第26巻 第1号①(第300号)|大阪市阿倍野区で内科・外科・小児外科なら山田医院にお任せください。

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山田医院だより

第26巻 第1号①(第300号)

男性の性機能障害について

性機能障害は性欲、勃起、性交、射精、極致感のいずれか1つが欠けるかもしくは不十分なものと定義されています。

不妊症治療においても性機能障害は重要な位置づけになっています。
頻度としては射精障害、勃起障害が大きな原因となっています。今回は勃起障害(ED)を中心に話題提供をしたいと思います。

EDの定義ですが、性行為を行うのに満足な勃起が得られない、勃起を維持できない状態が続く、それを繰り返すというという事です。
ただし性行為を行うことがない人にとってEDは特に病気でもなく全く気にならないことになり、これは一般の疾病とは異なります。
EDには分類があり、器質性(血流障害などの何らかの病的な原因がある)、心因性(ストレスなど)、混合性の3つに分けることができます。EDは欧米諸国と比較すると高いようで、年齢が高いほど有病率は高くなっています。(おおよそ年代-10%くらい。60歳代であれば60-10の50%程度)
ただし、20歳代においてはやや高くなっているようです。EDについては研究も進んでおりいろいろな疾患の関与も分かり、またリスクファクターについても明らかになってきました。
最も重要なリスクファクターは加齢です。これについてはどうしようもありません。加齢以外としては心血管系の疾患のある患者さんが多いと言われています。
これらの疾患のベースには動脈硬化、血管内皮障害があります。EDについても陰茎動脈の内皮障害が指摘されています。
この陰茎動脈は心臓の冠動脈、脳の動脈よりも非常に細い血管であることから、動脈硬化等においては陰茎動脈の方が先に障害されると考えられています。
EDが先に起こりその後に脳卒中あるいは心筋梗塞を起こす順番になります。実際に脳卒中や心筋梗塞を起こす前にEDを自覚する人も多くまたEDがある人の方が心筋梗塞、脳卒中での死亡率が高くなる報告もあります。
この点からEDは最初に自覚できる生活習慣病の症状とも言えます。その他に喫煙、多量飲酒、運動不足、長時間坐位などもリスクファクターになります。
また注意すべきこととして薬物が原因となることもあります。降圧剤としては利尿剤、β遮断薬、カルシウム拮抗薬がEDに関連、スタチン系薬物、AGA(男性型脱毛症)の治療薬、抗うつ薬なども関連が指摘されています。その他に肥満、睡眠時無呼吸症候群、歯周病なども関連性を指摘されています。
EDにおける診療の流れですが、病歴でEDの確認、原因、リスクファクターの確認を行い身体診察、必要に応じて血液検査(性腺機能低下を疑う場合などは男性ホルモンのテストステロンの測定など)を行います。
治療についてですが、根本的に治るのは男性ホルモンであるテストステロン低下に伴うEDと心因性EDです。
男性更年期障害(LOH症候群)は最近マスコミにもよく見かけますが、加齢に伴い男性ホルモンであるテストステロンの減少とともに抑欝、認知能低下、気力の低下などともに性欲の低下ならびにEDが起こりますが、この状態に対してはテストステロンの補充療法を行います。
なお、ED一般についての治療の初手はホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5阻害剤)の服用となります。
日本では1999年3月に初めて発売されました。シルデナフィル(バイアグラ®)は今でも第1選択薬としてよく知られています。
現在日本においてPDE阻害剤は3種類ありますが、その1つであるバルデナフィル(レビトラ®)は発売中止となり、現在使用できるPDE5阻害剤はシルデナフィル(バイアグラ®)とタダラフィル(シアリス®)となります。性交1時間前に服薬が基本で、タダラフィルと異なりシルデナフィルは空腹時の内服が必要です。
なおPDE5阻害剤を服用しても性的刺激がないときには効果(勃起)は出ないことは重要なポイントです。
なお、硝酸薬(狭心症の薬、ニトログリセリン)を服用しているときにはPDE5阻害剤は使用できません。
個別注意事項としてシルデナフィルは65歳以上の高齢者では25mgから開始、50mgまで使用可能。(海外では100mgまで使用可能も日本では50mgまで)となっています。なおPDE5阻害剤は全体的に大凡70-90%と高い効果率を示します。このPDE5阻害剤の効果がない場合には海外ではPGE1を陰茎の海綿体に自己注射する治療法が定着していますが、日本においては保険診療でないために陰圧式勃起補助具を使用することになります。
これらの治療が無効な場合、陰茎プロステーシス挿入術があります。これはつっかえ棒のようなものを陰茎に埋め込み、平素は曲げて置き性行為をする際に伸ばして使用するものです。
なお、新しい治療法としては低出力体外衝撃波治療が注目されています。これは数回程度の衝撃波を陰茎に当てるもので注目されています。

2022年4月から不妊診療においてPDE5阻害剤は1回の受診で4回までは保険適応になりました。(適応にはパートナーガ不妊治療を受けている等の厳しい条件が必要ですが。)
ED治療についてはいままで特に興味がある分野ではありませんでしたが、今回は日本医師会雑誌令和6年12月号を読んでみると奥が深い学問の1つであると実感しました。またEDで悩みが
ある場合には相談ください。

山田医院 医師 山田良宏

はたらく細胞で感動と知識をもらいました(笑)

娘が5年前看護師を目指している時「はたらく細胞」を知り、「これ楽しく勉強出来ていいわ~!」って言ってました。
それを孫も見ていたのか、私より詳しく知ってて((ÿ`*ゞ)テヘッ

そんな時に「佐藤健」君と「永野芽郁」ちゃんが主演で映画に出ると知り、年末一人で観に行きました。赤血球、白血球、マクロファージ、キラーT細胞、NK細胞、ヘルパーT細胞、肝細胞、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌、それそれ役者さんが細胞などの役柄をしていて、そして、大好きでライブにも参戦してる「セカオワ」の「Fukase」君が、え?え?の連続でした。これだけで終わったら映画の宣伝だけになるので、可愛かったマクロファージの事を少し。

マクロファージは全身の細胞に広く分布しており自然免疫において重要な役割を担っています。体内に侵入した細菌を捕らえて食べる能力に優れており、食べた細菌を消化、殺菌することで細菌感染を防いでいます。
抗原や免疫情報を見つけ出して、細胞や細菌の片づけをする掃除屋さんのような役目ですね。
白血病になった女の子の身体の中の戦いですが、放射線療法の身体の中での表現がなんか涙が出るような光景でした、私たちのこの身体。本当に不思議ですよね。
白血球さんや他の細胞さんを酷使しないように私たちも、健康的な生活を心得て今は人生100年時代。私の母も義母も共に94歳の長寿です。
そしてこの「山田医院便り」も今回で300号と言うことでスタッフ全員参加での豪華?号です。2012年7月は150号特別号でした。その時も全員集合。
その時いたスタッフで今も山田医院で働いているのは4人です。全員看護師です。すごいですよね~。あ、先生も入れたら5人です(笑)
その時は区民ホールを借りてイベントもしました。先生のまだ小さかったお嬢様や、スタッフのお嬢様がピアノ演奏をしたり、私も少しお洒落してマイクを握ったり(歌ってはいません)楽し
かった思い出があります。患者さんでそのイベントを見に来てくださった方はいらっしゃいますか?後日「わし見に行ってんで」と言われて嬉しかったのを思い出します。
次は450号記念でしょうか?その時は私はもう定年しているので、待合でこの山田医院便りを読んでいると思います。
さて、年末年始と風邪を引いてしまいガラガラ声で仕事していて申し訳ありませんでした。
この記念号が出ている時は元の声に戻ってますように。皆様も充分お気を付けください。

山田医院 看護師 冨嶋友子

帯状疱疹について

帯状疱疹とは、子供の頃に罹患した水痘(すいとう)、すなわち水ぼうそうのウイルスが再活性化することで発症する病気です。
水痘のウイルスは水痘が治癒した後、皮膚にのびてきている知覚神経を伝って、背骨に付随している神経根にたどり着き、潜伏します。水痘に罹ったことがある人は全員、その状態になっていると考えられます。
水痘に対する免疫が完成すると二度と同じ病気を発症することはありませんが、先の挙げた要因などによって一部の免疫が低下すると、それまで眠っていた水痘のウイルスが目覚め、神経を壊しながら増殖していきます。症状の現れ方には次のような特徴があります。

・身体や顔の左右どちらかにピリピリ・ズキズキといった神経痛が生じる(痛みの感じ方は個人差が大きい)
・数日後、痛みのある部位に赤い発疹が出てくる。初期段階では、「虫刺され」「小さなおでき」「かぶれ」のように思われることが多い。
・進行すると発疹が小豆大くらいの水ぶくれになり、身体や顔の片側に帯状になって広がる。水ぶくれはやがて破れてただれ、かさぶたになる。

帯状疱疹の発症率は50代から高くなり、年代が上がるにつれて増加する傾向にあります。
高齢になるほど発症率が高くなる要因の一つとして、加齢に伴い免疫力が低下することと関係があると考えられています。この他、癌や糖尿病など免疫力が低下する病気を患っていたり、ステロイドの内服薬や抗がん剤など免疫の働きを抑制する薬を服薬していたりする場合も帯状疱疹を発症する要因となり得るとされています。
とはいえ、50代以下でも一定の割合で発症する人はおり、加齢や病気、薬剤の影響だけが原因ではありません。
働き盛りの世代でも、仕事や家事、子育てや介護などで多忙な日々が続いていたり、ストレスや疲労を重ねていたりすると、ある日突然帯状疱疹を発症する場合があります。
しかも、そういう時に限って、どうしても休めない重要な仕事や、自分が仕切らなくてはならない家の事情を抱えていたりするケースは少なくありません。
帯状疱疹の症状でぜひ覚えておいてほしいのが、痛みに加えて皮膚に発疹などが現れた場合には、3日以内に皮膚科を受診することです。

帯状疱疹は早期発見、早期治療で後遺症なく治癒できる病気です。治療は高ウイルス薬が中心で、外来での内服または点滴が行われます。
ただし、治療を開始してすぐに症状が改善するわけではありません。抗ウイルス薬が体内に取り込まれ、ウイルスの活動が停止するまでに2~3日かかると考えられています。痛みや皮膚の
症状が改善してくるのはその後ということになります。
医療機関への受診を先延ばしにすると症状が長引くことになってしまい、抗ウイルス薬の効果が十分に得られない可能性も高くなります。帯状疱疹かも?と思ったら、早めの受診を心がけましょう。
今回は、帯状疱疹についてのお話をしましたが、帯状疱疹の予防方法、ワクチンについてのお話をいていけたらなと考えていますので、しばしお待ちくださいね。

山田医院 看護師 川上 啓

健康寿命と平均寿命

今回は山田医院だより300号記念ということで「人生100年時代」を健康に長生きしたいという思いでこのテーマにしました。

皆さんもご存じのように日本は世界一の長寿国です。つまり「平均寿命が長い国」ということです。寿命が長いことはいいことですがやはり“健康で長生き”したいものですよね。そこで重要になってくが来るのが「健康寿命」です。

実は日本では、「健康寿命」を延ばすことが国としての大きな課題となっています。では、平均寿命と健康寿命の違いは何でしょう?
平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで生まれてから亡くなるまでの“生存している期間”の平均を指しその間の健康・不健康などの状態は問いません。
一方健康寿命とはWHO(世界保健機関)が2000年に提唱した新しい指標で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
“自立して健康に過ごせる期間”の平均であり、病気などで介護や支援を必要としている期間は健康寿命には加算されません。
平均寿命と健康寿命は同じ寿命でも“健康状態が考慮されているかどうか”に違いがあるといえます。

WHOが発表した世界保健統計2023年版によると、日本人の平均寿命は84.3歳、世界第1位です。男性は81.5歳、女性は86.9歳。
そして健康寿命は74.1歳でこちらも世界第1位です。男性72.6歳、女性75.5歳。ここで注目すべきなのはその“差”です。
平均寿命と健康寿命には男性8.9年、女性11.4年の差があります。この差はすなわち”不健康な期間”を表します。男性は約9年、女性は約11年にもわたって健康上で何かしらの問題を抱えながら日常生活を送っているということになります。
なお、日本は平均寿命、健康寿命とも世界第1位ですが、平均寿命と健康寿命の差では第33位で「長生きしかつ健康な期間も長い」とはいえません。
健康寿命を延ばすために厚生労働省では2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定し、2040年までに2016年時の健康寿命を男女ともに3年以上伸ばすことを目標としていますが、いかに健康
寿命を延ばすかはやはり個人での健康意識を上げることが大切です。健康寿命を延ばすためにはÿ食生活を見直す。
主食・主菜・副菜をきちんと組み合わせた食事を一日2回以上、ほぼ毎日摂るのが理想的です。外食やコンビニ弁当の割合が多い方は野菜が不足しがちなので、サイドメニューでしっかり野菜や果物を摂るよう心がけましょう。
野菜だけでなく、乳製品、豆類、魚、卵などのタンパク質豊富な食品やエネルギー源となる穀類なども摂取できるようバランスよく組み合わせることが大切です。
日本人は食塩摂取量が多い傾向にあるので醤油や味噌などの味付けをしすぎないように気をつけましょう。
飲酒も適量にとどめます。厚生労働省では、一日あたりの純アルコール摂取量20g程度を「節度ある適度な飲酒」としていますので、その範囲内におさまるようにしましょう。
肥満・やせを避けて適正体重を維持すると脂質異常症や糖尿病、高血圧など生活習慣病の発症予防、重症化予防にもつながります。
日ごろから活発に運動する。一日10分でも多く体を動かすことから始めてみるのが大切です。目安は歩行もしくは歩行と同等以上の身体活動を毎日60分行ないます。さらに、1週間に60分くらいは息がはずんで汗をかくような運動すると理想的です。
高齢者の場合は運動強度を問わず植物の水やりやラジオ体操なども含めて毎日40分程度の身体活動を行なうことが推奨されています。
定期的な検診・健診と口腔ケアを行う。定期的に検診・健診を受けることは健康寿命を延ばすことにつながります。
がんの早期発見・重症化予防のためにはがん検診を受けたり肝炎ウイルス、ピロリ菌などの感染症検査を受けたりすることが欠かせません。
また虫歯や歯周病を避け口腔内を健康にすることは食べる喜びや話す楽しみを保つために重要で生活の質にも大きく影響します。歯周病は循環器疾患などとの関係も注目されており定
期的な歯科検診が大切です。
健康寿命を延ばし健康上の理由で日常生活を制限されることなく暮らせる期間を長くするために、無理なく生活習慣を見直していき行きましょう。今年も日々健康で元気に過ごしていきたいですね。

山田医院看護師 中島早苗

乳がん検診で見逃しやすい、日本人に多い高濃度乳房

乳がんは日本人女性の11人に1人が生涯で発症するといわれている身近にある病気です。
その早期発見のために検診でマンモグラフィー(乳房エックス線撮影検査)を受けたことがある人もいると思います。
マンモグラフィーは早期の乳がんや、しこりになる前の石灰化の状態を発見できる優れた検査なのですが、「高濃度乳房」と呼ばれるタイプの乳房の方は、マンモグラフィーでは発見しにくいので注意が必要です。
高濃度乳房とはどのようなものなのでしょうか?乳房は、乳腺と脂肪などで構成されます。マンモグラフィーの画像では、乳腺が白く、脂肪は黒く映ります。そしてガン組織も白く映るため、乳腺の多い乳房だと両方白いので、ガンを見つけるのが難しくなるのです。
この乳腺の多い乳房のタイプを「高濃度乳房」と呼びます。日本人女性は欧米人に比べて、脂肪が少ないために高濃度乳房が多いそうです。
また、閉経後には乳腺は脂肪に少しずつ置き換わっていくので、若い人のほうが高濃度であることが多いです。
しかしながら60代から70代の方も7割の方が高濃度乳房であるとの統計もあるようです。

これでは乳がんを見逃してしまうと心配になりますが、そこでお勧めなのが、超音波(エコー)検査との併用です。
超音波検査では石灰化は見つけられませんが、5mmくらいのしこりなら発見できます。大阪市ではマンモグラフィーは40歳以上で2年に1回1,500円、超音波検査は30~39歳で1年に1回1,000円で受検できます。他の世代では自己負担になってしまいますが5,000~1万円くらいが目安です。
マンモグラフィーと超音波検査を、毎年交互に受けることがおすすめです。
またご自身で乳房をよく観察する、触れて調べると言った、自己検診方法もありますので、時々思い出して実施してみましょう。

山田医院 看護師 盛田里穂

リウマチ性多発筋痛症

秋ごろから実家の母が、肩が痛いと言いだしました。母もそろそろ、いいお歳。重いものでも持って痛めたんじゃない?
そんなふうに話していたのですが。年末になり、反対側の肩も痛くなってきた、朝は痛みで腕が思うように動かず、布団をめくることさえできないと。村の診療所から大きな病院を紹介してもらってついた診断は「リウマチ性多発筋痛症」初めて聞く病名でした。。。そんなこともあり、今回はこの病気について調べてみます。

リウマチ性多発筋痛症は、50歳以上の高齢者に多く発症し、肩の痛み、体に近い側の肩や上腕、大腿などの四肢近位筋主体の痛みや朝のこわばりと、微熱、倦怠感を呈する炎症性疾患です。「リウマチ」という名前はついていますが、関節リウマチとは別の病気です。
また、「筋痛症」とありますが、筋肉よりも肩関節の痛みが顕著にみられることが多いです。男女比は1:2から1:3で女性に多く、発症年齢のピークは70~80歳とされていますが、(ちなみに私の母は現在83歳)病因は現在のところ不明です。
なお、ほかの人に伝染する病気ではありません。日本では少ないですが、欧米ではリウマチ性多発筋痛症の5~30%に巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)を、また逆に巨細胞性動脈炎の約半分にリウマチ性多発筋痛症を合併し、共通の病因が考えられています。
発症や病状に季節変動が示唆されており、感染症などの環境要因が病気のきっかけをつくるのではといわれていますが、明確な病因は不明です。肩の痛みが最も頻度が多く(70~95%)、次いで頚部・臀部(50~70%)、大腿の疼痛、こわばり感がみられます。
症状は一般的に左右対称に出現し、特に腕を挙げたり、起き上がるなど、動作時に強くなる痛みが特徴的です。筋肉には圧痛がありますが、病気そのものによる筋力低下や筋の萎縮はありません。
発症は比較的急速で、数日から数週間のうちに症状が出現し、持続します。こわばりは、すべての患者さんにみられ、肩や臀部、大腿などに起床後最低30分は持続します。
多くの場合、このこわばりは体を動かさずにじっとしていると強くなります。
また、発熱、食欲不振、体重減少、倦怠感、うつ症状などを伴うこともあリます。関節リウマチとは異なり、激しい関節痛や骨の破壊はまれなものの、約半数に膝や手の関節の腫れや痛みを伴う場合もあります。ただし、関節よりも筋肉の症状が強いのが特徴です。
また、手や足の甲、手首や足首に、押すとくぼんだままの圧痕が残るようなむくみを伴うこともあります。
リウマチ性多発筋痛症の10~15%に手根管症候群を伴うことがあります。最も典型的には、高齢者の方が、「ある日急に両腕が肩より上に挙げられなくなって、両肩から二の腕にかけてと太ももに筋肉痛がでてきた。症状は続き、特に朝に顕著なこわばりが出るようになって、着替えがしにくかったり、寝返りしにくいなど、体が動かしにくくなった」というようなものです。
なお、こめかみ周囲の頭痛、噛む時のあごの違和感、視力障害、38°C以上の発熱を伴っていれば巨細胞性動脈炎の合併も疑われますので、より詳細な検査が必要です。

この病気を診断する上で特別な「この検査が陽性であればリウマチ性多発筋痛症が確定です」と言えるような検査はありません。
聞き取り、血液検査、MRI、超音波などから他の病気を排除して診断がつきます。
治療にはステロイドが著効することが知られています。症状の重症度、体重、合併症(糖尿病、高血圧、骨粗鬆症、緑内障などステロイドで悪化する病気を有しているか)などを考慮し、ステロイドを投与、時間をかけて量を減らしていく方法がとられます。
プレドニゾロンといった、少量のステロイド内服が使用されます。基本的にはほとんどの方が少量ステロイドを内服し始めると速やかに反応し、数時間から数日で痛みやこわばりが大幅に改善します(3日以内に50~70%の改善)。
最終的に早くて約1年でステロイドを中止できる人もいますが、症状の再発により少量のステロイドを内服し続ける必要のある方が多いです。
巨細胞性動脈炎の合併が無ければ基本的には治療後の見通し(予後)は良好で、関節リウマチのように関節破壊を来たすことはなく、臓器障害を来たすこともありません。数か月から数年で病気の勢いが収束し、ステロイド治療が最終的に中止可能なこともあります。
多くの例で2~3年は薬物治療を要します。少量のプレドニゾロン投与が長期にわたって必要になる患者さんもいます。
また、一連の初回治療終了後10年以内に約10%の患者さんが再発するといわれています。病気そのものによって死亡率は高まりませんが、ステロイドによる副作用(感染症、糖尿病、高血圧、脂質異常症、骨粗鬆症、緑内障、白内障、筋量低下など)の影響を最小限にする配慮が必要です。
また、経過中に巨細胞性動脈炎の合併がないかを注意深く観察する必要もあります。
ステロイドによる副作用には注意が必要ですが、病気そのもののために特別に気をつけることはありません。
何が原因かはわかりませんが、ある日突然病気が始まってしまうことがあります。この病気も放っておけば全身の筋肉が痛くなり全身が動かなくなる可能性もあったそうです。

何かおかしいと思ったら我慢せず受診、今回改めてそれを感じさせられました。

山田医院 医療事務 東川敏美

風邪について

新年あけましておめでとうございます。
お正月はどのようにお過ごしでしたか?私は体調を崩してしまい寝正月になってしまいました。
そこで今回は知っているようで知らない風邪について調べてみました。

「かぜ」とは、くしゃみや鼻水、せき、のどの痛みなど呼吸器に現れる症状をまとめた名前で、その原因が分かる前から広く使われていました。
症状の程度はさまざまですが、ほとんどは自然に治ります。
ではなぜ、”かぜは万病のもと”といわれているのでしょうか。
それは「かぜ」が原因で他の病気になるということもありますが、多くの病気の初期症状がかぜのような症状ではじまるため、かぜの裏には他の病気が隠れている可能性もあるという注意喚起の意味があるといえます。
かぜの原因は細菌やウイルスといった目に見えないさまざまな微生物によるものですが、圧倒的に多いのがウイルス。
ウイルスの種類によってそれぞれ好発時期があり、季節によって原因となるウイルスに違いがあります。
夏のかぜは子どもに多いイメージがありますが、症状が出にくいだけで大人もかかる可能性があります。
普段はおとなしいかぜウイルスですが、ときに胃腸炎や肺炎、髄膜炎、脳炎などの重い合併症を起こすことがありますので、症状の変化には注意が必要です。風邪は予防が最も大切です。

マスクの着用、手洗い・うがい、人混みを避ける、十分な睡眠と栄養をとる等を心がけましょう。
もしも、かぜやインフルエンザにかかってしまったら、せきやくしゃみはマスクやハンカチや手で口と鼻をしっかり覆って飛沫をブロックする等、他の人にうつさないエチケットを心がけましょう。
毎日厳しい寒さが続いております。お体に気をつけてお過ごしください。

山田医院 医療事務 大澤美穂子

音楽の力

今回、山田医院だより300号記念ということで100号記念講演会のことを思い出しました。

講演会の休憩で娘がピアノ演奏をさせてもらいました。あれから何年たつのでしょう?娘は社会人になって数年経ちますが、今でもピアノや弦楽器などの音楽を続けています。

去年は何度か演奏会があり、山田医院の先輩も誘って一緒に行ってもらったりしました。大阪市医師会にもオーケストラがあって山田医院の元スタッフも参加されいたので聴きに行ったこともあります。この便りを書いている今も、ピアノが流れていてとてもいい気分です。
私たちの生活には音楽は欠かせないものになっていますよね。生まれた時から子守唄、最期はお別れの曲…というように…。

では音楽が心身に及ぼす影響はどんなことがあるのでしょう。

1. ストレス軽減

音楽は心の状態に大きな影響を与えます。
心とは脳が生み出す現象のことです。リラックスした音楽は副交感神経を活性化し、心拍数や血圧を下げます。
これによりストレスホルモンの分泌が抑制され、リラックス状態が促進されます。

2. 気分の安定や痛みの軽減

音楽は脳内のドーパミンやセロトニン、アセチルコリン、β‐エンドルフィンなどの放出を促進し、気分を安定させたり痛みを軽減させたりします。
好きな音楽を聴くことで、幸福感や満足感が高まるのはこのためです。またβ‐エンドルフィンには痛みの治療などで使われるモルヒネとよく似た作用で知られ、かつモルヒネを6倍も上回る鎮痛作用があるといわれています。

3. 運動パフォーマンスの向上

運動中に音楽を聴くと、心拍数や呼吸がリズムに合わせて調整されます。このため、運動のパフォーマンスが向上し、疲労感が軽減されます。

4. 集中力向上

集中力を高めるときに、音楽は有効です。特にBGMとして、音楽は脳の活動を刺激し、注意力を向上させます。
リズミカルな音楽は特に作業効率を高めます。

5. 記憶力と学習

音楽は脳の神経回路を活性化し、記憶力や学習能力を向上させます。特に音楽と共に学習することで、情報の定着が促進され、効果的な学習が可能になります。

6.間接的な影響

音楽を聴くことによって思い起こされる記憶や感情も影響を与えます。
例えば、子ども時代や青春時代に流行した歌を聴くことで、当時の記憶がよみがえり、楽しかった思い出に浸るうちに、心が明るくなることがあります。

7.人々をつなぐ社会的側面

他人とともに音楽を楽しむことで、人のつながりが生まれることもあります。
例えば、誰かと一緒に歌ったり、音楽に合わせて体を揺らしたりダンスをしたりすることで、親密感や仲間意識が芽生えることがあるでしょう。
私は聴く専門ですが、仲間と一緒に歌ったり、演奏したりするのはつながりもできていいですね。

みなさんも新しい年に音楽に関わる何かを始めてみませんか?

山田医院 看護師 三栖佳子