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山田医院だより

第20巻第11号(第238号)

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸には無呼吸の時にいびきを伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)といびきを伴わない中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)があります。心不全、脳卒中後、心房細動の患者さんに見られることが多いのは後者のCSAです。割合的には前者のOSAが圧倒的に多くなっています。睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に無呼吸が繰り返されることによる中途覚醒、日中の眠気、起床時の頭痛などの自覚症状あるいは動脈硬化を基盤とした心血管系障害などの合併症を有する疾患です。症状の有無とを問わずに無呼吸を含む呼吸イベントが1時間当たり5回以上ある場合には「睡眠時呼吸障害」となります。

昼間の眠気は居眠り運転事故や労働災害などにつながり社会的にも悪影響を及ぼしています。睡眠時無呼吸においての睡眠時の無呼吸イベントは間欠的な低酸素血症がポイントになります。肺気腫などの慢性呼吸器疾患でも夜間の低酸素が問題になりますがこの場合には持続的な低酸素状態となりこれはたとえば高山などの環境において遷延する低酸素に暴露された場合と同様で通常は換気の増加などが起こり適応できるようになります。

ただし、睡眠時無呼吸においては低酸素の状態は10-60秒程度で、その後にいびきとともに努力換気が戻るために間欠的な低酸素状態を生じておりこれに伴い酸化ストレスが発生します。1回のみの発生では問題にはならないものの無呼吸のたびに発生するためにこれが交感神経活動の活性化などを起こして血圧の一過性上昇などの動脈硬化に直接関係する問題を起こすと言われています。

なお、睡眠時無呼吸症候群においては肥満に加えて高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と併存することも多く、相乗効果で患者さんの予後を悪くしている可能性があります。なお、肥満自体が睡眠時無呼吸と独立して動脈硬化病変の増悪因子となります。

日本においても中等度以上の睡眠時無呼吸症候群は増加していますがのその半数以上は60歳未満と言われています。日本においては中等度以上であれば治療としては持続的気道陽圧法(CPAP)治療を行う事になります。これは鼻あるいは鼻と口にマスクを着けて持続的に陽圧をかける機械を付ける方法です。

日中の過度の眠気などの臨床症状の改善にはこのCPAPを1日4時間以上、1週間に5日以上の使用が必要と言われています。これにより睡眠は確保され自覚症状の改善ならびに血圧、血糖などのコントロールについても改善が期待できます。なお、先ほども記載しておりますがSASとくにOSAでは肥満の方が多く(7割以上と言われています)、肥満のOSAの患者さんにおいては体重管理が極めて大切になります。

肥満を伴うOSAの患者さんはCPAPを使用するだけよりも減量を行う事で予後はさらに改善すると言われています。睡眠時無呼吸症候群においての治療はCPAP以外に口腔内装置(マウスピース)の使用は特に軽症から中等症の患者さんにおいては有効であり第1選択となります。その他の治療法としては耳鼻科手術としての口蓋垂軟口蓋咽頭形成術、舌下神経刺激療法などの治療、顎顔面形成術などの咬合異状の治療、姿勢療法(抑臥位で悪化して側臥位、腹臥位、半坐位でOSAの症状が軽減することからこの姿勢とをるようにする治療)などがあります。

その他としてアルコール、喫煙、睡眠薬、鎮静剤などがOSAの増悪因子となることから禁煙、節酒、薬物投与の減量なども必要となっています。睡眠時無呼吸症候群においての生体の悪影響は持続的な低酸素によるものではなく、逆に間欠的な低酸素(無呼吸による低酸素、その後の改善)が、持続的な低酸素よりも酸化ストレスを発生させており、しかもこの酸化ストレスが繰り返し作られることのよる生体への悪影響が問題になること、また肥満はOSAの原因だけでなく、OSAとは独立して動脈硬化へ悪影響を及ぼすことが分かっており現在ではOSAの治療は間欠的な低酸素を予防するためのCPAP以上に減量も大切になってきていることが分かってきました。現在医療保険においてはオンライン診療が認められております。情報通信機器を使用して医師対患者さんの対面での遠隔医療のことですが、このCPAPの治療については今後は遠隔治療が広がる分野であると考えられています。

この回の内容については日本医事新報令和元年10月号から抜粋しました。

山田医院医師山田良宏

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸の逆流によって引き起こされる病気です。食道は、口から入れた食べ物を胃に送るための管で一方通行です。胃の入り口は噴門部と呼ばれ、下部食道括約筋によって通常は閉じ逆流を防いでいますが、食物を飲み込んだときに開いて食物を胃に送ります。

胃では酸性度の高い胃酸と消化酵素の含まれる胃液が分泌されています。胃液は、食物のタンパク質を分解し、お粥時くらいの固さにする事で腸で栄養分を吸収しやすい状態にしておきます。

胃には酸から粘膜を守る防御機能がありますが食道にはこれがありません。その為、何らかの原因で胃液が食道に逆流すると、食道粘膜は胃酸にさらされて炎症を起こし、タンパク分解酵素が食道を傷つけてしまいます。これが繰り返し起こると、食道の粘膜にただれや潰瘍が生じ、胸やけや吞酸などの不快な症状が現れます。これが逆流性食道炎です。

他にも、喉の奥や口の中が酸っぱい、胃の中身の逆流感、お腹の張り、喉がイガイガ、ヒリヒリする、胃もたれ、げっぷ、咳き込み、胃痛などが起こることもありま
す。不快症状により、食欲低下、気分がさえない、胸やけで寝つきが悪くなるなど、日常生活や仕事に影響を着たしてしまう事もあります。

原因は、胃酸が増えすぎと下部食道括約筋の低下です。胃酸は、ストレス、アルコール、喫煙、高脂肪食、高たんぱく食、過剰なカフェイン、過食などで増えます。下部食道括約筋は、加齢により機能が低下する事があります。また、過食、肥満、ベルトなどによる腹部の締め過ぎ、重い物を持ち上げたりする腹圧のかかる作業により、胃内圧が上昇し一時的に下部食道括約筋圧が開き逆流を引き起こします。

診断は、患者さんの訴える症状から判断されますが、訴えだけでは炎症の程度がわかりません。また、他の病気でないかの確認のためにも胃内視鏡(胃カメラ)を行う事が推奨されています。

治療は、胃酸の分泌を抑える、プロトロンビンポンプ阻害薬、ヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)の服用が行われます。また生活習慣の改善も必要で、うつむいたりお腹を圧迫するような服装をしない、十分な睡眠、適度な運動をし、ストレスを溜めない、食後すぐに横にならない、よく噛んで早食いはしない、腹八分目にする、刺激物をとりすぎない、等気をつけます。逆流性食道炎は自覚症状が無くなっても食道に炎症が残っている場合があり、再発しやすい病気です。繰り返さない為に、症状が改善しても、食生活や生活習慣に気をつけることが大切です。

山田医院看護師盛田里穂

疲れやすいし、時々めまいが起きる…そのような不調を感じている場合もしかした貧血かもしれません。

ヘモグロビン(Hb)基準値は男性13.0~16.6g/dl、女性で11.4~14.6g/dlです。この基準値を下回ると貧血の恐れがあります。ヘモグロビンは全身に酸素や栄養を運ぶ大切な役割を持っているのでヘモグロビンが不足していると様々な不調を感じるのです。

だるさや疲れやすさを感じる
動機や息切れ、めまいや立ちくらみがある
風邪をひきやすい
髪や肌につやがなくなってきた
目の下にくまができやすい
爪の色が悪く、割れやすい

上のような症状を3.4ほど感じている場合は貧血を疑い、食事内容や運動習慣、睡眠について見直しましょう。

ヘモグロビンは尿や便、汗でも排泄され激しいスポーツでは足の裏で赤血球が破壊されることにより
貧血を起こすときもあります。なので鉄分の補給を心掛けましょう。

―鉄を多く含む食品―
レバー・あさり・牛肉・鶏卵・カツオ・シジミ・豆、穀類・ひじきなどの海藻・小松菜・ほうれん草など

また、きちんと栄養をとったらそれが吸収されるために十分な睡眠が必要です。成長ホルモンが分泌される22時から2時頃には眠っておきたいですね。
食べて動いてきちんと眠ってこそキレイで健康になると思うのでみなさん頑張りましょうね!

山田医院 医療事務 宮脇若菜

冷えを防いで健やかな冬を!

ここ数日の間に寒ささえ感じさせるこの頃です。日ごとに寒さが増していく季節になりました。万病の元と言われる冷えを防いでこの冬を元気に過ごしましょう。

冷えは万病の元と言われるのは

ライフスタイルの変化から、冷え症で悩む女性や平熱が36℃以下という「低体温」の人が増えています。身体の機能をスムーズに動かせる体温は、36.5℃~37℃前後と言われてます。体温が低いと血行が不良になり、栄養、酸素も全身に行き渡りにくくなります。また酵素の働きも鈍るため新陳代謝が悪くなったり、免疫力も低下します。その結果、身体に様々な不調が出てくることから慢性的な冷えは病の元と言われています。

低体温や冷え症が増える背景には
①冷暖房の完備に伴い人間が本来持っている体温調節機能の低下
②交通機関の発達やデスクワークの増大により、運動不足や筋肉量の低下を招いている。
③ストレスの増加から緊張による血管の収縮などがあります。その他に、
シャワーだけでの入浴や食習慣の変化も大きく関わっているようです。

身体を温める食べ物
プルーン、ニンジン、カボチャ、小松菜などの色の濃いものや、地下に成長する長芋、レンコン、玉葱等の野菜です。また、しょうが、にんにく、ネギ、唐辛子などの香辛料・調味料などもあります。果物ではリンゴやサクランボ、そして魚介類ではタラ,サケなどの寒い地方で採れたものです。

身体を冷しやすい食べ物
水分が多いもの、色が白い寒色なものがあります。その他、夏が旬の野菜や果物や南国で採れたものなどがあります。

冷えを予防・改善するには
①朝食を抜かないこと:食事をすることそのものが熱エネルギーを産生、一日の始まりとなる朝食は特に大切です。
②一年中冷たいものや季節外れの野菜・果物、また、食の欧米化や加工食品、ファストフーズなどに偏らない事です。
③ビタミンE、:血管を拡張して血行を良くする。抗酸化作用も高く、健康な細胞を守るためにも役立つ。ナッツ類、緑色野菜やアボカド、大豆など
④ビタミンC:コラーゲンや抗ストレスホルモンの合成など、体内での様々な代謝や、免疫力の強化、鉄の吸収を高めるなど。柑橘類、緑黄色野菜など
⑤食物繊維:腸の働きを活発にして、熱を作りやすくする。血中のコレステロールの低下や有害物質の排出、満腹感をもたらすなどの働き、海草類、根菜類

冷えを自覚していれば冷え対策の重要性を認識できますが、問題は「隠れ冷え」自分で気づかないまま冷えを起こしていることがあります。まずは、服装からしっかり対策して、体温を外に逃がさないためには温め服装が基本です。

山田医院 看護師 畑中幸子

災害時、食事はどうする??

水と食料を最低3日分用意しましょう!
水は飲水用・調理用合わせて1人あたり3L/日は必要です。缶詰を(手で開けられるタイプが便利)やレトルト食品(主食・主菜・副菜で揃える)などを普段から備蓄しておきましょう。今は便利で美味しい非常食が沢山販売されています。1ヶ月に1回非常食ご飯の日を決めておくと、災害時の練習にもなり、定期的に保存食を入れ替えることができます。

生き延びることを第一優先に!
エネルギーを確保することが最優先です。配給されたものは何でも食べて良いと考えしっかり食べましょう。
トイレを我慢しがちですがエコノミー症候群予防のため水分摂取を心がけ準備した非常食を役立てましょう。

支援物資について
おにぎりや菓子パンのみの配給が続くこともあります。炭水化物が多く血糖値が上がりやすいため、時間をかけてゆっくり食べることで、急激な血糖値の上昇を避けましょう。味付けの缶詰やインスタント食品などの保存食は塩分が多く含まれています。煮汁や汁は残すようにしましょう。

離乳食といえば母乳を母乳以外の食べ物に置き換えて離乳させるための食事という感じを受けます。WHOでは以前から補完食という言葉を使っています。意味としては離乳食と同じようなものですが補完食とは母乳で足りなくなる部分の栄養素を補完するものということで基本的には母乳を中心に栄養を取り、不足分については補完をするための食事と言えます。WHOは全世界を相手に対応をしているために発展途上国も含めた対応が必要であるために、母乳が最も大切であり基本的には生後1時間以内というできるだけ早くからの授乳を進めています。

また生後6ヶ月までは母乳だけでの育児は可能であると判断をしています。(正期産で未熟児ではない通常の児を対象としてですが)なお、母乳育児は生後2年以上の継続を勧めています。なお、生後6ヶ月ころになると母乳のみで育てられている乳児においては総エネルギー(総カロリー)、タンパク質、鉄、ビタミンA、ビタミンDが不足するためにこれを補うために補完食が必要であるとしています。6ヶ月以上で1日2-3回、9ヶ月以降は1日に3回プラス間食2回を勧めています。

以前はポタポタのお粥(10倍がゆあるいは5分粥)をすすめる本もありましたが薄い粥はエネルギーが少なくなるのではじめから全粥(5倍粥)を勧めています。主食としては日本においては米、パンを使用しておりこれらにはタンパク質もすこしありますが鉄、亜鉛、カルシウム源にはなりません。主食以外の食品としては豆類、動物性食品、緑黄色野菜などがあります。豆類はよいタンパク質源となりますがビタミンAは含まれません。

動物性食品は多種類の栄養素の豊富な供給源ですが高価な事がデメリットになります。緑黄色野菜、特に色の付いた野菜はビタミンAを豊富に含み、新鮮な果物はビタミンCが多く鉄の吸収率を上げます。なお、カロリーを追加するためにバターなどの脂質を加えるあるいは間食として果物、ヨーグルト、ビスケットなどを使用して不足したカロリーを追加することができます。

乳児の食事はムラがありますが、手づかみOK、食べない時にはあとから与える、家族と皆で食べるなど工夫をしても良いでしょう。離乳食よりも補完食という感じで母乳を与えつつ気軽に追加食を与えてはどうでしょうか。今回は11月9日の小児科医学会での張尚美先生の講演から抜粋しました。

山田医院 医師 山田良宏