第13巻第8号(第151号)|大阪市阿倍野区で内科・外科・小児外科なら山田医院にお任せください。

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山田医院だより

第13巻第8号(第151号)

抗菌薬について

感染症の治療としては抗菌剤の使用がキーポイントになります。抗がん剤、循環器薬など比べると危険性が少なく感じる人も多いのではないでしょうか。抗菌剤の使用に伴い耐性菌の出現があり抗菌剤の開発と耐性菌の出現は終わりのない戦いとなっています。近年では抗菌剤の使用についてはいろいろと警鐘が鳴らされています。今回は抗菌剤が必要な疾患等について医師会雑誌平成24年8月号から抜粋しました。感染症の専門家は感染症を疑うときには感染臓器・部位を同定して起因微生物を同定してその微生物の感受性検査をしてその結果に基づいて経験的治療開始後に適切な抗菌薬に変更をすべきであると常に説いています。実際に開業医師は抗生物質を割合と多く処方する帰来があると思います。たとえばいわゆる風邪症状である急性上気道炎においては急性咽頭炎の原因になるA群β溶連菌のみが抗菌剤の適応になるといわれております。溶連菌は子どもを中心にのどの痛み、発熱、頸部リンパ節腫脹(圧痛)が中心の疾患です。成人に罹患することもありますが通常は咳等はなくのどの痛みが非常に強いのが特徴です。なお、市中肺炎については日本においても2007年に日本でもガイドラインが作成されて一般に広く活用されています。入院ではなく外来においての肺炎の原因となる菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌が重要でありその他としてマイコプラズマ、クラミジア等があります。肺炎球菌ならびにインフルエンザ菌については耐性菌が多くなってきており使用する抗菌剤が変わってきています。入院をするか外来で治療をするかについては重症度の判定を行い判断することになりますが高齢者については病初期に無理をせずに入院加療をしたほうが予後は良いとも言われています。腸管の感染症について抗菌剤の適応が必ずあるものとしてはコレラ、細菌性赤痢で場合によっては抗菌剤の適応があるものとしてはサルモネラ、キャンピロバクター、大腸菌があります。尿路感染症については女性の単純な膀胱炎はほとんどが大腸菌による感染といわれています。ただし膿尿があるなしにかかわらず症状がない細菌尿に対しては抗菌薬の治療対象にはならないといわれています。治療対象となるのは妊婦さんで妊娠初期の細菌尿は腎盂腎炎の危険性が高く低出生体重児や早産になりやすいために抗菌薬を使用することになります。なお、外科的な疾患としてよくあるのが動物咬傷です。イヌに比べるとネコは感染を起こすことが多くまた顔面よりも手足特に手の外の咬傷においては
感染率が高くなるので注意が必要です。有名な菌としてはパスツレラ菌とカプノサイトファーガ菌があります。これらの菌については咬傷部位の化膿だけではなく肺炎、髄膜炎等の危険もあり注意が必要です。なお、動物咬傷の場合には日本においては狂犬病の注射は必要ないと思われますが破傷風のトキソイドについては必要に応じて施行しています。なお、最近では熱帯や亜熱帯地域の発展途上国に旅行をすることが多くなりました。感染症に罹患した場合には下痢、発熱で発症する人がほとんどですが下痢の場合には現地到着後数日で発症する場合には大腸菌を主とした細菌が多く発熱については2日以上続く場合には日本ではなじみの薄いマラリア、デング熱、腸チフス、パラチフスなどによる感染症の可能性があります。特に発熱の原因となるマラリア等については致命的になることもあり注意が必要です。抗菌剤については医師が注意すべきことでありますが患者さんにおいても風邪のときに勝手に余っていた抗菌剤を服用することはせずに受診等を考慮しましょう。

山田医院 医師 山田良宏

“予防&改善の栄養学” むくみ

【原因】
むくみとは、細胞内に余分な水分がたまってしまった状態です。栄養素や酸素と一緒に細胞に運ばれた水分が、静脈やリンパ液の中にスムーズに回収されなくなるために起こります。原因には様々なものがあります。病気によって起こる場合は、腎臓や心臓、甲状腺の病気などが関連している場合があります。ま
た一時的には、同じ姿勢を長時間続けていた場合に起こりやすいです。冷え性、運動不足を含む筋肉量の不足によるもの、生理前のホルモンの影響などもあります。さらに、栄養面からみると、塩分の摂りすぎ、ミネラルやビタミン、タンパク質の不足でもむくみを引き起こすことがあります。

【予防しよう!】
むくみを防ぐうえで大切なのは、体内の水分調整をスムーズにすることです。それにはナトリウムとカリウムをバランスよく摂ることが大事です。細胞内の水分は、ナトリウムがポンプ役となり、水を吸い上げて調整しています。しかし、このポンプが正常に機能しないと細胞が水ぶくれ状態となり、むくみが起こります。カリウムには、余分な水分を排出させることでナトリウムポンプを正常に機能させる働きがあるのです。ナトリウムは塩に含まれ、醤油や味噌、ソースなどの調味料に多く含まれています。日本人はナトリウム摂取量が過剰ぎみなので、塩分を控えて、カリウムをしっかりと摂取する必要があります。カリウムは昆布、大豆、トマト、バナナ、いも類に多く含まれます。脚のむくみは、その日のうちに解消することが重要です。むくみを放置しておくと、周囲の毛細血管が圧迫され、むくみがさらに進行し、それによってますます血行が悪くなります。また、皮下脂肪の脂肪球という細胞が必要以上に水分を吸収して大きくなることもあります。
***むくみを予防する生活習慣&食習慣***
○夜は水分を飲み過ぎない
○窮屈な下着、靴をはかない
○下肢を中心に筋肉をつける
○塩分を控えめにする
健康知恵袋!
ヒジキや昆布などの海藻類には、食物繊維の1種であるアンギン酸が含まれています。このアルギン酸は、カリウムとナトリウムのバランスを調整する効果があります。海藻が胃にたどり着くと、カリウムが体内に吸収されます。さらに小腸につくと、小腸に多くあるナトリウムとくっつき、体外に排泄されます。アルギン酸は体内のカリウムを増やし、ナトリウムを減らしてくれる一石二鳥の効果があるのです。

管理栄養士 越後和恵

退職のあいさつ

暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ついにオリンピックも終わってしまいましたね。皆さんはご覧になりましたか?
私も大いに楽しませてもらいました。なかでも、男子フェンシングフルーレ団体のドイツ戦、太田雄貴さんのラスト9秒からの逆転には、感動しました。陸上のハンマー投げの室伏広治さんもメダルがとれてよかったです。これから、秋にむかい過ごしやすくなると思います。皆さんも、散歩など少しずつ身体を動かすことを楽しんではいかがでしょうか?さて、私事ですが、7月末で退職いたしました。受付などで皆様には大変お世話になりました。どうぞ、これからもお元気でお過ごしください。ありがとうございました。

山田医院 事務 平田和美

倦怠感とは…?

まだまだ暑さが続いていますね。せめて夜だけでももう少し涼しくなればいいのですが…。
みなさん、夏バテしていませんか?体がしんどい、だるい、寝ても疲れが取れない、ということはありませんか?暑さのせいかな?と思われる方も多いと思いますが、「だるい」「疲れやすい」「やる気が出ない」などの訴えの総称を倦怠感(けんたいかん)といって、体に異変が起きているサインかもしれません。原因として考えられることは過労や睡眠不足、不規則な生活、精神的なストレスの蓄積、偏った食事による栄養バランスの乱れなどがあります。そのほかにはさまざまな病気が考えられます。急性疾患では風邪、インフルエンザや急性肝炎などが代表的です。顔にむくみがある場合などは腎臓や心臓疾患が、顔色が悪くてめまいをともなう場合は貧血や更年期障害、低血圧症などが疑われます。他にも、うつ病や心身症などの精神疾患、慢性肝炎や肝硬変など肝臓の疾患、糖尿病、結核、慢性腎盂腎炎、さらには胃がんや大腸がんなどが疑われる場合もあります。

予防や対処法として規則正しい生活を心がける:不規則な生活、とくに昼夜逆転の生活やストレスは脳の疲労感や自律神経の乱れを引き起こします。朝食を食べ、朝日を浴びるようにすると体がシャキッとします。十分な休息をとる:疲れを感じたら、まずは、無理せずにゆっくりと休むことが大切です。ストレスを解消する:心身のリフレッシュ(趣味や森林浴、音楽鑑賞、ペットとふれあいなど)を図ることで、ストレスを改善することができます。栄養バランスのとれた食事をする:たんぱく質、エネルギーの源になる炭水化物と脂肪、これらの代謝を調節するビタミン(とくにビタミンB1、B2、B6、B12)ミネラルをバランス良くとりましょう。朝はなるべく栄養価の高いものを食べ、昼と夜は魚や大豆、玄米などを献立に取り入れるように意識してみましょう。適度な運動をする:適度な運動は、全身の血行を良くし、心身の疲労感を取り除き、だるさや倦怠感の解消に繋がります。上記の対処をしても改善されない場合は医師へご相談ください。暑い夏こそ規則正しい生活をして乗り切りましょう!!

山田医院 看護師 三栖佳子

カロリーゼロの罠

ここ連日蒸し暑い日が続いていますね。もう外に出るのも嫌になりますが、こんな暑苦しい時こそ無性に炭酸飲料が飲みたくなります。炭酸はカロリー高そうだから、と普段は敬遠しがちですがカロリーゼロ(←砂糖を使用せず人工甘味料アスパルテームなどで甘さを出している)ならいくら飲んでも問題ない、と思いよく飲んでしまいます。わたしのように考える人は結構いると思うのですが、人工甘味料を定期的に摂取すると6倍太る、という研究結果をテキサス大学が発表していたそうでちょっと衝撃でした。その研究は474人を対象に10年間にわたって行われ、定期的に(1日2缶以上)飲む人と飲まない人のウエストサイズを比べると、5~6倍の違いがあったとのこと。これについてボストン大学医学部のバーバラ博士は「すい臓は砂糖だけでなく人工甘味料にも同じく反応し、大量のインスリンを出すことがわかりました。それによって余分な脂肪が蓄積され、太るしくみが発見されたのです」と述べています。身体がモノに関係なく甘いものにきっちり反応するとは優秀ですね。まあまだ議論の余地はあるかとは思いますが・・ともかくカロリーゼロという謳い文句に安心しきるのではなくて適度に運動するとかお茶を飲むのが一番いいのかもしれませんね。

山田医院 医療事務 川村理恵

☆8-9月の診療について

カレンダー通りです。

☆順番取りシステムについて
順番取システムi-Ticketを導入しています。携帯からでも順番を取ることが出来ますので子ども連れの方等は特にご利用ください。http://paa.jp/t/116101/にアクセスして下さい。

アドレスはホームページにおいても記載されています。
☆乳幼児健診、予防接種について
毎週水曜日午前中は予約で行っております。希望者は事前に電話あるいは窓口で申込みをしてください。

☆子宮頸がんワクチンについて
中学1年から高校1年まで接種しています。

☆ヒブ、小児肺炎球菌について
今年度も5歳未満は無料です。

☆日本脳炎ワクチンについて
高校1年生までは接種が可能です。詳細は受付まで。

☆不活化ポリオワクチンについて
まだ詳細不明ですが当院においても接種を予定しています。

子どものめまいについて

めまいを訴えて受診する子どもは多くないもののある程度の割合で存在します。めまいは平衡感覚の乱れにより起こる疾患ですが特に年少の子どもは訴えも漠然としていることが多く診断が難しいのが現状です。平衡感覚は内耳の前庭迷路といわれる器官、視覚、運動系からの情報が脳で構築されることで制御されます。この発達に問題があると子どもではめまいや平衡障害として症状が現れます。視覚の点を見ると1-2歳で眼球運動機能は十分に発達し、姿勢
反射は1歳前には完成し始めて7-10歳でほぼ成人と同様の姿勢制御機能は獲得されます。子どものめまいは年齢によりかなり異なります。めまい自体は年齢が高くなるほど増加傾向になります。3歳ころの乳児前期では転びやすい、うまく歩けない、首が傾くなどの症状に保護者が気がついて受診することが多くなります。先天性の障害であることが多くなっています。6歳ころまでの幼児期後期では症状を訴えることはできるようになりますがまだ正確性は乏しい状態です。この時期では脳腫瘍などの中枢病変もあり注意が必要です。7歳以降の学童期では先天性の疾患は少なくなり特に学童後期になると起立性調節障害あるいは心因性めまいなどストレスに関係しためまいが多くなります。検査としては6歳以下では脳腫瘍等も留意して頭部CT/MRI検査、また平衡機能の発達遅延を考慮して聴力、平衡機能の発達度調査を行うことになります。7歳以上では異常な眼振(注視方向性の眼振、垂直性の自発眼振など)があれば頭部CT/MRI検査、その他てんかんの診断のために脳波検査、自律神経症状の検査として規律検査、心理テストがあります。小児期の特徴的なめまいとしては小児良性発作性めまい、起立性調節障害があります。小児良性発作性めまいはめまいの前兆がなく突然起こる回転性のめまいで数分から数時間程度おこります。片側性の拍動性頭痛を生じることもあります。一版にめまいの症状は予後は良くチーズ、チョコレートなどを控え誘因となる運動などがあれば控えるようにします。子どものめまいは一般に予後は良好で自然治癒も多いので投薬をせずに頚窩を見ることが多いのですが7歳以上で症状が強いときには薬も考慮するようになることがあります。耳鼻科的な診察が必要になることも多いめまい症状ですがまた心配な方は医師に相談をしましょう。

山田医院 医師 山田良宏