27巻 医療法人 山田医院 第10号(第321号)|大阪市阿倍野区で内科・外科・小児外科なら山田医院にお任せください。

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山田医院だより

第27巻第10号(第321号)

水曜日午前中の検査についてのお知らせ

水曜日午前中は予約診療として予防接種、乳幼児健診、一般健診や超音波検査などをしております。
なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。

アレルギー検査機を入れました。!

40分足らずで多項目のアレルギーの検査ができるようになりました。

加熱式タバコをめぐる誤解について

新型タバコを考える際に3つの誤ったイコール(=)が知られています。
① 有害物質への暴露が減る=病気のリスクが同じ割合で減る
② 紙巻きタバコから加熱式タバコに替える=禁煙
③ 煙や臭いが目立たない=周囲への暴露がない
これらはすべてイコール(=)ではなくノットイコール(≠)です。まず用語についてですが「新型タバコ」という呼び方には加熱式タバコ、電子タバコなどがまとめられています。加熱
式タバコはタバコ葉を含むスティック等を電気的に加熱しニコチンを含むエアロゾルを発生させる「たばこ製品」です。IQOS、glo、Ploomなどが代表例でタバコ税の対象にもなります。一
方電子タバコはタバコ葉ではなく液体を加熱してエアロゾルを発生させる製品です。日本においての一般流通品には主にニコチンを含みません。加熱式タバコは日本で世界に先駆けて普及
したもので現在は男女とも喫煙者のおおよそ4割に達しています。タバコの歴史を振り返ると新しい設計がより安全という印象を生み禁煙を遠ざけた例があります。フィルター付きタバコ、
「ライト」「マイルド」「低タール」タバコです。測定機械では測定値が低くても人においては機械と同じ吸い方はしません。深く吸う、吸う回数を増やすなどの行動もあり実際の暴露量
や疾病リスクは表示された数値通りには低下しなかったようです。そのために「ライト」「マイルド」などの表示は各国で規制されてきました。歴史から学ぶこととしては技術の新しさや
宣伝文句ではなく現実の使用行動、人体での暴露、疾病発症、禁煙への影響を産業から独立した研究で長期に評価する事です。我々が接する科学情報そのものはたばこ産業関連の論文が6割
以上占めていることが問題となっています。加熱式タバコは燃焼させないために紙巻きたばこの煙と比べると一酸化炭素をはじめ一部の有害物質の発生量が少なることはあります。しかし
吸い込むものは単なる水蒸気ではなくニコチンに加えて発がん物質を含むタバコ特異的ニトロソアミン、カルボニル化合物、微小粒子などがあります。一部の有害物質が少ない一方で同程
度または多い物質や、紙巻きタバコにはない物質もあります。ここで重要な事は選択した有害物質が90%すくないといった表示からがんや心筋梗塞などの疾病リスクも90%少ないとは計算
できないことです。なお、紙巻きタバコの長期的な健康影響は数10年に渡る疫学研究で確立していますが、現在の加熱式タバコが広く使われ始めてからの期間はまだ短く十分な研究は出来ていません。今は結果を待っている状況です。現時点で大幅に安全と断定することは適切ではありません。確実な事は加熱式タバコも有害であり完全にタバコを止めることが最も確実に暴露を減らす方法であるという事です。加熱式タバコは禁煙治療薬として認証された製品ではなくニコチンを反復摂取するために依存は続き紙巻きタバコとの併用も起こりやすくなっています。加熱式タバコを日常的、長期的に使用している人は完全禁煙率は低いために禁煙の治療においては紙巻きタバコから加熱式タバコで終えるのではなくそこから加熱式タバコも止めるこ
とが必要です。理想としては加熱式タバコを経ずに止めることが最善です。加熱式タバコのエアロゾルは紙巻きたばこの煙より見えにくく臭いも弱いのですが排泄されたエアロゾルは室内空気に広がり周囲の人もニコチンや微小粒子などに暴露されます。周囲への影響はエアロゾルだけではなく壁、床、ほこり、使用者の服、身体などに残った物質や臭いが使用後にも周囲に持ち込まれます。これは3次喫煙と言いますがこれによる労働障害、抑うつ症状などの問題もあります。加熱式タバコは煙の見え方と臭い、機械のデザインを変えた。しかしニコチン依存と有害物質への暴露という問題は同じです。医療関係者は有害であること、併用は期待した利益を得ることはできない事を示すことが必要です。最初に述べた3つの間違ったイコール(=)を1つづつ直して最終的には完全禁煙を考慮する事が大切です。今回は大阪保険医雑誌令和8年10月の東北大学医学部公衆衛生学の田淵貴大先生の論文から抜粋をしました。

山田医院 医師 山田良宏

骨密度とは?

骨密度とは、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどれだけ詰まっているかを示す、骨の強さの目安です。人生100年時代を健康に歩き続けるためには、骨密度を維持し、骨粗しよう症や骨折を予防することが重要です、骨は一度できたら変わらないものではありません。古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」が繰り返され、常に作り替えられています。しかし、加齢や女性ホルモンの減少、生活習慣の乱れなどによって、このバランスが崩れると、骨吸収が骨形成を上回り、骨密度が低下します。特に40歳を過ぎると骨
密度は徐々に低下し、女性は閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため、骨が弱くなりやすく、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まります。いったん低下した骨密度を大きく改善することは簡単ではないため、早い時期から骨を守る生活を心がけることが大切です。

骨を丈夫にするには、まず栄養が重要です。骨の材料となるカルシウムを十分にとり、目安として1日800mg程度を意識します。しかし1日で800㎎を単一の食べ物だけで摂ろうとすると牛乳なら730㎖、、木綿豆腐ならやく3丁に相当し1つの食材だけで摂るのは難しいため、乳製品、大豆製品、小魚、青菜を組合せ3食に分けるのが現実的です。さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨の形成に必要なタンパク質などもバランスよく摂取します。偏った食事や極端なダイエットは骨に必要な栄養素が不足する原因となるため避けることが大切です。また、日光を浴びることも骨の健康に役立ちます。ビタミンDは日光を浴びることで体内でも作られます。特に日光を浴びながら歩く「日光浴」は、骨の健康を保つうえで有効です。1日15分太陽の
光を浴びるだけで1日に必要なビタミンDの8割が生成されるといわれています。さらに、ウォーキングなどの運動によって骨に適度な刺激を与えると、骨を作る細胞が活性化し、骨の強化につながります。日常生活の中で歩く機会を増やすなど、無理なく継続できる運動を取り入れることがすすめられます。またかかとを上げ下げする「かかと落とし」などはどこでも手軽にできてお勧めです。かかとの衝撃が信号となって全身の骨芽細胞が活性化し骨の強化につながります。1日計50回を目標にしましょう。

骨密度を守るためには、食事、日光、運動を組み合わせることがポイントです。骨の健康は毎日の生活習慣の積み重ねによって支えられます。年齢を重ねても自分の足で歩き続けられるよう、若いうちから、あるいは今からでも、骨を意識した生活を続けることが大切です。

最近朝晩はしのぎやすくなりましたが日中はまだまだ気温が高く紫外線の影響も受けやすいので無理は禁物です。洗濯や買い物など日常の中でこまめに取り入れましょう。

山田医院看護師 中島早苗

尿もれについて

今年も蒸し暑い日が続く夏でしたね。健康に水分補給が大切ですが、水分補給をそれば行きたくなるのがトイレです。特に高齢者になればトイレが近くなり、頻繁をもよおして、我慢できずに尿がもれてしまうなど、排尿にまつわる悩みを抱えている方も多いのでは。咳やくしゃみをしたら、ちょっとだけ尿がもれた、急にトイレに行きたく
なり、我慢できない、夜、トイレに起きる回数が多いなど排尿にまつわるトラブルは多く、40代以上の女性の3人に1人は排尿にまつわる悩みを抱えているといいます。排尿の悩みの原因はさまざまでその程度も個人差があります。

①腹圧性尿失禁
大声で笑う、咳やくしゃみをする、重いものを持ち上げようとするなど、お腹に力がかかったときに尿もれが起こる症状です。本来、尿道は骨盤底筋や尿道括約筋などによって膀胱と尿道の出口を締めているので、尿もれが起こることはないのですが、なんらかの原因で骨盤底筋や尿道括約筋が衰えると、膀胱や尿道がゆるんで尿がもれてしまうのです。腹圧性尿失禁は女性に多く、40代以降、肥満の人、経腟分娩の経験がある人はハイリスクとされます。

②切迫性尿失禁
突然おこる、我慢できないほどの強い尿意を尿意切迫感といいます。また、そのせいでトイレにたどり着いた瞬間やトイレで下着を下ろそうとしたときなどに、間に合わずもらしてしまう症状を切迫性尿失禁と呼びます。
この両方に深く関係しているのが、過活動膀胱という病気です。健康は膀胱に比べ、膀胱内に尿を十分にためられなくなるため、こうした症状が現れるよになります。過活動膀胱があると膀胱に少し尿がたまっただけでも過敏に反応して非常に強い尿意が起こります。さらに膀胱が収縮してしまうために、切迫性尿失禁では大量の尿がもれます。突然の強い尿意は水の流れる音を聞くなど些細なきっかけで起こりやすく、いつ尿意が起こるのかわからないため、失禁への不安から日常生活に支障をきたすようになります。③混合性尿失禁とは、切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁の両方があるものをいいます。女性に多く、時に閉経後の50代以上の女性に増えてき
ます。

③排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)は男性特有の尿もれです。トイレで排尿した後、自分では出し切ったつもりが、尿道内に残っていた尿が後からじわっともれ出す現象です。下着やズボンがぬれたり、シミができたりするため、外出などで困ることが多いものです。尿もれに原因は、尿道を締める球海綿体筋(きゅうかいめんたい)という尿道を締める筋肉の収縮力が低下するためです。中高年の男性は前立腺肥大が起こっている人が多く、そのせいで尿の勢いが衰えてくることも影響しています。

④夜間頻尿とは、夜間睡眠中に排尿のために1回以上起きる状態のことです。トイレに何回も起きるため睡眠が妨げられるだけでなく、高齢者ではトイレに行く際に転倒し骨折するなど、それがきっかけで寝たきりになる危険もあり、決して放っておいてよい症状ではありません。主な原因は、多尿・夜間多尿、膀胱の畜尿量の減少のほか、眠りが浅いなどの睡眠障害です。また、下肢のむくみも関与しています。特に夜間の尿量が多い夜間多尿があると、トイレに起きる回数がふえてしまうからです。夜、就寝時から朝、起床するまでの夜間尿量が、1日の総尿量の3分の1を超えている場合は夜間多尿と判断できます。

⑤溢流星尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)とは、排尿しにくいせいで膀胱内に大量に尿がたまり、それがあふれてチョロチョロともれ出る状態のことをいいます。尿が出るまでに時間がかかる、腹圧をかけないと尿が出にくい、尿に勢いがなく少しずつしかでないといった状態を伴います。すっきりと尿を出したいのにそれができず、常に残尿感に悩まされることが少なくありません。さまざまな、原因が考えられますが、女性では骨盤臓器脱や間質性膀胱炎、尿道狭窄などの病気が疑われます。男性では最も多いのが前立腺肥大症によるものです。ほかに腎不全による場合もあります。排尿困難やそれによる溢流性尿失禁を放っておくと、腎不全になる可能性が高くなります。排尿困難が進行し、尿が全く出なくなってしまう尿閉という状態になると非常に危険です。自力で治そうとせず、早めに泌尿器科を受診してください。尿もれや頻尿が恥ずかしがる必要はありません。これらの症状に悩まされているのはあなた1人ではありませんので症状が悪化する前に泌尿器科を受診しましょう。

山田医院 医療事務 阿知波真弓

おならがよくでる?良いおならとは?

最近、『おならが出やすくなった』『ガスがたまってお腹がポッコリ』『自分のおならの臭いがひどくてびっくり』などの声を聴きます。おならは腸内にたまったガスを排出する自然な生理現象です。健康な人の場合、おならの回数は1日に10回前後、おならの総量は約500~1500mlと言われています。これはあくまでも平均であり、その人の健康状態や食生活などによって、違いがあります。 でも、おならは、出したほうがよいのです。我慢すると腸内にガスが溜まり、お腹の張りや痛みの原因になります。良いおならと、悪いおならがあります。良いおならとは、ほとんど匂いがなく(ほぼ無臭)、お腹が張らず、適度な回数で無理なく排出されるものです。悪いおならとは、臭いが強く、量や回数が以上に多いおならのことです。おならのもととなるのは、消化管内で腸内細菌がつくるおならの成分のうち、99%の成分は無臭です。わずか1%の揮発性ガスこそが、くさいおならの原因なのです。揮発性ガスとは、大腸にいる腸内細菌が食べ物を分解・合成するときに作り出す硫化水素やメタンチノール、トリメチルアミンなどのことです。

おならの出る原因としては、●加齢により消化管を動かす神経細胞の動きや、腸のぜんどう運動が衰えます。腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が増えやすくなります。悪玉菌が増えると、ガスが溜まりやすくなり、おならが頻回にでるだけでなく匂いがきつくなります。●骨盤や肛門を締める筋肉が弱まり、おならが出ないようにしようと思っても、筋肉がうまく働かずにおならが勝手に出てしまうことがあります。●高齢になると活動量が減ったり、環境の変化によるストレスを感じやすくなったりすることも腸の動きを低下させます。●女性ホルモンの減少と自律神経の乱れも、消化器官の機能に影響を及ぼします●空気の飲みすぎです、早食い、食べ物をよく噛まない、会話をしながら食べると、無意識のうちに空気を多く飲み込んでしまいます。胃に入る空気の量が増えると、腸内ガスの量も増えて、おならの量やお腹の張りにつながります。●便秘になると腸内に便が長く溜まり、発酵が進んでガスや嫌なにおいが発生しやすくなります。●隠れた病気が(消化管の疾患)原因のこともあります。

良いおならを出す対処法としては、
●発酵食品をとる:納豆。ヨーグルト、みそ、などで善玉菌を増やしましょう●植物繊維をバランスよくとる;野菜や海藻をとり、肉類や油脂っこい食事にかたよりすぎないようにしましょう。●便秘になりにくい生活習慣を心がける。毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつける●ストレスをためない。●よく噛んでゆっくり食べる。 ●適度な運動などです。 おならが増える原因のほとんどは生活習慣によるものですが、たまに消化管の疾患が関係していることがあります。長期にわたって症状が続く場合は、病院受診をお勧めします。

山田医院 看護師 橘 智子

子供の病気についてのコーナー

子どもの不器用さの観察について

子どもの発達上の課題としてコミュニケーションの困難さは注目されやすい一方で不器用さは軽視されがちです。しかし、不器用さは単に身体や指先の動きの問題にとどまりません。手先の不器用さ、目の使い方の不器用さ、体幹機能の未熟さなどが重なることで自己効力感の低下や無力感を生み出して心理面にも影響します。このように身体機能の不器用さが心の不器用さに繋がり活動や社会参加への困難へ負の連鎖が生じる恐れもあります。ピラミッドメソッドという観察方法があります。第1段階としては姿勢。動きの土台となる部分で頚部、体幹、下肢、バランス姿勢などの観察をします。第2段階としては手指の機能。握る、つかむ、両手を使うなどの能力を観察します。第3段階としては感覚・知覚機能。視力、眼球運動などを観察します。第4段階としては認知機能。意欲、注意力、記憶などを観察します。一つの動作にも複数の要素がかかわっていることを理解します。不器用な動きを繰り返し練習させるだけは十分な効果は得られません。大切なのはなぜその動きが難しいのかを分析する事です。ピラミッドメソッドを用いて気になる動作を多面的にとらえることで課題を設定できるようになります。不器用な動きはほっておいても自然に治るのでなくきっちりと対応することで動きを改善するだけではなく心理的にも効果がでるのできっちりと分析をして対応することが大切です。今回はチャイルドヘルス令和8年10月号から抜粋をしました。

山田医院 医師 山田良宏