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山田医院だより

第14巻第10号(第165号)

長引く咳について

咳は気道内に入り込んだり貯留した分泌物や異物を排出する生体防御反応の1つです。咳という生体防御反応がなくなると誤嚥を起こしたり肺炎を起こすことになります。一 方不必要(過剰)な咳は体力消耗の原因ともなるために咳についての理解と対処法が大切 となります。咳は性質によって乾性咳嗽と湿性咳嗽に分けることができます。乾性咳嗽 は痰をほとんど伴わない咳嗽で例えばマイコプラズマ、百日咳などによる感染症、咳喘 息、アトピー咳嗽などで見られます。一方、痰を伴う咳嗽は湿性咳嗽といわれており後 鼻漏に伴う咳嗽、慢性気管支炎などで見られます。なお、咳が持続する期間により急性 咳嗽(発症から3週間未満)、慢性咳嗽(発症から8週間以上)、遷延性咳嗽(急性咳嗽と慢 性咳嗽の間)に分けることができます。急性咳嗽についてはほとんどが感染症に伴う咳 であり慢性化するにつれて感染症に伴う咳から喘息、アレルギー、その他副鼻腔炎など が多くなってきます。見逃してはいけない長い咳として有名なのが肺結核、肺癌、間質 性肺炎です。治療をしないで放置しておくと周囲への感染あるいは生命の危険があるた めに一般に咳の治療をしても2週間以上持続する咳嗽についてはまずレントゲン写真等 の検査が必要になると言われています。急性咳嗽は感染症が中心となります。感染症に よる咳でよく見受けるものとしてはマイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳がありま す。マイコプラズマは比較的若年者に多い疾患で罹患すると10%程度の人が肺炎にな ると言われています。第1選択のマクロライド系抗生物質の耐性が15%程度あるとも 言われており一般診療において苦労することもあります。百日咳は乳児期にDPTとして ワクチン接種をしていますが10歳以上になると抗体が少なくなり罹患しやすく最近で は成人百日咳が増加しています。3-4週間で症状は改善しますが感染率は高く1歳未 満の小児に罹患すると生命が危険になることもあり注意が必要です。これらの感染症は 診断が難しいこともあり臨床診断で対応することも実際には多くなっています。慢性咳 嗽になると咳喘息、アトピー咳嗽、逆流性食道炎、副鼻腔気管支症候群などが多くなり ます。咳喘息は慢性咳嗽の原因で最も多い疾患です。喘息と異なり喘鳴は聴取できず痰 を伴わないいわゆる乾性咳嗽が夜間或いは早朝に悪化する疾患です。感冒後あるいは冷 気、疲労、ストレスが誘因となることも多くこの咳喘息を放置すると30%の症例で典 型的な喘息に移行すると言われておりしっかりと治療をする必要がある疾患です。アレ ルギーに伴う咳であるアトピー咳嗽との区別が難しいのですが治療としては吸入ステロ イド剤が両者とも効果的であるために咳喘息を疑った場合には吸入ステロイド剤で対応 をすることが多くなります。咳喘息の場合には2-3か月間ほど無症状期を続けること が大切です。その他日本に多い疾患として副鼻腔気管支症候群があります。喘息が好酸 球による炎症が主体に対してこの副鼻腔気管支症候群は好中球による炎症が主体となっ ています。これは副鼻腔炎に慢性気管支炎(気管支拡張症あるいはびまん性汎細気管支 炎)などが合併した疾患で鼻汁が後鼻漏として咽頭に落ち込むために湿性咳嗽が続く状態 で抗生物質等による治療が必要となります。なお、気管支喘息に副鼻腔炎が合併するこ ともあり鑑別ならびに治療が難しくなるケースも多く見受けます。その他、逆流性食道 炎による咳嗽は欧米では有名ですが日本においては逆流性食道炎単独での持続する咳は さほど多くはなく気管支喘息等に逆流性食道炎が合併して難治性になることが多くなっ ています。胃カメラ等の検査では異常が出ないいわゆるNERDという病態のこともあり ますが治療としては胃酸を抑えまた逆流を抑える消化管運動調整剤を服用する必要があ ります。内科或いは小児科診療において咳は一般的な症状ですが持続する咳は患者さん 本人並びに家族等も辛い症状です。なお、診療する立場としても咳に対しては大変気を 使っていますが咳嗽が持続する場合にはまた相談をするようにしてください。

山田医院 医師 山田良宏

食の安全について

ようやく涼しくなり、秋も深まってまいりました。涼しくなるに伴い、風邪やインフルエンザなど体調の 変化にはみなさん気を付けてくださいね。今回は、食欲の秋にちなんで、食の安全について考えてみまし た。食事は生きていくために必要不可欠な栄養を摂取する目的のほかに、味を楽しんだり、家族や友人と のコミュニケーションの場ともなる大切な機会となっています。今でこそ、食品ラベルには生産地や配合 されている添加物、アレルゲンなどの表示が義務付けられ消費者が手に取り、目で確かめ、購入することがで きます。生産地偽装や、O-157による食中毒事件、異物混入など大きな事故を背景に現在の食品ラベル、 食の安全に目が向けられるようになりました。わたしたちは、自分自身、家族の健康を守るため、また健 康を維持増進させるために、この表示を積極的に利用し、食品を選んできました。2011年3月11日東北地方 太平洋沖大震災を境に、食の安全のなかでも、特に放射能汚染については人々の関心が多く寄せられるよ うになりました。「食べものと放射性物質のはなし」と書かれたパンフレットがどこのスーパーでも手に 入るように設置されるようになり、買い物の際に手に取られた方も多いかと思います。中には、厚生労働 省が国内で販売されている食品における放射性物質についての安全性についての説明がされています。わ たしたちには、テレビやインターネット、雑誌など様々な場所からこういった情報を得る機会がありま す。ただ、風評被害といった、誤った知識から起こる過剰な反応については考えなければいけません。 今回は食の安全のなかでも放射能汚染について考えてみました。現在は2012年4 月1日から適用された「年 間線量1ミリシーベルト以下」に基準値が決められ、これに基づき食品は流通しています。 この基準値は、最も食品を摂取する量が多い13~18歳男性でも年間に1ミリシーベルト超えない量になっ ています。(ニュースでよく耳にする「ベクレル」は放射性物質が放射線を出す強さの単位で、「シーベ ルト」は人体が受けた放射線による影響の度合いを表します)また、乳幼児、こどもが多く食べる食品・ ベビーフード、こどもが多く飲用する牛乳についてはより厳しい基準値となり管理されています。 実際に、数値での汚染度合いはわかりにくいですが、考え方としては、仮に流通するすべての食品が汚染 されていたとしても人体に影響を与えない数値で管理されているということになります。 食品の検査は厚労省のガイドラインに沿って地方自治体が実施しています。では、実際に原発事故のあっ た福島県近隣の食品はどうなっているでしょうか・・・これについては、原発事故直後に比べると食品中 の放射線物質は減少傾向にあると厚労省は発表しています。 また、福島県近隣の食品でも、他府県の食品においても、放射性物質による汚染は、自然界における汚染 に比べても小さいことが確認されています。私たちがスーパーなどで手にする食品は厳しい基準値検査の もと流通している安全性の高いものであり、過剰に反応する心配はないようです。最近はスーパーでも地 産地消のコーナーがあり、地域や近隣の生産地から採れた朝取りの野菜などが手に入り新鮮なものをその 日のうちに口にすることが出来るようになりました。食事は人間のからだをつくる基本になるので、野 菜、肉、魚、タンパク質、糖分、バランスよくしっかり摂ることが一番大切です。食品ラベルから得られ る情報により口にするものを過敏に選ぶことはないですが、バランスよく食事をとることは健康のために 必要なことですね。食欲の秋となり、自然の美味しい味覚がたくさんですが、摂りすぎはよくないので秋 から冬にかけ急激な体重増加、肥満には注意してくださいね。

山田医院 看護師 岩崎恵美子

寝すぎは体に良くない?!

最近ようやく秋らしくなってきましたね。少し肌寒くなってきたせいか夜10時前には布団に入って寝て しまいます。私は普段からよく寝るほうですが、ときおり朝目が覚めると頭がぼうっとしたり、頭痛がす ることがあります。なんとなく寝すぎたのかな・・と軽く思う程度で特に気にもしてなかったのですが、 実は寝すぎるのも睡眠不足と同じくらい体に良くないそうです(汗) 睡眠時間と死亡率の関係を調べたあるアメリカの調査では、もっとも死亡率の低い睡眠時間は6時間半~ 7時間半だそうです。それよりも睡眠時間が短い、もしくは長いと死亡率が高くなっています。ちなみに 睡眠時間が9時間以上超えると急激に死亡率が増加しているそうです。寝すぎると体にどんな影響が出る かいくつか挙げると、アルツハイマーになりやすくなる・糖尿病にかかりやすくなる・太りやすくなるな ど・・。どれも嫌ですが個人的に嫌なのは老化現象が早まるというもの・・。自然な眠りを誘うメラトニ ンという睡眠ホルモンの分泌が乱れると活性酸素を除去する作用が低くなり、老化や病気を招きやすくな るんだとか・・。日ごろから規則的な生活リズムを作って適切な睡眠時間をとるようこころがけたいもの ですね。ちなみに寝すぎによる頭痛を治す方法としてこめかみのマッサージやストレッチがいいんだと か・・私も気をつけないと!

山田医院 医療事務 川村理恵

季節の変わり目

朝晩は少しひんやりとしてきましたが、昼間はまだまだ日差しが強く、もう10月に入って今年も後3ヶ 月ほどで終わるというのに、、、なかなか夏がおわりませんね!! 今長引く暑さや、朝晩の温度差などで体調を崩されてる方も多いのではないでしょうか?? 「季節の変わり目」には体調が崩れやすいとよく聞きますが、その原因とは「季節の変わり目」には温 度や湿度、天候が大きく変動しがちです。次の季節に移ったかのような日があるかと思えば、前の季節 に逆戻りするような天候に戻ったりします。この変化に敏感に反応するのが、体温を調整し体を健康に 整える役目をもっている自律神経です。この自律神経の調子が乱れることで、身体はもとより心も疲れ やすくなってしまうのです。そして、急な気温の変化などで自律神経にストレスがかかり免疫力、抵抗 力が下がってしまいます。ただ単に「季節の変わり目」だから体調を崩しやすいのではなく、日常のス トレスや食生活の乱れなどが気温の変化によって、症状として現れやすくなるのです。体調を崩さない ようにする為には免疫力を高めていくことが大切です。その為にはやはり正しい生活習慣、食事で す!!朝昼晩きちんとした食事をとり、適度な運動をして、十分な睡眠時間で元気に過ごしましょ う!!!!

山田医院 医療事務 平賀怜奈

至福の時 睡眠

いつまでも若さと健康をキープするには、正しい食生活と運動の習慣、そして睡眠が大切だそうです。 急に寒くなってきた昨今は、お風呂に入って、お布団に包まって、、、就寝 「あー至福の時」って、 少しでも早く眠りたい。と、思う私ですが、日本人は寝ていないようです。OECD(経済協力開発機構) の2009年の報告では、加盟18カ国中、日本は韓国に続いて2番目に睡眠時間が短いようです。中でも中 高年世代は、2010年にNHKが行った「国民生活時間調査」によると、日本人の平均睡眠時間は7時間14 分。他の年代はすべて7時間以上寝ているのに、男女とも40代と50代だけが6時間台です。望ましい睡眠 時間は6時間半から8時間で、5時間を切る日が続くと、脳はチューハイを2~3杯飲んだときと同じくら い機能が低下するそうです。頭の働きが悪なるだけではなく、「睡眠不足は体を壊す」ことは疫学的に も確認されていて、45歳以上の5万4269人を調査したところ、睡眠時間が6時間以下の人と、10時間以上 の人はともに肥満、糖尿病、心臓病の有病率が高く、睡眠不足になると脂肪や糖の代謝が悪くなり、太 りやすくなったり、血糖値が高くなったりし、さらに、交感神経の緊張が続くため血圧が上がるし、う つ病のリスクもが高くなるそうで、睡眠時間が短い人は早く老けるというのも、あながち俗説とは言え ないそうです。睡眠中は成長ホルモが出て細胞を再生し、睡眠不足だと、その分泌が少なくなるので老 化が進んでしまい、同じく抗老化ホルモンであるメラトニンも、やはり夜に分泌され、4419人の日本人 男性を調査した結果、睡眠時間が6時間以下の人は7~7.9時間の人に比べて死亡率が2.4倍高くなること も確認されているそうです。つまり、睡眠不足は老化を進め、寿命を縮めるのでは、、、と、「よく眠 る」ことは立派なアンチエイジングのようです。

山田医院  事務   中西美鶴

☆10-11月の診療について カレンダー通りです。

☆順番取りシステムについて 順番取システムi-Ticketを導入していま す。

携帯からでも順番を取ることが出来 ますので子ども連れの方等は特にご利用 ください。http://paa. jp/ t/116101/にアク セスして下さい。

☆乳幼児健診、予防接種について 毎週水曜日午前中は予約で行っておりま す。希望者は事前に電話あるいは窓口で 申込みをしてください。

☆インフルエンザワクチンについて 10月から開始します。 ☆ヒブ、小児肺炎球菌について できるだけ2か月からの接種を!

☆日本脳炎ワクチンについて 接種を再開しています。詳細は受付まで。 ☆ロタウイルスワクチンについて 2種類のワクチンを扱っています。

14週までに接種を開始する必要があります ので希望者は早めに連絡ください。

BCGについて

平成25年4月からは生後5か月から8か月での接種期間が推奨(1歳未満まで接種可能)となったBCGワクチンは平成15 年までは乳幼児、小学校1年、2年、中学校1年、2年時にツベルクリン反応をして陰性者には繰り返し再接種が行われ ており、その後平成17年までは乳幼児にツベルクリン反応をして陰性者に対してのみ行われており、現在のようにツ ベルクリン反応をせずに直接接種に変わったのは平成19年からです。ただし、平成25年4月までは生後6か月未満まで の接種となっていましたがヒブ、肺炎球菌等のワクチン接種との絡みならびにBCGによる骨炎の発生増加もあり推奨 接種期間が5か月から8か月後なりました。BCGの副反応ではありませんが有名な現象がコッホ現象です。これは保健 所等で接種を受けた際には保健師さんから注意喚起を受けると思いますが通常はBCG接種後10日以降してから接種局 所に赤いポツポツができ、一部に白い膿を持ったりして通常は1-2か月してかさぶたができて治りますが、接種後l0日 以内(通常は3-4日以内)に赤いポツポツができる場合をコッホ現象と言い、結核感染の可能性もあるために医療機関 受診の必要性があります。医療機関ではツベルクリン反応検査を施行後に必要に応じてレントゲン写真等を行いま す。比較的多い副反応としては腋窩リンパ節の腫脹で接種後4-6週後に多くみられる反応で大きさは大きくても2cm 以内であり時には化膿して排膿することもありますが通常は数か月で自然治癒します。その他、接種後に皮膚に現れ る副反応として皮膚結核様病変があります。これは全身性の発疹と接種部位限局性の発疹があります。全身性の発疹 の場合は2か月以内に発症して全身に幅広くさまざまな皮疹が見られますが菌を認めることはほとんどなくいわゆる アレルギー反応と考えられており通常は自然に治癒します。なお限局性の発疹は全身性の発疹よりも発症が遅く3か 月以内に発症、多くは接種部位近傍の皮下結節として現れます。この場合にはBCG菌直接の反応によるもので抗結核 薬を必要とします。なお、免疫系の基礎疾患がある場合には全身性の皮疹でも全身状態が悪くなることも多く注意が 必要です。コッホ現象は6か月以降多くなること、大阪では結核が多いことから生後2か月からできるだけ同時接種で ヒブ、肺炎球菌、DPT-ポリオ、ロタウイルスを5か月までに終了させてその後速やかにBCGを接種することが理想と 思われます。なおBCG接種後に副反応等が心配でしたらいつでも相談してください。

山田医院 医師 山田良宏