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山田医院だより

第14巻第5号(第160号)

新型出生前診断について

平成24年8月29日の読売新聞のスクープとして1面を飾った「新型出生前診断」は母体血でダウン症の診断!という感じの見出しで社会的に大きな反響を呼んでいました。ただしこの報道内容については問題も多く誤解もたくさん生じていました。

このたびは5月18日に大阪府医師会で新型出生前診断についての研修会がありましたので報告をします。

いわゆる出生前検査としては母体血清マーカーテスト、NTなど痛みを伴わない検査が以前からあり諸外国では広く採用されているところもありました。日本においてはカウンセリングの問題もあり広く広がらないようにして経過していました。1997年になんと母体血に胎児由来のDNAが検出されることが発見され胎児の血液型、性別などの診断に用いられていました。これの利用範囲は限定的でした。ところが2008年に母体血の胎児由来DNAから胎児染色体異常診断が報告され、その後胎児の染色体異常である21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーの診断が可能となりました。2011年に米国で商業利用開始となったことを踏まえて、日本においても医療者と妊婦が誤った理解のもとでこの検査を行うことがないように産婦人科学会主導のもとで、勉強会から公開シンポジウム、日本医学会の審査を経て今年3月に臨床研究として正式に認可されました。この検査は現時点においては日本においては15施設だけで試験的に開始(現時点では21か所に増加)されています。大阪では大阪大学医学部付属病院、大阪市立総合医療センターの2か所のみとなっています。この新型出生前診断ですが、この検査で分かるのは染色体異常である21トリソミー(ダウン症)と18トリソミー、13トリソミーの3つの疾患のみです。この検査は胎児染色体異常の推測をするものであり診断はできません。感度、特異度ともに99%以上であることから間違った報道がなされましたが本当に大切なのは、陽性的中率です。これは検査で異常と出た場合に本当に病気である確率はどのくらいか?です。この検査でのダウン症の場合の陽性的中率(検査で異常と出た場合に本当にダウン症である確率)は75-90%です。10-25%はダウン症ではないのです。この確率の値は以前からあるクアトロ検査(母体血液検査)の陽性確立と変わりません。ただし陰性と出た場合には99%はダウン症でないといえます。この点が以前からの検査と大きく変わることでした。新型出生前検査で陽性と出た場合には陽性的中率が75-90%なので羊水検査は必須となっています。人工妊娠中絶が認められる期間は妊娠22週までより一般に羊水検査は妊娠15から19週の間におこなわれます。そのために新型出生前検査は現在は10週から羊水検査ができる19週までに限られています。なお、この新型出生前診断については倫理的な問題点を含めて医療関係者の間でも大きな問題となっています。検査を受けた結果、胎児に染色体異常が見つかった場合にどうするのか?そもそもこの検査は必要なのか?現在3つの染色体異常についての診断が可能であるが諸外国ではその他の染色体異常の診断も可能であり今後どうするのか?(染色体異常は社会から排除するのか!?)研修会においても新生児専門医、遺伝子カウンセリング医師等が検査の問題点を強く論じていましたが100%の正しい答えがないのが現状のようでした。このような論議も多くあり検査を受ける場合には病院で細かなカウンセリングを専門医から受けてから納得の上での検査となっています。なお、この検査を希望する方については35歳以上の高齢出産、胎児超音波検査での異常、染色体異常の妊娠の既往などの条件もありますが病院への問い合わせが必要となります。なお、費用としては保険外であるためにおおよそ21万円程度が必要となるようです。また気になる方は診察時にでも医師に相談ください。

山田医院 医師 山田良宏

水分摂取と水毒

立夏も過ぎ次第に夏めいてきて、さわやかな風が気持ちいい季節になりましたね。今回は正しい水との付き合い方のお話をしたいと思います。

美容や健康のために、 一日2リットルの水分をとるのがよいという話を聞いたことはないでしょうか?

人間の体の約70%は水分でしめているので、水はとても大切なものです。水分をとることで、副交感神経を活性化し、リラックスできるというメリットもあります。しかし、健康に良いからと水を飲みすぎてしまうと、体内に水分がたまって排泄が悪くなる、“水毒症”を引き起こすというのです。東洋医学には「水毒」というものがあります。体内に余分な水分がたまり、排泄されないことで、例えば、冷え・めまい・頭痛・アトピー・鼻炎・喘息など、様々な症状が起こります。摂取しすぎた余分な水分が体を冷やすだけでなく、体内の血液の巡りを悪くし、むくみ症状を引き起こしたり、また新しい細胞を作ることができにくいため、シミ・そばかす・肝斑の原因にもなるそうです。水毒解消には、以下の4つの習慣がおススメです。
○身体が欲する分以外にむやみやたらと水分をとらない:当然無理に水分を制限するのではなく、控え目程度な感じでがばがば飲まない、水分を取るときはなるべく常温または暖かい水、白湯を飲むことが大切です。

○お風呂はシャワーですませず、湯船につかる:湯船に15分程つかる習慣をつけることで血流がスムーズになり、代謝を約12%も上昇させることができるそうです。さらに、体温も上昇し、その瞬間免疫力も5〜6倍になるため、病気の予防にも効果が期待できます。

○ふくらはぎマッサージ:ふくらはぎは「第2の心臓」といわれ、心臓へ血液を戻す重要なポンプの役割を果たしています。足踏みしながら時々触ってあげたり、血液やリンパ液を心臓に押し戻すイメージで、心臓の方向に向かってマッサージを行ってみてください。心臓へ血液を戻す重要なポンプの役割を果たしています。心臓へ血液を戻す重要なポンプの役割を果たしています。心臓へ血液を戻す重要なポンプの役割を果たしています。心臓へ血液を戻す重要なポンプの役割を果たしています。心臓へ血液を戻す重要なポンプの役割を果たしています。

○身体をポカポカ温めてくれる“陽性食品”を味方につける:水毒に効果的な、体を温めやすい食べ物は、にんじん・かぼちゃ・さつまいもなど、暖色の食べ物です。生姜や発酵食品などもおすすめです。
水分をこまめに取ることは必要ですが、「1日○リットル」という数字だけに拘るのではなく、自分の体に適した水の飲み方をすることが大切ですね。

山田医院 医療事務 中町麻里

介護保険について パート2

一番過ごしやすい季節のはずの5月・・・真夏のように暑かったり、涼しくなったり・・・お天気もご機嫌斜めのようですネ。

私事で恐縮なのですが・・・

堺市にお引越しをして丁度半年になりました。電車通勤で、駅から10分程かかりますが、朝バタバタしていても、駅までの道のり・・・・舗道の隅の色とりどりのお花たちが綺麗で楽しくなります。

赤い薔薇やチューリップ・ポピー・ヤグルマソウ・つつじ・・・・山田医院の近くには、シャクヤクの大輪のお花が植えてあり、元気を貰っています。家の前には、桜の木がたくさんで、今年の4月は賑やかでした。

さて、本題です。パート1では、介護保険のしくみについて書かせて頂きましたが、今回は老化が原因とされる16種類の病気と介護の申請の仕方について調べてきました。16種類の病気(特定疾病と言われます)は、介護が必要となった、40から64歳の若年の方が介護保険のサービスを受ける際に対象となる病気の総称の事です。

1. 癌(癌末期)

2.関節リュウマチ

3.筋委縮性側索硬化症

4.後縦靭帯骨化症

5.骨折を伴う骨粗鬆症

6.初老期における認知症

7.進行性核上性麻痺,大脳基底核変性症及びパーキンソン病

8.脊髄小脳変性症

9.脊柱管狭窄症

10.早老症(ウェルナー症候群)

11.多系統委 縮症

12.糖尿病性神経障害,糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

13.脳血管障害

14.閉塞性動脈硬化症

15.慢性閉塞性肺疾患

16.両側の膝関 節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

以上となります。

 

次に、介護の申請の仕方についてです。

市区町村役場の担当窓口に行き、申請します。ケアマネージャさんに代行して貰う事も出来ます。

申請に必要な書類

①要介護認定申請書(市区町村の担当窓口にあります)

②介護保険の保険証(65歳以上の人のみ)

③老人保健の保険証(持っている人のみ)

④公費医療証(持っている人のみ)

⑤健康保険の保険証(40から64歳の人のみ)申請を出したら、市区町村役場の職員の訪問調査があります。

どんなサービスを望んでいるのか?本当にサービスが必要なのか?厚生労働省が定めた基準により聞き取りが行われます。置かれている環境等の概況調査、歩行等の基本調査、特に留意しないといけない特記事項等聞かれます。二次判定としては、かかりつけの医師に意見書(費用は公費)を書いて貰います。要介護認定は、原則として30日以内にされ、支援・要介護と認定されたら、その日からサービスを受ける事が出来ます。もし、その判定が納得できなかったら、不服申立てをする事も可能です。

連絡先;阿倍野区役所・介護保険グループ℡06-6622-9859

新しい事をする事は、何でも時間と労力が必要で時にはとても疲れ果ててしまいますが、それを乗り越えないと前に進めないので、マイペースなりにも前に進まないといけない時もあるような気がします。春の陽気のせいか?寝ても寝ても眠たい私です。

次回も、介護保険について調べてみようと思います。

山田医院 医療事務員 堂東眞弓

家族の食事計画

◆太るのは遺伝よりも生活スタイル
「体型は遺伝する」と思っていませんか?
遺伝による影響は3割程と言われ、残る7割は生活スタイル(環境要因)によるものなのです。一緒に暮らす家族は、食べる量や好み、食べ方などの食習慣、また運動嫌いといった生活の好みが似てきます。親子で太ってしまうのは、太りやすい遺伝子を受け継いでいるからではなく、太りやすい生活スタイルを受け継いでしまった結果なのです。

☆子供の嗜好は親次第!
味の好みは3歳から6歳の間でほぼ出来上がるといわれています。発達段階でお菓子、インスタント食品など濃い味付けに慣れすぎると、食欲を刺激し食べ過ぎのもとになります。

☆子供だって生活習慣病に肥満により肝脂肪や脂質異常症、高血圧、糖尿病を発症する子供が増えており、肥満児の80%が成人後も肥満になりやすいと言われています。親子で体を動かすことを楽しみながら、屋外での活動量を増やしていきましょう。

☆食環境を整えましょう。
手の届くところに食べものがあると、お腹がすいていなくてもついつい手が伸びてしまうものです。お菓子やインスタント食品などを買い置きしない、目の付くところに置いておかない、空腹時に買い物に行かないといった工夫をし、環境を整えることが大切です。

 

山田医院 医療事務 杉山恭子

漢方のお話

早いもので5月ももう下旬…。だんだん暑くなってきましたね。朝晩と昼の気温差がありますので、体調管理に気をつけてくださいね。
先日、山田医院で漢方についての勉強会がありました。

これまでも何度か山田医院だよりで紹介したり、院長も専門ですので、皆さんも良くご存知かと思いますが、「ツムラ」さんに聞いたお話を少し紹介します。

漢方とは鍼灸・あんま・気孔と同じ分類の東洋医学で、生体のバランスを整えることを基本とし、自然治癒力(人が本来持っている病気と闘い治す力)を高めることに重点をおいています。現在、8割以上の医師が取り入れているようで、西洋医学と東洋医学を組み合わせることで「治療の幅が広がる」「すっきり治ることが早い」といわれているそうです。

では、漢方はどんなものから作られているでしょうか?→答え:シャクヤク・ユリ・ボタンなど草根木皮を中心に動物由来のもの、鉱物などの天然物(生薬)を組み合わせて作られています。簡単でしたね…。
きっと皆さんもご存知でしたね。次に、身近なものでツムラさんが使われている成分は次のうちどれでしょう?

①米、②くるみ、③栗、④梨→答え①米です。

飲み方ですが、通常は食前や食間に服用します。これは胃が空っぽの時に服用すると漢方が確実に吸収されるからだそうです。

でも、空腹時に服用し気分が悪くなってしまう場合などは医師の指示により食後に飲むことがあります。食前や食間に飲み忘れた時は、食後でも良いので服用してください。

「味」が平気な人はぬるま湯に溶かして飲むといいそうですよ。お茶やコーヒー、牛乳、ジュースでは薬の効果に影響することもあるので避けた方がいいそうです。
漢方には即効性が期待されるものと、体質改善を目的として長く飲み続けるタイプのものがあります。即効性があるものは体質や症状にあっていれば10~30分ほどで効いてくるものもあるそうです。長く飲み続けるタイプでも一般的には2~4週間ぐらいで症状が改善され、体に変化が出てくるそうですので、自分の判断で中止せず医師の指導を受けてください。

私もなんとなく気分が悪い、頭痛まではいかないけど頭がしんどい感じ、の時に⑰五苓散を服用しています。私には合っているみたいです。山田医院に勤めるまでは漢方は葛根湯ぐらいしか知りませんでしたが即効性のある漢方もあることを知りました。

皆さんも、ご興味のある方は院長に相談してくださいね。

山田医院看護師 三栖佳子

子供の病気についてのコーナー

栄養の極端な偏りにより肥満や痩せの増加、生活習慣病の低年齢化、痩せ妊婦が出産する低出生体重児(2500g以下)の増加が現在では問題となっています。

子どもの体型としては肥満と痩せの増加という体系の2極分化が進み標準体重の子どもが少なくなっています。

肥満については増加傾向に歯止めがかかっていますがまだ小学高学年の約10%が肥満です。一方20歳代女性の21%が痩せに当たり、予備軍である小中学校女子の痩せ傾向も増加しています。栄養については平均10%の子どもが摂取基準の1.2倍のエネルギーを過剰摂取しています。(強度の運動をしていても1.1倍程度の必要度なので1.2倍は確実に肥満する量です。)ビタミンについては先進国同様に我が国においても潜在的なビタミンD欠乏が増えてきています。クル病まできたさないまでも成長障害の危険があることもあります。このビタミンD欠乏は母乳栄養児(人工栄養よりも母乳ではビタミンDが少ない)、食物アレルギーで食事制限をしている人に起こりやすくなっています。卵1個分で必要量が補えますがその他毎日10分程度日光に当たり皮膚でのビタミンD合成を促すことが大切です。

乳児(1歳未満)の肥満の大部分は幼児以降に自然に解消しますが、幼児期については早期から肥満傾向になる子どもはその後肥満になるリスクは高くなります。基本的な生活習慣は3歳ころから確立するので甘いものはできるだけ取らずにのどが渇くと水を飲むなどの習慣が大切です。果汁を含む清涼飲料水あるいはスポーツ飲料に含まれる果糖は筋肉で利用されずに肝臓に取り込まれて動脈硬化形成性のリポタンパク産生を促すことから注意が必要になります。その他、朝食の欠食は肥満の原因となる。(昼食、夕食については肥満の原因にはならない。)癇癪持ちは肥満のリスクが大きくなるといわれています。食生活は子どもの成長に大切ですが今までの常識とは少し異なることも多くあります。また疑問点等がありましたら医師に相談ください。

山田医院 医師 山田良宏