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山田医院だより

第14巻第9号(第164号)

ウイルス肝炎の治療について

1)C型肝炎

インターフェロンの投与がC型肝炎の治療に対しての承認後の1991年に一気に広がりましたが当時インターフェロン単独投与でウイルスを陰性化できたのは約30%で一時は下火になりました。その後はインターフェロンの単独投与からリバビリンとの併用、ペグインターフェロンとリバビリンの併用と着々と進化を遂げてきました。しかし近年では高い抗ウイルス作用を持つ経口の直接作用型抗ウイルス薬(DDAs)が相次いて開発されています。2011年11月に初のDDAsであるテラプレビルが発売されペグインターフェロン、リバビリンとの併用が可能となりました。ただし、この治療法では高い頻度で貧血、皮疹などが生じるために使用が限られた施設になっています。ただし、現在、新規DDAsが開発されており承認待ちとなっています。これらのDDAsを使用した3剤の併用療法は有効性が80-90%と高く副作用のリスクも少ないと言われています。なお、近い将来はインターフェロンを使用しないインターフェロンフリー療法も登場する見通しといわれています。2種類のDDAsを使用した方法で今後はインターフェロンを使用しない経口薬のみの治療法が第1選択になるだろうといわれています。なお、10年ほど前までは血液検査のALTが31-30IU/L程度の持続感染者では治療対象外でしたが現在では肝機能に左右されることはなく持続感染者=治療対象ということでALTが30位下であっても治療対象者となっています。
2)B型肝炎

以前はHBe抗原が陰性化してHBe抗体が陽転化するHBe抗原セロコンバージョンに持ち込めば臨床的治癒と考えられていましたが近年ではHBe抗原の陰性化だけではなくウイルス量を抑え込むことが重要となりました。これに加えて近年ではHBs抗原の陰性化が治療のゴールになりつつあります。現在、抗ウイルス療法としては経口のエンテカビルか注射のペグインターフェロンがあります。こうした中で見直されているのがインターフェロン治療です。ガイドラインでもペグインターフェロンの単独治療を第1に検討することになっています。なお、以前は成人でB型肝炎ウイルスに感染しても一過性の急性肝炎を発症した後に慢性化しないと言われていましたが欧米型の遺伝子型Aの割合が多くなり急性肝炎の後に慢性化する率が多くなりました。そのために以前では急性肝炎に対しては治療しなかったものの最近では遺伝子型Aに対してはペグインターフェロンの投与も考慮
されるようになりました。なお感染に対してはワクチンが有効なので幼小児期のB型肝炎ワクチンが大切です。その他、B型肝炎に罹患して治癒したと思われていた症例においても抗がん剤治療等でB型肝炎が再活性化する(de novo B型肝炎)ことが分かり抗がん剤治療に際しては注意が必要となりました。ウイルス肝炎の治療については現在でも日々進化しており今までの古い考えでは通用しなくなりつつあります。将来的にはなくなると考えられていたB型肝炎を含めてウイルス肝炎は放置すると肝臓癌発症のリスクがあるためにかかりつけ医師に相談をして必要に応じて専門医師の紹介を受けましょう。

山田医院 医師 山田良宏

介護保険について パート3

《1日1個のりんごは医者を遠ざける》というイギリスのことわざがあります。子供の頃、お腹を壊すと、母がりんごを擂って食べさせてくれました。私の子供にも、お腹を壊すと、同じようにりんごを擂って食べさせました。りんごには、このような整腸と解毒・・他にもたくさんの効果があります。例えば、便秘の解消、貧血の回復、血色の増加、大腸癌の予防、動脈硬化指数の低下、驚く事に、果実中のカリウムにより脳卒中や高血圧の予防にもなるそうです。りんごのポリフェノール効果により、口臭の抑制、虫歯菌の働きを阻害、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の原因となるヒスタミン等の抑制も期待できます。又、自律神経の変化からくる病気や疲労をスムーズに取り除きます。りんごは甘い果物なので、血糖値が気になる方も多いと思いますが、血糖値を下げるペクチンという栄養素が含まれていて、インスリンの分泌を抑える働きもあります。食物繊維がたくさん取れるので、皮ごとかじっって食べる食べ方がお奨めです。9月は、りんごの収穫が始まる季節ですが、今夏も昨年にも増して高温多雨で、農家の人の苦労が心配されます。ちなみに、りんごは青森県と連想されますが、明治の始めにドイツ人のガルトネル氏が北海道函館市に隣接する小さな町、七重村(現七重町)で初栽培したのが始まりです。その後、青森県の果汁園芸家・・菊池楯衛氏が来園、技術を学び、青森県に持ち帰ったそうです。

さて、本題です。今回は要支援と要介護について調べてみました。2つの大きな違いは施設の入所が受けれるかどうかですが、要支援は1と2、要介護は1~5に分けられます。利用者の状態について調べてみました。

要支援1・・基本的な日常生活を送る能力があるが、起き上がり、立ち上がり、片足での立位に介助が必要な状態。

要支援2/要介護1・・歩行、洗身、金銭管理に介助が必要な状態。なお、認知症がなく状態が安定していれば要支援2、認知症がある或いは状態が不安定であれば要介護
要介護2・・移動、歩行に支えが必要で、排泄・入浴・洗顔・衣服の着脱などに介助が必要な状態。
要介護3・・移乗、歩行が出来なくて、排泄・入浴・洗顔・衣服の着脱など清潔保持に介助が必要な状態。
要介護4・・自分で立ち上がり、歩行が出来なくて、排泄・入浴・洗顔・衣服の着脱など全般について介助が必要。認識力、理解力などに衰えもある状態。
要介護5・・生活全般にわたって全面的な介助が必要。多くの問題行動や全般的な理解も低下している状態。
自立と認定される非該当の方は、社会福祉協議会等が行っている安心サポート事業を受ける事が出来ます。この要介護認定に不服がある時は、都道府県が設置する《介護保険審査会》に申立てを行う事が出来ますが実際には再度申請を行うことが一般的です。さて、要支援と要介護ではケアマネージャーも異なります。要支援は地域包括支援センターで要介護は委託介護支援事業所と契約を行います。どちらも、新規に認定を受けた時は、原則として6-12か月。引き続きサービスを利用したい時は更新手続きをして原則として12-24月利用する事が出来ます。次回は、介護給付・予防給付について調べようと思っています。9月になったとたんに、台風の影響か?朝夕めっきり涼しくなったような気がします。 8月末に出された向こう3ケ月予報では、例年通りか?少し高めの気温になり、天気は数日周期で変わるらしいです。大雨、竜巻の被災者の皆さん・・色んな方が、普通の生活に早く戻れますように・・・・・

山田医院 医療事務 堂東眞弓

季節の変わり目にはご注意を!!

夏バテというと、真夏の暑さに体力を消耗した結果起こる食欲不振などの、体の不調をいうのが 一般的です。しかし、夏の終わり涼しくなってきたころ、暑さによる疲れが蓄積した体が朝晩の 急激な気温の変化に対応できず、かぜをひいたり、体重が減ってしまったりなど、体調を崩して しまうことがあります。これらの症状も夏バテと同様ですが、「夏バテ後遺症」や「秋バテ」とも呼ばれています。 夏バテにならなかった人でも、季節の変わり目は気温や湿度、気圧の変化などによって体調を崩しやすくなります。疲れが蓄積した体にはなおさらのこと。夏バテ後遺症を引きずらないためには、早めに体の疲れをとってあげることが大切です。

■暖かいスープで体を温める

■弱った胃腸の調子を暖かいスープなどで体調を整えましょう。

■衣服や入浴で体を温める

■日中はまだまだ暑いからと一日中夏の服装のままでいると、体が冷えてしまいます。特に明け方はぐっと気温が下がりますので薄着のままで寝ないように。湯船に浸かってしっかり体を温めましょう。

■週末はゆったり過ごして体を休める

■季節の変わり目でもある初秋は、夏の疲れを残さないための体の調整期間に充てましょう。

週末にはできるだけ横になる時間を増やしたり、ゆったり過ごすことも大切です。起床や就寝、食事の時間は規則正しく一定にというのが基本です。芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。一年で最も充実した活動ができる季節を 元気に迎えるために、夏バテの後遺症をいつまでも引きずらないよう、しっかりとケアしましょう。

山田医院 事務 杉山 恭子

暑い夏がようやく終わり食欲、読書、スポーツの秋ですね

今年の夏も野球の応援で明け暮れたような気がします・・。そして、いよいよ我が息子も高校2年生!
高校野球最後の年になりました!甲子園に連れて行って欲しいので、伊勢神宮にお参りに行く計画中☆
さてさて、今回はお子様の頭の怪我について・・。
当院は小児外科もあるのでお子様が頭を打ったり切ったりして来院される方も多いです。頭部の怪我は出血、こぶ、腫れ等が強く、頭皮には血管が多いので出血量も多くなり、頭皮のすぐ下に頭蓋骨があるので腫れも大きくなりやすいです。頭を打っても元気で食欲があったら頭を少し高くして安静にして怪我の部位を冷やしてあげて下さい。当日はお風呂は控えて下さい。出血あれば水道水できれいに洗い流して、もし出血が止まらない場合や傷口が開いている場合は早く受診して下さい。時間が経てば縫合が出来なくなります。相当強く打って頭蓋骨が骨折した場合は頭蓋内の出血や脳挫傷など重篤になる場合があるので、意識、呼吸の乱れなどに注意して、万が一吐いても吐物を飲んでしまわないようにして、急に動かさないようにして下さい。もし意識障害を伴う場合は救急車を呼び、詳しく状況を伝えて下さい。頭部の怪我は最初は意識がはっきりしていてもその後急に意識状態が悪化することがあるので丸一日は注意して看ていて下さいね。山田医院でもお子様の縫合処置も多く、その場合は他の患者さまの待ち時間が長くなったり、順番が乱れたりすることがあるのですが、いつもご協力感謝致しております。また、最近のお母様、しっかりされていて、縫合の時も冷静にお子様に説明されて、自分の若いころが恥ずかしく思い出されます。娘が公園のブランコが直撃して頭を切って血だらけで帰宅した時はかなり動転したような・・(笑)

怪我がないのが一番ですが、そういう時も私のように慌てず、落ち着いて対応してあげて下さいね(*^。^*)

まだ少し暑さが残っていますが皆さまご自愛下さい。

山田医院 看護師 冨嶋 友子

子どもの便秘と発酵食品の関係

大人向けの便秘解消対策では、腸内の善玉菌を増やす手助けをする乳酸菌を含んだヨーグルト、チーズやみそ、漬けものやキムチなどの発酵食品を食べるのが良いと勧められていますよね。しかし、子どもの場合にはこういった発酵食品を食べても顕著な効果は期待できないそうなのです。それはなぜなのか、今回は子どもの便秘について調べてみました。腸の神経は2歳ごろまでに成熟しますが、乳児から幼児、特に4歳ごろまでは腹筋が発達していないため、せっかく直腸まで来たうんちを外へ押し出すことができないという「直腸肛門型」の便秘がほとんどです。腹筋が発達する5歳以降も、「直腸肛門型」の便秘が続き、この時期になると、家庭と言う小さな世界から、幼稚園や保育園、そして小学校と言う新しい社会へと入っていきます。この環境の変化にストレスを感じ始め、入園・入学、クラス替えをきっかけに「ストレス型」の便秘になることもあります。ただ、この場合は慣れとともに解消されることが多いのであまり心配はいりません。それよりも、「学校でうんちをしたくない」と言って、便意を我慢して便秘になる子どもが増えており、こうした原因でなってしまう便秘も「ストレス型」の一因ですが、食生活の改善やエクササイズだけでは治すことができません。なので、なるべく朝学校に行く前にうんちが出るように習慣づけて、学校で便意を我慢しなくてすむように配慮してあげるのがよいそうです。中学校に進学するころになると、体は発達し、筋力も十分につくために、「直腸肛門型」の便秘になることはほとんどなくなります。しかし、受験勉強などで体を動かす時間が少なくなり、運動不足になるのもこの時期からで、さらに食事の時間が遅くなり、合間にスナック菓子などを食べるので、腸内の元気だった善玉菌がくたびれて、悪玉菌に活躍の場を奪われやすくなります。こうして便秘の原因が大人と同じ「直腸ぜん動不全型」になっていくそうです。子どもの便秘「直腸肛門型」は腸内環境の問題ではなく、うんちを送り出す力と押し出す力が足りずに起こるもの。もともと子どもの腸内には、大人の何倍もの善玉菌が働いていて、子どもの便秘の原因は善玉菌が悪玉菌に負けて腸内環境が悪くなったからではないのです。だからヨーグルトなどの発酵食品ではあまり効果が期待できず、固くなりがちなうんちをやわらかくしてくれる、水溶性食物繊維を含んだ食材(サツマイモ・りんご・バナナ・ココア・あんこなど)、そしてうんちを包んでスルッと外へ出してくれるオリーブオイルの方が適していると勧められているのですね。腸内環境をあまり悪化させずに、「直腸ぜん動不全型」の便秘が始まる13歳を迎えることが、一生便秘体質にならないための秘訣だそうです。

山田医院 医療事務 中町麻里

☆9-10月の診療について
カレンダー通りです。

☆順番取りシステムについて
順番取システムi-Ticketを導入しています。携帯からでも順番を取ることが出来ますので子ども連れの方等は特にご利用ください。

http://paa.jp/t/116101/にアクセスして下さい。アドレスはホームページにおいても記載されています。
☆乳幼児健診、予防接種について
毎週水曜日午前中は予約で行っております。希望者は事前に電話あるいは窓口で申込みをしてください。

☆インフルエンザワクチンについて
10月から開始します。

☆ヒブ、小児肺炎球菌について
できるだけ2か月からの接種を!

☆日本脳炎ワクチンについて
接種を再開しています。詳細は受付まで。

☆ロタウイルスワクチンについて
2種類のワクチンを扱っています。14週までに接種を開始する必要がありますので希望者は早めに連絡ください。

子供の病気についてのコーナー

子どもの免疫について

人類最大の敵は病原体でありそれに伴う感染症が死因の60%を示していたのはつい最近の19世紀半ばまで続いており、ヨーロッパでさえも19世紀末までは35%の人しか40歳には到達しませんでした。現在では先進国の多くの平均寿命は80歳以上となっています。これは人類が生物学的に進歩したのではなく①衛生環境の向上による伝染の阻止と栄養状態の改善、②ワクチン開発による発症の阻止、③抗菌薬の開発によることが大きいといわれています。人類の免疫には大きく分けて自然免疫と獲得免疫の2つがあります。自然免疫とは生まれながらにして持っている免疫で生
体内に病原菌が入ってくると生来から備わっている補体、インターフェロンなどの液性免疫、好中球、マクロファージ、NK細胞などの細胞性免疫が働き病原体が体に侵入して病気を起こすことを防いでくれます。獲得免疫は一度かかった病気にはかからないという「2度なし」現象のことです。5歳になると獲得免疫が発達して成人のようになりますがそれ以前特に2-3歳までは獲得免疫が不十分であるために自然免疫で感染症と戦う必要があります。新生児期には免疫能はまだまだ不十分ですが出生直後から増える腸内細菌叢の形成ならびに胎児期に骨盤から移行する母親からの
移行抗体、その他母乳による生体防御因子により免疫能は次第に発達するといわれています。母乳、特に初乳については分泌型IgA抗体が多く感染防御に対しては有名ですがその他ラクトフェリン、オリゴ糖、リゾチームなども多く含まれており初乳でなくても母乳自体に免疫力増強作用があるといわれています。その他母乳には長期的な免疫調整作用もあると考えられており、多くの研究がされております。なお、先ほど獲得免疫の「2度なし」について述べましたが感染しても再度感染する病気もあります。その特徴としては①同じ種類の病原体の中でも抗原性が多数存在している。 たとえば溶連菌などはこれが原因で何度も罹患します。②病原体の抗原性が変化する。 たとえばインフルエンザなどでワクチンも毎年接種が必要になります。③幼児期の免疫が未熟性 たとえば肺炎球菌で2歳未満ではこの菌の莢膜に対する抗体ができないために頻回に感染します。④潜伏感染 これは水疱瘡で治癒後も神経節に潜んでいて免疫力が低下した時に帯状疱疹として発症します。感染症は古くて陳皮な病気ですが多くの人がやはり今でも日常的に悩む疾患であり当院でも予防接種、新しい治療法を含めて対応をしているところです。

山田医院 医師 山田良宏