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山田医院だより

第13巻第4号(第147号)

災害医療のメンタルヘルスケアについて

震災直後の医療としてDMAT(災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム)の活動は身体的疾患を中心に行われてきたようなイメージがありますがメンタルヘルスについてはどうだったのでしょうか?今回は日本医師会雑誌2012.4月後から抜粋しました。発災後には全国から心のケアチームが被災地に集まり活動を始めたようです。急性期における心のケアチームの主な活動は災害によって障害された既存の精神医療システムの機能を支援する事でした。急性期の重要な課題の1つとしては震災前から精神疾患を持っていた被災者への対応でした。大災害のストレスの影響を受けやすい人も多くまた避難所での集団生活に適応できない者、薬の中断のために病状が悪化あるいは再発する者も散見されたようです。精神科がない災害拠点病院には外部から臨時的に精神科医が派遣される対応が行われていたようです。災害直後から多くの人々に不安、恐怖、抑うつ、悲嘆、高ぶり、怒り、不眠、身体不調など心身の変化が現れましたがこのような反応は異常な状況に対する「正常な反応」である事が多く、人の持つ回復力によって時間の経過とともに軽快していく事が多いのですが順調に回復しない、初期から社会生活に困難をきたすほどの著しい症状を示す事があり急性ストレス障害といわれています。これは見た目には強い症状が現れて周囲が動揺するほどの場合もありますが一般的には経過は良好な事が多く時間とともに回復(通常は4週間以内での回復)しますがこれ以上遷延する場合には心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断を検討することになります。かつてはこのPTSDを予防するために心理的デブリーフィングといい災害直後にトラウマ体験の内容やその時の感情を被災者に表現させる方法が推奨されていましたが現在はこの効果は否定されていて有害な事さえもあるようです。被災者の安全、安心、安眠を提供するなどの現実的で具体的な支援の提供が大切なようです。中長期のメンタルヘルス対策ですが、一般に災害が起こると精神疾患が増加し、その後徐々に減少するものの災害から4年経ても精神疾患の有病率が高いままで経過することが分かっています。PTSDは災害後に有病率が増加する代表的な疾患です。災害後のPTSDは自然経過で回復する割合が高いのですが6ヶ月を超えて持続する場合や潜在性に発症する場合にはその後に症状が線塩化する危険が高いようです。なお、一般的には災害後に自殺者が増加するという事実はないようです。阪神大震災では災害後2年間で自殺者が減少してその後は元に戻っていったようですが今回は貧困対策、失業対策も含めて注意が必要なようです。その他アルコール関連の問題もあります。震災後のアルコール使用障害の殆どは震災前からの持続していた問題や再発が多かったようです。最近では仮設住宅などでの問題飲酒についての相談も多くなってきたようです。なお、被災地においての自治体、病院、消防、警察、学校などではさまざまな人が震災関連業務に携わっていますがこうした人々も支援者であると同時に被災者である事が多く多大なストレスを被っている事が多く支援が必要になります。なお、子どもについては多くの場合には一般的なサポートシステムや基本的な支援アプローチに良好な反応を示しますが一部の子どもでは専門治療が必要となります。理想的にはスクールカウンセラーの活動などが大切になります。また老人ではストレスに伴って一過性に認知機能低下をきたすものも多くなりまたうつ病を発病する事も多くなり注意が必要です。今後はさまざまな面でメンタルヘルスケアも大切になってくると思われています。

山田医院 医師 山田良宏

“予防&改善の栄養学” 更年期障害

【原因】
更年期障害とはホルモンの分泌減少による体調不良で、閉経前後の女性に多くみられます。閉経の兆候としてみられるのは、月経異常。月経周期の間隔がバラバラになったり、月経日数が2~3日の場合もあれば、2週間も続くというような異常が起こります。 女性は閉経前後を迎えると、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が減少します。エストロゲンが十分に分泌されなくなるため、ホルモンバランスが崩れて身体全体に影響を及ぼすのです。エストロゲンには自律神経を安定させ、LDL(悪玉)コレステロールの増加を抑制し、カルシウムの吸収を向上させる働きがあります。このため、エストロゲンの減少によって、骨粗鬆症や生活習慣病のリスクが高まります。 更年期には倦怠感、肩こり、腰痛、のぼせ、発汗、動悸、冷えなどさまざまな不定愁訴が起こります。不安感やイライラなど精神的症状がともなうこともあります。症状が出やすいタイプは、ホルモン低下への適応能力が鈍い、自律神経が失調ぎみといった身体的要因に加え、ストレスに弱く生真面目といった心理的要因、子育ての終わり、介護問題などの環境的要因とが絡み合っていることが多いようです。

【改善・予防しよう!】
更年期障害の改善・予防には、食事と運動で身体のバランスを取り戻すとともに、無理をしない、頑張り過ぎない、楽しみをみつけるなどの精神面での余裕を持つことが大切です。 食事面では、減少するエストロゲンの働きをカバーするために、カルシウムを十分にとり、コレステロールや塩分を控えるように心がけましょう。さらにエストロゲンと似た働きをするとされる大豆イソフラボンをとると効果的です。

***エストロゲンの働きをカバーする食事***
更年期にはエストロゲンが減少するので、エストロゲンの働きを高める食生活を心掛ける

【食材:大豆、豆腐、納豆、厚揚げ、黒豆】

大豆や黒豆に含まれるイソフラボンはエストロゲンに似た働きをして、更年期障害、骨粗鬆症などを予防・改善します。
○骨粗鬆症予防には、カルシウムとビタミンD・・・牛乳、チーズ、鮭 牛乳・乳製品は、1日1回摂るようにし、体内でのカルシウムの吸収を高めるためには運動を行うのが 効果的!

○脂質異常予防には、不飽和脂肪酸
・・・青魚(イワシ、サバ、サンマ、アジなど)、菜種油、オリーブ油など 青魚は、鮮度の高いものを選び、脂を落とさない調理方法を選ぶようにしましょう。
刺身やぬたなどの生食や、ホイル焼きや煮魚などにすると無駄なく摂取できます。

管理栄養士 越後和恵

がんワクチンとは

最近、何気なく見ていたテレビで「がんワクチン」の特集をしていました。ワクチンと聞くと子宮頸がんワクチンなどの予防ワクチンを想像しますが、こちらは治療するためのワクチンとのこと。患者の免疫力を高め、がん細胞を攻撃するもので、副作用が少なく月に数回受診して注射を受けるだけ、という病気と闘う患者にとってはまさに夢のような話ですね。しかし、今のところ日本では臨床試験段階で、国の承認を受けるにはまだ数年かかるようです。(がんの種類によっては、早いものでは今年から来年には承認され実用化される見通し)承認されるかどうかで治療費の額も大幅に変わってきます。未承認薬で治療する場合、限時点では保険適用にならず、薬代だけでなくその他の医療費まで全額自己負担となってしまいます。これは厳しいですね・・ちなみに先月、厚労省は「重い病気にかかっている患者に対し、国内で未承認薬を使いやすくする制度を創設する」旨を発表しました。具体的には自己負担は薬代だけとし、それ以外の医療費は公的保険を適用する混合診療を認めることを検討していくなど・・来年の通常国会に薬事法改正案を提出し、早ければ2014年に導入されるかもしれないとのことです。困難な病気と日々闘っている人たちのためにも、制約なく幅広い治療を受けられるような体制を早く整えてほしいものです。がんワク
チンも将来、多くの人が治療のひとつとして手軽に受けれるものになるといいですね。

山田医院 医療事務 川村 理恵

聞きなれない病気「掌蹠膿ほう症」

4月ももう後半になり、暖かく気持ちよい日が多くなりましたね!我家にもようやく春がやってきて、末っ子の高校生活が始まりました。子供に係わるのももう少し、朝練が始まったら親子で4時起きです!!仕事中寝眠そうにしていたら「喝!」入れて下さいね(*^_^*)

先日ヨガの講師をしている友達を呼んで「ヨガ教室」を開催したおりに友達が靴下を脱げない・・・と・・・・。足の裏に膿のたまった膿ほうが多数あるから・・。決して人に感染する病気ではないのですが、やはり見た目が恥ずかしいとの事。私は勉強不足で知らない病気だったのですが、調べてみました。30~50代の女性にやや多く喫煙者に多い、私の友達もしっかり当てはまります。膿に細菌や真菌が存在しないので感染はしない病気です。多くは1~2年で治るのですが中には10年以上長引く人もいます。手のひらや足の裏に水泡、膿ほうが出来た時は早めに受診して下さい。首や胸、腰などに痛みが出る場合もあり、その場合骨シンチグラフィーと言う検査をして、関節、骨に炎症がないことを調べます。原因は分からないのですが薬物療法を中心とした対症療法を行います。まず外用療法、痒みが強かったり新しい水泡、膿ほうが出る場合はステロイド軟こうも使用します。全身の健康も考えて禁煙もこの際頑張ってみましょうね(*^_^*)

ちなみに超ヘビースモーカーだった主人も昨年暮れに禁煙に成功!お小遣いも余裕が出来たのか、飲みに行く回数が増え、終電乗り越してあちらこちらにくちょくちょく小さい旅をしています(トホホホホ)

健康の為飲みすぎにも皆さまご注意を!ビールが美味しい季節になりますが・・。

山田医院 看護師 富嶋 友子

色の効果について

皆さん、こんにちは。ついこの間までウールのセーターやマフラーを身につけていたのが、うそのように暖かい季節になりました。春の風の感触や、家の軒先に咲いている花の色をたのしみながら、私も通勤させてもらっています。皆さんは、お花見にはでかけられましたか?私は、大阪城と万博公園に行ってきました。どちらも桜の満開と人の賑わいで春爛漫でした。また、万博公園では、公園の象徴である太陽の塔の大きさと力強さに感動し、約40年の時を経て、改めて作者のエールを感じたひとときでした。さて、春になるといろいろな色が街に溢れてきて、気分もウキウキしてきますね。これは、人の目から入る視覚情報のうち、80%以上が色の情報だといわれていて、その情報が脳に刺激をあたえ、気分も高揚してくると、考えられているからです。そこで、色にはどんな効果があるのか調べてみました。
赤: 血流を良くし、体に活力を与える。向上心、行動する意欲、気力、勇気をあたえる。情熱、    意欲、刺激や変化をあらわします。
ピンク:心身の緊張をほぐし、やさしい気持ちにさせる。肌を若返らせ、からだの機能を活性化させる。幸福感、やすらぎ、リラックス、健康をあらわします。
青 :高ぶった精神を落ち着かせ、理性と自制心をつけさせる。「冷静沈着」をあらわします。

オレンジ:血行を促進して、体を温め核機能を活性化させる。活発、円滑をあらわします。

黄色: 知性と好奇心を刺激する。人間関係によるストレスを解消し、コミュニケーション能力を高める。喜び、明るさ、明朗をあらわします。

白:心をクリアーにして、心身を健康に戻す。純粋、清潔、無邪気をあらわします。
紫:鎮静作用がある。イライラした時や寝付けないときに効果的。
茶:落ち着きと安定感を与える。正直で誠実な性格をあらわします。

簡単ではありますが、もう少し元気のほしい時や、気分を落ち着かせたい時の参考にしてください。 震災のあった、東北にも遅い春がやってくる頃でしょう。芽吹いてきた緑に、人々が少しでも希望をもらって過ごしてほしいと祈っています。皆さんもお元気にお過ごしください。

山田医院 医療事務 平田和美

子供の病気のコーナー

子どもと食中毒
平成23年春に焼肉チェーン店での腸管出血性大腸菌による食中毒がありユッケ等の生肉の喫食については中止の方向にあります。病原性大腸菌以外にもキャンピロバクター/サルモネラ等の細菌による食中毒あるいはノロウイルス/ロタウイルス等のウイルスによる食中毒さらには銅/スズなどによる化学物質による食中毒もあります。腸管出血性大腸菌はベロ毒素といわれる毒素を生産する大腸菌でO157、O111などが有名です。この菌はもともと家畜の腸管内に
寸でいるために牛関連品での汚染が多くなっています。この菌の感染では胃腸炎のみならず溶血性尿毒素症候群(HUS)が大きな問題となります。これは溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を伴う疾患で死亡率も高くなります。経過中にむくみ、尿量減少、貧血、意識障害を伴うと注意が必要になります。キャンピロバクターも家畜が保菌しています。特に鶏肉での感染が多くなっています。この問題点としては腸炎後10日ほどしてギランバレー症候群といい下肢の麻痺を認めることがある疾患になることがあることです。その他鶏肉、鶏卵その他カメなどのペットから移るサルモネラ子供では髄膜炎、脳炎になることがあり注意が必要です。ウイルス性胃腸炎で有名なノロウイルスは牡蠣を中心とした2枚貝から感染します。意外と知られていないこととして生食用のカキの成分規格は細菌学的基準に基づくものでありウイルス感染については不明です。なおウイルス汚染については新鮮さとは関係ありません。これらの食中毒に関連した病原体は熱に弱いのでしっかりと過熱することが大切です。(病原性大腸菌、キャンピロバクターなどの細菌では75℃以上1分間、ノロウイルスなどのウイルスでは85℃以上1分間中心まで加熱する必要があります。)その他一般的な事項としては徹底した手洗いが必要でありまた嘔吐後には口腔内にも病原体が潜んでいることがあるのでいつも以上にうがいをすることが必要です。患者さんの入浴は最後にしてタオル等の共用は避けましょう。なお、肉を食べるときにはきっちりと取り箸(トング)を使うことが大切です。ノロウイルスに対してはアルコールの消毒は効果がないために次亜塩素酸ナトリウムのハイターなどを使用する必要があります。これからは細菌性食中毒が多くなる時期です。気を付けましょう。

山田医院 医師 山田良宏