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山田医院だより

第13巻第5号(第148号)

熱中症について

熱中症といえば夏の炎天下でスポーツをしている時になるまれな病気というイメージがあるかもしれません。地球温暖化、ヒートアイランド現象などにより世界各地で熱中症は発生しています。死者700人を出した1995年のシカゴ熱波、死者4-5万人とも言われる2003年のヨーロッパでの熱は有名です。2010年には日本においても猛暑が続き過去最高の死亡者がありました。熱中症は急激に暑くなった夏場に多く発生しています。温度だけではなくその他にもいくつかの要因があります。まず湿度、輻射熱、風邪の強さ、日射、服装なども関与しています。最近では暑さ指数WBGTで表す事もあります。2つ目としては労働負荷(身体活動強度)が関係、3つ目は馴化の問題があります。熱さに慣れない初夏が危ない事が多くあります。スポーツにおいては学校の部活動、マラソン大会などで発生が多くなっています。9割は男性で学校別では高校に多くなっています。種目では野球が1/4と多くラグビー、サッカーその他柔道、剣道なども多くなっています。気温30度以下での発生も多くその場合には湿度が高い事が多くスポーツ時においては気温だけではなく湿度も大切です。なお高齢者の熱中症は自宅において起こることが多くなっています。スポーツ時の熱中症は男性が圧倒的に多かったのですが高齢者では女性と男性はほぼ同数です。加齢に伴い熱中症は重症化するといわれています。熱中症の重症型では死亡率が30%以上と大変予後の悪い疾患となっています。以前は熱射病、熱けいれん、、、等の分類がありましたが臨床的に治療を考慮して見逃さないようにと熱中症はⅠからⅢ度に分類される事になりつつあります。熱中症の根治治療は予防に始まり予防に終わるといっても過言ではなく、予防に失敗した時点で冷却と障害臓器のサポートを含む対症療法が唯一の治療になってしまいます。この熱中症は暑熱環境さえ避けることが出来れば100%予防が可能といえます。熱中症の死亡率は高体温の持続時間と関連があるために迅速な冷却を含めた対応が必要になります。暑いと感じる環境では熱中症の発症のリスクがあると常に認識しておき、十分な休息と水分補給が大切です。作業、運動中の水分補給の目安は前後の体重減少が体重の2%以内に収まるのがよいといわれています。なお、下痢、発熱、疲労、食欲不振等がある場合には注意が必要でまた肥満も熱中症のハイリスクです。どんなに注意をしていても熱中症を発症する事はあります。その事を最初に気がつくのは本人である事から自ら休息、水分補給を行うことが大切です。どんなに体力に自身があっても熱中症になる可能性があるという謙虚な気持ち、初期症状であるボーとした感じ、だるさ、気分不快、頭部痛、腹部痛、下痢、手足のしびれなどを周知する必要があります。熱中症を発症してしまったら基本は冷却と障害臓器のサポートに治療はつきます。冷却は服を脱がせて霧吹きで身体に微温湯を噴霧して扇風機を回す方法が一番有効です。病院では点滴あるいは胃洗浄、膀胱洗浄等を行う方法もあります。冷やすのは早ければ早いほど良いので現場での冷却が大切です。なお、発熱があるからといって解熱剤を投与する事は臓器障害を引き起こすので禁忌です。遺伝子により熱中症になりやすいタイプもあり今後研究が進むと思われますが熱中症は予防が一番大切です。これから暑くなりますので気をつけましょう。

山田医院 医師 山田良宏

“予防&改善の栄養学” 胆のう炎

【症状と原因】
胆のうは胆汁をたくわえる臓器です。肝臓でつくられた胆汁は、胆管に集められ、胆道を通って胆のうに運ばれます。食事をして胃から十二指腸に食べ物が運ばれてくると、胆のうから胆汁が流れ込み、脂肪の消化吸収を助けます。この胆汁が固まってしまったのが胆石症です。年をとるほど生じやすくなり、特
に肥満ぎみの40代50代女性に多くみられます。通常は腹痛や発熱、黄疸がみられますが、全く症状がでないこともあります。 胆のう炎とは、胆のうや胆管に炎症が起こるもので、大腸菌などの細菌感染が原因となります。胆石症の人は胆のう炎になりやすい傾向があります。急性胆のう炎の場合、上腹部の痛みに発熱、吐き気がともないます。慢性の場合、上腹部に軽い痛みが時々あらわれ、発熱することもあります。脂肪分の多いものをとると、便秘や食欲不振、吐き気がおこります。 日本人の胆石症の多くはコレステロールの過剰摂取からくるとされています。肉や卵などを多くとる生活によって、胆汁に含まれるLDL(悪玉)コレステロールが増加して、それが結晶化して起こります。

【改善・予防しよう!】
高コレステロールの食事を改善することが一番の予防方です。肉類や卵などを控え、鶏のささみや白身魚など低脂肪の動物性食品を中心にすること。また、食物繊維を摂ることで余分なコレステロールを体外に排出するようにします。 また適度な運動を習慣化して、肥満を防ぐ必要もあります。朝食を抜くと、逆に胆石ができやすくなることがあるので、1日3回の規則正しい食生活も重要です。

***予防する食事と調理のコツ***
肉類から魚類中心にコレステロールを多く含む肉類や卵は控えめにして、その代わり魚を摂ります。魚はあっさりとしている白身をおすすめします。
脂を使った調理では、出来るだけアブラをカットする! 肉類は茹でたり、蒸したりして脂分をカットします。炒め物をするときは、テフロン加工のフライパンを
使って、余分なアブラを吸い取りながら調理していきます。調理に使用する油は、特定保健用食品の表示があるものを選ぶのもよいでしょう。 肉の部位を厳選する 鶏皮や脂身といったコレステロールの高い部位は、使わないようにしましょう。ちなみに脂質が多いのは、バラやロース、低いのはモモ肉です。
*菓子パンや洋菓子、クッキーなどにバターなどの油脂類が多く使用されているものがあります。肉類や揚げ物はそれほど食べていないのに と思われる方は、こういったものの頻度や量を控えてみましょう。

管理栄養士 越後和恵

5月病とは?

新生活を始めてフル回転だった4月が終わり、蓄積された疲労が心身にあらわれてくるのが5月です。連休に入って一息ついた途端、理想と現実のギャップに思わずため息が出たという方もいるのでは? 気持ちがさえない。食欲がなくなった。やる気がおきない。意欲ばかりが空回りして焦る。本来の自分ではない気がする。学校職場に行きたくない。これがいわゆる5月病のはじまり的症状です。 5月病は適応障害の一種です。 新しい環境への適応をいかに良好にするか、これが5月病を予防するポイントです。まずは心身のコンディションを整えストレス発散法を工夫し、心身への負担が大きいこの時期をのりきりたいものです。日々心がけたいことは、栄養バランスのとれた食事を取り、睡眠時間は充分確保しましょう。 5月病はそのまま放っておいても、時がたてば自然に治るものですが、2週間以上日常生活に深刻な不調が持続している場合、うつ病など心の病気の可能性があることも視野にいれておいて下さい。うつ病はできるだけ早期に治療を始めることが、後々の経過を良好にする ポイントです。すぐに精神科(神経科)を受診しましょう。新生活でのスタートダッシュは大切ですが、先は長いものです。 最初の関門、5月を乗り切っていきましょう。

山田医院 医療事務 杉山恭子

アニマル・セラピー

寒 か っ た り、暑 か っ た り と 変 な 天 気 が 続 き、そ し て も う す ぐ 梅 雨 の 季 節 で す。紫 陽 花 な ど 楽 し みな事 も あ り ま す が、やは り 何 か と ヤ ル 気が起 き な く な っ て しまい ま す。そんな中、私の毎日のリフレッシュ法は猫とふれあう事です。(まだまだやんちゃでイライラしてしまう事もありますが‥(笑))この様に動物とふれあいリフレッシュする方法をアニマル・セラピー。またはアニマル・ヒーリングと呼ぶそうです。アニマル・セラピーは現在、教育・医療・福祉の場などで生かされているそうです。人間に対してどういった作用があるかと言うと、大きく3つに分かれます。

1.社会性の改善
動物の話題で会話を促進する作用
例えば犬の散歩中に話しかけられるなど、1人で歩いている時より人との会話が増える事などがあるようです。

2.精神的作用
動物とふれあう、飼う事で、自尊心・責任感・安堵感・笑いなどの楽しさをもたらし、ストレスを癒す作用。
アニマル・セラピーの1番の効果になります。

3.生理的、身体的作用
動物に対してお世話をしなければという意欲が湧き、日常の動作が増える。そして、動物に話しかけたりと喋る回数も増える事などから、ペットを飼っている人の方が収縮期血圧及び血清中性脂肪値が低いそうです。

この様に色々な作用があるみたいです。
また動物と言って猫や犬を想像される方が多く、そして猫や犬が苦手な方もいらっしゃるはずです。ですがイルカや熱帯魚、馬、亀‥などなど動物にも沢山種類があります。無理にふれあうのではなく、自分に合った動物と接してみてはどうでしょうかo(^▽^)o?

なので皆さんも動物とふれあう機会があったら、どんどん触れ合ってみて下さいね♫

山田医院 医療事務 二岡 真穂

夏に流行る病気

この季節から患者数が増えていく病気をあえてあげれば、手足口病、ヘルパンギーナなど夏に流行する病気の患者がチラホラと出てき始めるということぐらいでしょうか。手足口病はコクサッキーウイルスやその他のエンテロウイルスが原因で起こる夏かぜの一種。生後6カ月~4,5才の乳幼児がよくかかる病気で、名前のとおり手のひらや足の裏に小さな赤い発疹が、口の中には水疱ができます。発疹にはふつう痛みもかゆみもないか、あっても軽く、熱は出る場合と出ない場合があります。発熱があっても37~38度くらいで、ほうっておいても1週間ぐらいで治ってしまう比較的軽くすむ病気。ただ、口の中にできた水疱が痛くて食欲が落ちることがあります。そういうときはムリに離乳食などを食べさせようとしないこと。酸味の強いものや熱いものはしみるので避けて、うどんなどのどごしのよいものをあげるようにしましょう。飲み物はこまめに十分与えてください。ごくまれに無菌性髄膜炎を起こすことがあるので、吐いたり、頭を痛がるような様子を見せたら早めに受診しましょう。ヘルパンギーナも主にコクサッキーウィルスによって起こります。突然39~40度の高熱が出て、のどの奥の扁桃の上のほうに直径1~2・の水疱ができ、これが破れるととても痛いので食欲がなくなり、不機嫌になります。熱は1~3日で下がり、のどの水疱も1週間ぐらいで治るので、病気そのものは軽くて心配する必要はありません。のどの痛みや熱で食欲が落ち、水分をとるのさえイヤがったら要注意。夏に流行る病気なので、汗
と熱とであっという間に脱水症を起こす心配があるのです。手足口病と同様にムリに食事を与える必要はありませんが、水分補給だけではしっかりと行ってください。 (小児科・産婦人科医のリレーエッセイ参照)

山田医院 看護師 加藤 真奈美