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がんの治療とフォローについて
日本人の3人に1人はがんで死亡し、男性の2人に1人、女性の3人に1人は一生の間に1回はがんに罹ると言われています。最近では地域の中核病院と診療所の連携が強くなり術後のがん患者さんの方についても診療所でフォローする事も増えてきました。今回はいくつかのがんについての最近の治療とフォローについて説明をします。
<胃がん>
胃がんの治療は手術が主体ですが、早期胃がんに対する内視鏡治療、進行胃がんに対する抗がん剤治療も進歩しています。胃がんの治療方針の決定には胃がんの病期(ステージ)と患者さんのリスクチェックが必要ですが胃内視鏡検査とCTを行えばほぼ病期が決定します。胃がん治療の3つの柱は内視鏡治療、手術、化学療法となっています。内視鏡治療は早期胃がん(進達度が粘膜層まで、組織型が文化型、2cmまでの大きさ)で可能な治療法です。手術については以前は大動脈周囲のリンパ節までごっそりと手術で取り切ってしまう拡大手術が主流でしたが最近は胃の機能を残したような温存手術を行うこともあります。なお、以前は術後に化学療法を行うエビデンスは乏しかったのですが最近ではTS−1の内服薬あるいはシスプラチン等の点滴の抗がん剤を使用することも増えてきました。再発は特に3年間が高いためにその間は再発の有無のチェックと手術の後遺症としては胃切除後貧血、ダンピング症候群などを中心に対応が大切となっています。
<乳がん>
乳がんは35才頃から急激に増えだし45−50才頃にピークを向かえ、75才頃まで高い率を示しています。乳管内あるいは小葉内にとどまる非浸潤がんはいわゆる初期がんであり治療の基本は手術による切除です。切除範囲が4分の1以内であれば乳房温存手術が可能であり、その際には局所の再発を防ぐために放射線療法を行います。一方浸潤がんは遠隔転移の可能性があるために手術のみではなく放射線療法ならびに化学療法、内分泌療法が必要になります。乳がんについてはがんの特徴(リンパ節転移の個数、がんのホルモン感受性の有無、遺伝子異常の有無、年齢、病理組織など)にて再発のリスクを3つに分けて再発予防の全身治療を決定する事になります。乳がん治療の特徴の1つにホルモン剤の使用があります。このホルモン剤の使用により場合によっては頭部痛、ホットフラッシュ、関節痛などの更年期様症状が出現したり、また一部のホルモン剤では子宮がんの危険性が高まったり、また内科的な疾患としては骨粗しょう症を起こす危険もあります。なお、一般に再発乳がんの予後は悪く、再発後の治療は治癒ではなく延命を第1に考える事が基本になります。
<大腸がん>
大腸がんは5年生存率が70%と比較的なおりやすいがんの1つです。一般に大腸がんの治療は手術が基本で一部の早期癌は内視鏡的治療の対象となります。なお、切除不能な大腸がんに対しても化学療法の発達があり生存率は上昇しています。大腸がんの再発は他の消化器系のがんとは異なり転移部位が切除可能であれば40%に根治が期待できます。再発の危険が高い3年間は注意をしてフォローをする事が大切です。
3つのがんについて簡単にまとめました。術後はいろいろと心配であるために受診するもののすぐに受診をしなくなる人があります。再発等の危険も考慮して担当の医師と相談して受診はきっちりと行うようにしましょう。
山田医院 医師 山田 良宏 |