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新型インフルエンザについて 平成21年4月に中北米で報告されたブタ由来の新型インフルエンザは当初予想されたトリ由来インフルエンザとは異なるものの死亡率は季節性インフルエンザよりも高いとの疫学情報がマスコミを通じてわが国に広がりました。当初は水際対策と言う事で北米3ヶ国便の機内検疫、隔離、停留、健康監視、全入国者に対する質問表の回収、健康カードの配布を実施していました。 ところが実際には 関西においては5月16日に神戸での集団感染が報告され、関西地区で一時流行しましたが学校閉鎖等で消え去りその後日本各地で8月頃から流行が見られました。分子疫学的な検査から最初の兵庫、大阪で発生したウイルスとその後各地で流行したウイルスは異なるもので最初の関西地区の新型インフルエンザは消え去ったもののその後改めて海外から進入してきたものと考えられています。 今回の新型インフルエンザの特徴は若年者、特に気管支喘息の既往がある人にウイルス肺炎を起こしたことです。季節性インフルエンザが高齢者に2次性肺炎を起こすことが多い事と比較すると顕著でした。なお、海外では第3妊娠期の妊婦のリスクが高い事が指摘されていましたが、わが国では妊婦の死亡例はありませんでした。なお、脳症についても季節性インフルエンザと新型インフルエンザでは異なっていました。 季節性インフルエンザ脳症の中央値が2歳に比べると新型インフルエンザの発症は年長児(5-9歳)に多く認めておりました。また初期症状としては季節性インフルエンザ脳症では痙攣が多く異常行動・言動が少なくなっていますが新型インフルエンザ脳症では逆に異常行動・言動が多く痙攣が少なくなっています。なお、ワクチンの問題としては現在のワクチンでは血中IgG抗体を誘導して肺炎防止効果を示しますが鼻腔などに存在して感染予防に関するIgA抗体は誘導しないために感染予防とはならないことが指摘されています。 なお、インフルエンザに感染してすぐに抗ウイルス薬でウイルスの増殖を止めると産生されるウイルス抗原量が低下するために血液のIgG抗体産生には影響しないものの粘膜免疫を担当するIgA抗体の産生が低下することが分かりました。そのためにインフルエンザに罹患してもインフルエンザに対するIgA抗体が産生されずに何度も同じインフルエンザに罹患する事が分かりました。気道内のIgA抗体を作るためには経鼻ワクチンの実用化が必要です。一昨年タミフル耐性のソ連型インフルエンザが問題となりましたが、現時点では新型インフルエンザではタミフルの耐性はほとんどなくタミフル、リレンザともに効果があります。予測では今年の晩秋から冬にかけてインフルエンザ(おそらくは新型インフルエンザ)の流行があると思われます。 予防接種等での予防対策には気をつけましょう。 山田医院 医師 山田 良宏 |
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