためには「普通の家庭」では虐待は起こらないという事実の理解が大切です。普通の家庭とは母と子の愛着関係が成立しているかていです。子は2歳くらいまでに特定の他者(多くは母親)との間に愛着関係を作ります。この母子間の愛着関係が成立していれば母親が子に暴力を振るい続けたりしません。

母親が子の苦しみを自分の苦しみ、痛みとして感じるからです。逆に成立していないと母親は子の痛みを感じないので子育ては母親の都合だけで行われて暴力やネグレクトが生じます。虐待の成立の原因として母子間の愛着関係が成立しないと説明をしましたが、その親側の原因を精神医学的に考えるとまず、子への共感能力の欠如と子の行動を推測、予測する能力不足があることがわかります。これらの能力については普通の正常知能の成人であればだれにでも備わっているもので、これが普通の家庭で愛着関係が成立する土台です。

一方で虐待する親には共通して「社会的領域の知能」「実用的能力の知能」に欠陥がありこれは「軽度」知的能力障害に当たります。この知的能力障害は中等度以上では十分に支援を受けないと日常生活を送れない障害者を示しますが軽度では一応は自立した社会生活を送っているために障害とは認識されていません。母親の「軽度」知的能力障害の程度と虐待との間には明らかな相関があることがわかっています。
なお、母子間の愛着関係が成立しない母親側の原因としては母親の軽度知的能力障害以外に被虐待体験を持った母親と統合失調症など重い精神障害を持った母親です。母子間の愛着関係が成立していないと子は常に不安と緊張を抱えて受け身となり我慢することだけを覚えて自己主張しない子になります。幼稚園等では集団に溶け込めず一人遊びをしていたり、先生に呼ばれても笑顔を返さない子、あるいは逆に大人などに媚びて過剰な適応をしようとする子どももいます。この生き方は大人になるまで続き小中学校では社会を怖がり引きこもりや不登校の症状がでます。大人になると燃え尽き症候群、パニック障害、解離性障害などが出ます。治療としてはカウンセリングが有効で、

①自分が虐待を受けて育ったことが原因で対人的、社会的緊張が異常に強く適応が困難であったこと
②虐待の原因が母親の軽度知的能力障害であったこと、この2つを理解できると症状は劇的に回復します。

一方、孤立する虐待の加害親については現時点では回復プログラムの受講については司法的な義務がないという問題があります。MY TREE ペアレンツ・プログラムという虐待の加害者を対象にしたプログラムが有名です。怒りには不正、非礼に対しての一次的な感情の怒りと2次感情としての怒りがあります。虐待においてはこの2次感情としての怒りで、この背後には深い悲しみや痛み、恐れなどの感情が渦巻いていて怒りはいわば仮面と考えます。

子どもに暴力を振るう親の顔は仮面でありその仮面をずらすとそこには不安、恐れ、自信のなさ、絶望、、いろいろな感情が詰まっていて実はこれらの感情こそが子への虐待を引き起こしています。この感情に向き合うことはつらいことですが、そのことなしには自分を変えることはできないと考えてこの感情に気がつき、見つめて、語り、涙をすることから始めて瞑想/ヨガ、副交感神経のリラクゼーションを取り組むことで攻撃行動を抑えていく方法があります。現在、急増する虐待に対応する児童相談所の過酷な業務が問題となっています。人員不足と経験不足の職員の割合の増加等の問題もあり児童福祉法改定案が昨年6月に成立して児童相談所の体制強化とはなっていますが今後は職員の研修の保障、経験値の蓄積、各関係機関との連携が大切になります。今回は月刊保団連の令和2年3月号から抜粋をしました。

山田医院 医師 山田良宏

コロナ対策の一つ、免疫力を高めましょう た か め ま し ょ う

こんにちは!コロナと言う言葉を聞くようになりもう4か月。恐ろしい病気ですね。本当に戦争のような日々を送っている国もありますね。

日本もそうならぬように、今は不要不急の外出を避け、私も家でドラマ、お笑い、映画三昧の毎日、お菓子片手に、、別の病気まっしぐらです、、、。

さて、先日新聞にとても分かりやすく免疫力の高め方が載ってました。

歯磨きは「朝食の前」と「就寝の前」キノコ、海藻、ヨーグルトを摂る。
お風呂は40~41度で10分間浸かる。
音楽や趣味でストレスを発散を自分で振り返ってみました。

歯磨きは朝食、昼食後、就寝前だったので読んでからは朝起きてすぐまず、歯磨きをしています。朝一の歯磨きがよいことは知っていたのですが、ついつい寝ぼけながら着替え、水だけ飲み、立ったままバナナ食べていました(笑)キノコ海藻ヨーグルトは普段から摂ってました。お風呂も熱いのが好きで41度の湯の中で毎夜テレビを見ながら寝ています。家が大好きなので自粛も大してストレスになりません。ってことで私はいつの間にか免疫力を高めていたのでインフルエンザにも罹患したことがないのかもでも、コロナは未知のものなので気を付けます。

山田医院も学校が休みになってから、患者さんは目に見えて減りました。待ち時間2時間あるあるの医院ですが来院されたとたんお名前をお呼びすることが多いですね。私たちもいつもと違いゴーグル、マスク,再三手洗いして消毒して二次感染防止に努めています。皆様もご来院の際は必ずマスク(今は手に入らないですよね)マスクがなければタオルで口を覆うって来院のほどお願い致します。もらわない、あげないためにもご協力を。たまにニュースを見過ぎて気分が落ち込んだり、身体に不調が出る方もいますが、免疫を下げることになってしまうので、気を付けてくださいね。この山田医院便りも今月は読んでくださる人が少ないと思います。また以前のように忙しい山田医院に、、あ、、それも語弊がありますね。
またお元気な皆様と道端やスーパーでお会いでき、立ち話など出来る日を楽しみにしています。

山田医院 看護師 冨島友子

低体温を改善しよう!

ここ最近新型コロナの影響で毎日体温を測るようになりました。普段は気にも留めない体温ですが、最近はマメに熱を測るようになった方も増えたのではないでしょうか。
ところで、みなさんは自分の平熱をご存じですか?

平熱を知るには、3~4日間、朝・昼・夜の体温を測って平均を出します。
健康的な人の平熱は36.5~37℃付近。

一方で近年では平熱が36℃以下といういわゆる「低体温」の人が増えているそうです。体温が下がると体に良くないといわれますが、それは白血球の動きが鈍くなるからです。白血球は免疫細胞と呼ばれ、ウイルスや細菌を排除する働きがあり血流に乗って体中をパトロールしています。しかし体温が低くなると血流が悪くなり免疫細胞の働きが鈍くなるため、感染症や生活習慣病など様々なリスクを引き起こす恐れがあると言われています。

低体温を改善するためには生活習慣等を見直す必要があります。体温低下の主な要因に筋肉量の低下が考えられます。昔に比べてあまり運動する必要がなくなった現代において、日常で意識的に体を動かす必要があります。そこで散歩がお薦めです。1日30分くらい(2回15分等分割してもよい)歩くのが良いと言われています。犬の散歩でもいいしエレベーターを使わず階段を使う等何でも構いません。とにかく毎日継続して歩くようにしましょう。そしてもうひとつ、入浴するのも体温を上げるのに効果的です。湯船に10分程度浸かれば大体体温が1度くらい上がります。シャワーは手頃で簡単に済みますが低体温の人は特に毎日湯船に浸かることを習慣にしたいものです。またスクワットや簡単なストレッチ等も効果があるとのこと。普段の日常生活に色々取り入れて、免疫力を上げてウイルス等に負けない体を作っていきましょう!

山田医院 医療事務 川村理恵

メニエール病

政府による緊急事態宣言が発令され、生活の自粛に伴い、生活スタイルの変化や我慢、経済的な不安をきたしたり、ウイルスに対する精神的不安から、ストレスが蓄積されている方が多くいると思います。ストレスによって引き起こされる病気には、胃腸炎、蕁麻疹、うつ病などがありますが、今回はメニエール病について調べてみたいと思います。

メニエール病とは、日常生活に支障をきたすほどの回転性のめまいの発作が繰り返し起こり、難聴、耳鳴り、耳づまりを併発する事もある病気です。
耳の奥にある内耳には蝸牛と三半規管があります。蝸牛はまさにかたつむりの様な管で、音の聞こえをつかさどります。三半規管は蝸牛の上につながっていて、平衡感覚をつかさどります。この蝸牛と三半規管は、普段リンパ液で満たされていますが、このリンパ液が過剰に溜まると、めまい、嘔気、難聴などが引き起こされます。

このリンパ液はストレスで抗利尿ホルモンが分泌されることにより過剰に溜まることが分かっています。
治療は、利尿剤で内耳のリンパ液を排出させます。また内耳の循環改善薬も使用します。急性期にはステロイド薬を使用する事もあります。抗利尿作用のある漢方(五苓散、苓桂朮甘湯、紫苓湯など)を使用する事もあります。薬物療法だけでなく、ストレスを避けるために、十分な睡眠をとる、軽い運動をすること。塩分を摂りすぎない。水分制限はかえってリンパ液がたまってしまうことになるので、適度な水分補給をする。などの生活習慣の改善も重要になります。

またメニエール病は片頭痛も併発していることが多く、同時に治療する方が効果的です。他にも、鼓室内に薬液を注入したり、リンパ嚢開放術という外科的手術や、中耳加圧療法という専用の機械を使って毎日自宅で施工する治療もあります。

メニエール病は繰り返す病気で、早い段階の方が治りやすいと言われています。最初は症状が軽かったり短期間であると思いますが、繰り返すことで徐々に悪化する事もあり、早めの受診をお勧めします。最初はかかりつけ医、近くの耳鼻科咽喉科の受診でよいと思いますが、日本めまい平衡学会が認定した、めまい相談医という医師の制度もあるそうですので参考にしてみてください。

山田医院 看護師 盛田里穂

手洗いは『ハッピ~バ~スディ トゥ~ユ~♪』を歌いながら♪

大変なウイルスが流行し、日常生活もままならない毎日。いかがお過ごしでしょうか?

わが家の中3、小6の娘たちは、小さい頃からスポーツばかりで土日もほとんど家にいなかったので、ここぞとばかりにおうち時間を楽しんでいます。(といっても、学校からたくさんの宿題が出されているので、そうのんびり過ごす時間はなさそうなのですが)そんな子どもたち、新型コロナの流行でこまめに手を洗う習慣がついたものの、「もう、手洗ってきたん?」と聞きたくなるほどの早わざ!これではあかん!!となぜ、時間をかけて手を洗わないといけないか、中3娘に調べさせました。

「石けんによる手洗い」は、世界保健機構(WHO)からも認められているウイルス(新型コロナウイルスも含む)対策方法です。アルコール消毒液も対策として効果的とされていますが、石けんで20秒間手を洗う方が、確実にウイルスを殺せることが証明されています。(やっぱり早わざの手洗いではあかんのです)手を洗うのに使う石けんは、液体石けんや固形石けんなど、どんな形状の石けんでも効果があります。石けんで手を洗うことで、手に付着した新型コロナウイルスなどを落とすことができます。なぜ石けんでウイルスを落とせるのかは、ウイルスの構造を知るとよくわかります。新型コロナウイルスを含む一部のウイルスは、エンベロープと呼ばれる油のような膜に覆われています。膜に覆われたウイルスは水をはじいてしまうため、水で洗うだけでは手からウイルスを落とすことはできません。ウイルスを落とすには、ウイルスを覆う膜を水に溶かす必要があります。膜を溶かすために必要なのが石けんというわけです。石けんに含まれる分子の働きにより乳化と呼ばれる現象が発生し、油の膜が水に溶けてしまいます。そしてウイルスを覆う膜が水に溶けることで、中に入っているウイルスはバラバラになります。石けんでウイルスが持つ膜を破壊するのにかかる時間が、おおよそ20秒ほど。『ハッピーバースディ』を2回歌うくらいの時間がちょうどいいと言われています。石けんだけでなく、アルコール消毒液で手を消毒することもウイルス対策として効果的であるとされています。消毒液に含まれるアルコールも石けんと同じような働きを持ち、ウイルスを覆う膜を破壊し、ウイルスを殺すことができます。しかし、アルコールが程度な濃度であることが大切で、また手がぬれていたり、汚れていたりすると、消毒液の効果が落ちてしまいます。そしてアルコール消毒液による消毒は、水で洗い流す工程がないため、石けんよりもウイルスを落とす効果は低いとされています。石けんによる20秒間の手洗いは、手の汚れもウイルスも水で洗い流すので、汚れを洗い
流すことができない消毒液よりも効果的というわけです。早速、子どもと『ハッピ~バースディ♪』を歌いながら手洗いをしてみました。時間は28秒。ウイルスを落とすにはいい時間です。そしてなんだか歌うことで気持ちが明るくなる気がしましたよ みなさんもぜひ『ハッピ~バースディ♪』手洗い実践してみてください。

山田医院 医療事務 東川敏美

子どもの肌トラブルについて

出生後に急速に皮膚バリアが形成され皮脂の分泌が盛んにおこなわれますがこの分泌も3か月以降は徐々に低下して2歳ころから思春期までは皮脂が生理的に少ない時期となります。なお汗は生後1-3日は汗はほとんどかかないものの2-3歳ころまで汗を出す汗腺は増加して3歳以降は1個1個の汗腺から出る汗の量は増えていき12歳ころにピークになります。成人以降は下肢から体幹から上肢と順で汗量が減少します。子どもの皮膚は最外層にある角質や表皮の発達が不十分であるために異物の侵入も多くアレルギーの原因となったりまたかぶれが起こりやすくなります。アトピー性皮膚炎などにおいてのスキンケアについては皮膚に付着した刺激物や汚れを入浴、シャワー浴で除去して清潔に保ち保湿剤を塗って皮膚のバリア機能を回復し乾燥を防ぐことです。皮膚の洗浄においては石鹸などを使用しますが液体、固体、ポンプタイプなどいろいろとありますがどれでもいいのですが刺激が少なく肌にあうものがいいでしょう。なお汚れを落とすのは泡であることを念頭に十分に泡立ててから泡で洗うことが大切です。しわを伸ばして洗うこととしっかりとすすぐことがポイントで洗う時には手で洗うのが最もいいと思います。なお湯の温度については42度以上では痒みを生じるために38-40度がよいと言われています。少なくとも1日に1回の入浴やシャワー浴が理想です。汗については保湿作用もありますが放置すると汚れが付着して皮膚を刺激するために手を洗う際にはついでに手首や肘まで水洗いを行う、お腹や頸などの洗いにくいところはおしぼりで清拭をする、可能なら膝も洗う、汗で濡れた衣類は着替えることが大
切です。紫外線についても日焼け止めを利用して過度の日焼けを避ける必要があります。保湿剤については市販薬でもよいと思いますが内部に薬剤の入っていないものがいいでしょう。乳幼児期においては皮膚トラブルは多いものです。スキンケアを中心に日々生活をしてよくならなければまたかかりつけ医師に相談をしましょう。今回はチャイルドヘルス令和2年4月号から抜粋しました。

 

山田医院 医師 山田良宏