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山田医院だより

第19巻第9号(第224号)

脂質異常症について

脂質異常症は動脈硬化性疾患の重要な危険因子であり近年その頻度が増えています。平成28年の日本人の死亡原因を見ると第1位は男女とも癌ですが、2位の心疾患,4位の脳血管疾患をまとめると男性の20%、女性の25%は心血管死亡であり脂質の管理は重要です。脂質異常以外に臨床的に重要なものとしては高血圧、喫煙、糖尿病、慢性腎臓病、メタボリック症候群があり、更に「炎症」も重要です。動脈硬化についてはこれらの包括的管理が大切になります。脂質異常症診断基準としては空腹時採血(10時間以上の絶食)でLDL-C140以上、HDLC40未満、TG150以上、nonHDL-C170以上となります。欧米では空腹時にこだわらず随時血液検査をしていますがその際にはTGが25程度上昇することから食後高TGは175以上としています。脂質管理においては1次予防、2次予防という言葉が出てきますが1次予防は冠動脈疾患の既往がない人が冠動脈疾患にならないための予防ということで2次予防等は冠動脈疾患になった人が再度冠動脈疾患にならないための予防という意味です。まず、2次予防ではLDL-Cは100未満にただし再発リスクの高い人(糖尿病合併など)では70未満が目標となります。1次予防では糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞、下肢動脈疾患などのリスクで高リスク、中リスク、低リスクなどに分類してLDL-Cを120-160未満を目標とします。なお1次予防も2次予防もHDL-Cは40以上、TGは150未満を目標とします。なおこれらのリスク分類についてはアプリもあるために興味のある方は検索してみてください。1次予防では非薬物療法が治療の基本となりますがLDL-Cが180以上の場合には薬物の早期投与も検討、2次予防でははじめから薬物を検討することになります。なお、リスクとして最も大きなものは家族性高コレステロール血症、急性冠症候群の発症、糖尿病でありこれらがある場合には脂質の管理が厳重に行う必要があります。食事についてですが健康な人については日常生活においてコレステロールの摂取量を制限する必要はありませんが高コレステロール血症の人については食事療法が必要であり飽和脂肪酸摂取制限、トランス脂肪酸摂取制限、コレステロールの摂取制限は必要になります。LDL-Cは低下させればさせる方が冠動脈リスクは少なくなるので一般の薬であるスタチンを投与しても低下しない場合には先ほど述べた家族性高コレステロール血症も考慮して新薬であるPCSK9阻害剤の使用が必要になります。高TGについては糖尿病、メタボリック症候群などの合併も多くこれらが動脈硬化への影響が強いので治療としては摂取エネルギーの制限と運動が中心となります。TG500以上では急性膵炎の危険性が高くなるので薬物の検討が必要になります。基本的には直接TGを下げるのではなくまずnonHDL-C管理を行うことになります。善玉コレステロールと言われているHDL-CはたとえLDL-Cが低くても40未満であれば冠動脈疾患のリスクは高くなり、また逆にHDL-Cの異常高値(90以上)も冠動脈疾患リスクが高くなります。HDL-Cの異常に対しても基本的には食事、運動などの生活療法が大切になります。最近ではLDL-CとHDL-Cの比であるLDL-C/HDL-Cが1.6未満を基準として2.6以上で冠動脈血管疾患のリスクが高くなると報告があります。なお、最後に女性と高齢者についてですが、閉経前女性では心血管リスクが低いことから禁煙指導を行いまず血圧、糖尿病の管理を行うことが大切でまず最初から投薬でLDL-Cを下げるというエビデンスは低くなっています。高齢者については後期高齢者においても2次予防について投薬の意義はありますが、1次予防についての意義は明らかではありません。なお、終末期(予命1年未満と診断された場合の薬の中止については安全でありQOLも上昇するとされています。なお、最近話題のフレイルは心血管イベントの危険因子になりうる為に状態に応じての運動療法が必要です。脂質異常症についてはどのような人にどのくらいまで下げるべきかなどまだまだ分からないこともありますが最近のスタディーでいろいろな知見が出てきています。コレステロールが高いからすぐに薬を飲むのではなくその人の状態に応じて対応をすることが大切になってきています。今回は平成30年8月26日に開催された医師会かかりつけ医研修会の講演を参考に記載しました。
                                                                          山田医院 医師 山田良宏

夜中のこむら返り経験ありますか?

 先日88歳の母が泊まりに来て、一緒の部屋、隣のベッドに寝たのですが
夜中それはそれはしっかりした声で母が「イタイイタイ~~~あ~~痛い!!こんなに痛いならこんな足いらない~~」と泣いている。「こむら返りやな・・・」と思い、足をさすっても良くならない、私も眠いので適当なさすり方(笑)15分ほどで落ち着き母はすやすや何事もなかったかの様に寝た・・・その1時間後位、私の右足が・・・(泣)母にうるさいなあ、、と思った手前静かに泣く・・・なぜこむら返りになるのでしょう?患者さんも良くこむら返りになる、、と聞きます。若い頃はプールでよくなりましたが(実は中学では水泳部だった・・)最近は夜中が多いです。
こむら返りの主な原因は疲労と言われています。一日中ふくらはぎは力を入れている事が多いので、充分にほぐしてあげることが大切だそうです。暑いから、面倒だからとシャワーで済ませるのはNG。お風呂にゆっくりつかり、一日使いクーラーで冷えた脚をほぐし、血の巡りを良くすることが大切です。
もうめっきり秋の気配で涼しくなりましたが、スポーツの秋、汗をかいて電解質を失ってもその自覚症状がないので水分補給をしっかりすることも大切です。夜中に足がつりやすい人は寝る前に飲むのも効果的です。電解質が含まれているスポーツドリンクを少量摂るのもよいですね。ただし、スポーツドリンクは糖分が含まれているので要注意です。こむら返りが起こった場合は、まず、つま先を掴み、足の裏とふくらはぎの後ろの筋肉を伸ばしましょう。反動をつけて無理に伸ばすと肉離れになってしまう場合もあるので優しくゆっくり伸ばすのがポイントです。足首からひざの裏に向かってさすったり膝の裏を揉んだりして血行をよくするのも効果的です。寝る前にこむら返りを起こしにくくしてくれる漢方薬を服用するのも良いと思います。
山田医院にもあるので先生に相談してくださいね。
こむら返りの対策は「疲労回復」「冷え解消」「電解質の摂取」ですが、これを行っても発症するときは、別の病気が潜んでいることがあるので医師に相談してくださいね。
 さてさて、ダイエットに成功して最高6キロ痩せて患者さんにも「痩せたなぁ~~」って言ってもらい有頂天になっていたのですが、ただいまリバウンド中。あと2キロで元の木阿弥、、、、(泣)今から食欲の秋ですが、スポーツの秋に頭の変換出来るでしょうか、、トホホ
                                                                          山田医院 看護師 冨島友子

「咳喘息」について

 私は、この夏、娘の引っ越しの手伝いをした時から、咳がとまらなく長期間続き、ステロイド吸入でやっと治った事がありました。今回は、咳喘息について調べてみました。
 咳喘息とは、慢性的に咳だけが続く気管支の病気です。気管支喘息のようなゼイゼイ・ヒューヒューといった喘鳴や呼吸困難はありませんが、気管支喘息と同じように気道が狭くなり、様々な刺激に対して過敏になることによって、炎症や発作が起こるのです。咳喘息は、気管支喘息になる一歩手前の状態と考えられており、子供では男児に多く、大人では女性に多くみられ、しばしば再発を繰り返します。咳喘息の患者さんの約3割が将来気管支喘息になるといわれており、早期に治療することが大切です。
 咳のはじまりは、ほこりやダニ、空気の悪い場所に行ったことなどがきっかけになることが多いですが、運動、受動喫煙、寒暖差、雨天、湿度の上昇、花粉、黄砂の飛散など、また、疲れや精神的なストレス等によっても引き起こされます。
 咳喘息の診断基準は7項目です。①喘鳴を伴わない咳が8週間以上続く。②喘鳴や呼吸困難などを伴う喘息にかかったことがない。③8週間以内に上気道炎(風邪など)にかかっていない。④気道が敏感になっている。⑤気管支拡張剤が有効な場合。⑥咳を引き起こすアレルギー物質などに反応して咳がでる。⑦胸部レントゲンで異常が見つからない。ガイドライン上は、この7つすべてが当てはまると、咳喘息と診断されることになっていますが、実際にはすべて検査するのは難しく、①喘鳴を伴わない咳が8週間以上続く。と、⑤気管支拡張剤が有効な場合。の二つの項目が簡易診断基準として重視されています。
 咳喘息の咳に対しては、市販の風邪薬や咳止めはほとんど効果を示さず、気管支拡張剤・抗アレルギー剤・吸入ステロイド薬 が有効です。咳喘息は咳がおさまってしまうと実感する症状がなく、症状がおきたときだけ病院に駆け込む方も多いのですが、激しい炎症を繰り返すと気道の壁が厚くなり、さらに気道が狭くなって状態が悪化していく可能性があります。繰り返す方は症状が落ちついているときにも治療継続が必要な病気です。
 また、長引く咳が症状になる他の病気としては、肺がん・結核・肺気腫・百日咳・マイコプラズマ肺炎などがあります。まずは、医療機関でご相談下さい。
                                                                          山田医院 看護師 橘 智子

舌癖について

舌には正しい位置があるって、ご存じですか?リラックスしているときの舌の定位置は舌が上あごにぴったりと接し、舌の先が上の前歯に触れないくらいの位置にあるのが正しいポジションです。この舌の定位置を「スポット」といいます。食べものを飲み込むときも、舌先はスポットにあたっているのが通常です。これをしばらくやり続けて舌が疲れてくる方は、舌が普段正しい位置にない可能性があります。また、全く舌がこの場所にいかない方も同様です。
下の前歯の裏側に触れていたり、上下の前歯の裏側に触れていたり、上下の前歯の間から舌がはみ出していたり、食べ物を飲みこむときに舌をつき出し、歯を押しだしたり、こうした好ましくない舌の癖のことを舌癖(ぜつへき)といいます。
舌癖のある人はいつも舌が口の中で低い位置や前方にあり、歯を押しているため、歯並びが崩れる要因となります。また、舌の力が弱いと重さを支えきれずに口が開いて、口で呼吸しがちになります。すると口が乾燥して雑菌が増え、免疫力が下がって風邪などにもかかりやすくなるのです。
舌癖の主な原因は口呼吸ですが、口呼吸になる理由には子どもの頃のアレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、蓄膿症といった鼻の病気や、扁桃肥大、アデノイドなどの喉の病気が考えられます。これらの病気は、成長する過程で治ることも多いですが病気が原因で大人になっても口呼吸が残ってしまうことが舌癖につながります。また、顔かたちや歯並びによって舌癖が出やすいこともあります。
 こうした舌癖の治療法として口腔筋機能療法というものがあり、舌や口唇などの筋肉のバランスを整えるためのトレーニング法のことで一般にMFTと呼ばれています。MFTの目的は、トレーニングを通じて舌の筋肉のカを強め、くちびるや頬、口のまわりの筋肉にカをつけ咀嚼、嚥下といった正しい動きを覚える。普段の生活の中で、トレーニングで覚えた舌の位置やくちびるの状態を保ち、正しい飲みこみ方を習慣するというものです。
MFTのトレーニング例
【ファットタング・スキニータング】舌をたいらにしたり、とがらせたり形を変える。
【ポッピング】舌全体を上あごに吸い上げ「ポンッ」と音を出す。
【フルフルスポット】舌を細くして左右に振り、その後すばやく舌の先をスポットにつける。
舌を鍛えることが、高齢者の生活を向上させることにも繋がります。舌の力が弱まると、食が細くなって体力が低下、閉じこもってしまう。滑舌が悪くなった結果、人に会いたくなくなり、閉じこもる。舌を鍛えることで、食べる力・話す力がよみがえり、よりよい生活が送れるようになると考えられています。
                                                                       山田医院 医療事務 平賀怜奈

認知症カフェ

 家族に認知症の方がいるということも、最近では珍しくありません。高齢化が進む日本では2025年には5人に1人が認知症になるといわれていることから、政府はオレンジプランという対応策に乗り出しており、2015年に「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる
社会の実現を目指す」ことを基本理念とし、介護者への支援を推進する施策として、全国で「認知症カフェ」の
設置の動きが進められています。
 認知症になると、気力の喪失や失敗への不安から家に閉じこもりがちになり、介護をしている家族も、徘徊や自己への懸念から外出を控えさせてしまうこともあるかと思います。家のなかばかりで過ごすと社会との接点を失い、症状の進行が加速してしまうおそれや、介護する側も常に閉鎖された家庭の中で介護を続けることは大きなストレスです。認知症カフェでは、このような問題を当事者だけでなく、ほかの介護家族や専門職、地域の人々が集まり、同じ状況の仲間がみんなで認知症に向き合うことができます。
 認知症カフェの運営は、市町村などの自治体や地域包括支援センター、医療機関などの公的機関や、NPO法人や社会福祉法人、介護サービス施設や事業者などの民間団体が多いのが現状で、民生委員や家族のメンバー、認知症サポーターや地域のボランティアと言った専門職以外の人達が支援スタッフとして多く携わっています。ほか
に、医療職や福祉の仕事にかかわる介護職、地域の行政職員や教職員なども参加し、多岐にわたる職種の方がおり、気軽に相談ができるようになっています。
 認知症カフェの参加費用は、100円から2000円程度と、ほとんどがワンコイン~少額に設定されており、無料で開催しているケースもあるそうです。リラックスした雰囲気のなかでお茶を飲みながら日々の困りごとを相談したり、情報交換が行えたり、介護や医療のほか、警察官や弁護士など地域に根差した様々な専門家が講師を務める講座や勉強会にも参加できます。また、病院やケアマネージャーに相談するほどでもなというようなちょっとした相談事もできます。介護する家族側も同じ立場の介護家族との情報交換や、専門家から様々なサービスや介護知識など、有益な情報を気軽に得られる貴重な機会にもなります。大阪市でもたくさんの認知症カフェが開催されているので、まずはためしにと気軽に参加してみるのもいいかもしれません。
                                                                         山田医院 医療事務 中町 麻里

発熱した子どもについて

ヒブ、肺炎球菌ワクチンの定期接種に伴い小児期の重症感染症の頻度は激減して病室に空床が目立つようになったと言われています。ただ3ヶ月未満の早期乳児ではまだこれらのワクチンの効果は直接的には反映されにくいと考えられています。3ヶ月未満の子どもの発熱の35%はウイルス、10%が細菌であり、5-9%が尿路感染症、2%が菌血症と言われています。菌血症と髄膜炎は侵襲性細菌感染症(IBI)と呼び、その他の重症細菌感染症(SBI)には骨髄炎、肺炎、腸炎、皮膚軟部組織感染症などがあります。一般に日齢が小さいほどまた40度以上の高体温ほど細菌感染の頻度が上がります。発熱児が危ない状態ではないすなわちローリスクと判断する根拠の一つに「具合が良さそう」が用いられますがこれは血液検査での白血球が1万5千以上あるいはCRPが2.0以上が危険であると判断するよりも正確であると考えられていますが重症感染症の判断は日齢が小さいほど難しくなっています。一般には日齢28日迄は高熱がある場合には全例が入院に、実際には3ヶ月未満の子どもについては入院となることが多くなっています。年齢が高くなると今度は咽頭痛発熱等で受診をする人も多くなってきます。多くはアデノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルス感染ですが一部に溶連菌感染症があります。溶連菌感染症の治療目的はリウマチ熱の発症を減らすことですが、この菌は健康な子どもの咽頭から5-20%検出されることが分かっています。3歳未満の発症は少なく、またリウマチ熱のリスクも低いことからルーチンの検査は不要であると言われています。なお溶連菌感染後の尿検査についても通常は肉眼的に分かる血尿あるいは顔のむくみで発症することで発見されることがほとんどであるために尿検査は不要であると考えられています。小児の感染症について今回はチャイルドヘルス平成30年9月号から抜粋しました。
                                                                           山田医院 医師 山田良宏