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新型インフルエンザについて
新型インフルエンザについては政府は国民の25%が罹患すると想定。20世紀前半のスペイン風邪と同程度の致死率2.0%のウイルスが大流行を起こした場合には国内では最大200万人が入院し、64万人が死亡すると推計しています。国内の患者数にあわせて前段階から5段階の発生段階を設定して各段階ごとに対応方針を整備するなどの対応策を考慮しています。新型インフルエンザは従来型〔季節性〕インフルエンザとどのように違うのでしょうか。従来型インフルエンザの一番大きな問題点は肺炎です。インフルエンザに肺炎を合併すると重症化する事が知られています。なお、肺炎は高齢者に多く現在でもインフルエンザに肺炎を併発すると死亡率は10−40%になるといわれています。インフルエンザそのものによる障害である肺炎とインフルエンザの増殖に伴う生体の反応である高サイトカイン血症が脳症あるいは心筋炎の病態になります。インフルエンザの感染が起こるとウイルスは気道上皮で増殖しますが、その増殖に反応して生体が各種のサイトカインを産生してそれが生体に対して悪影響を及ぼすものです。脳症についてはほとんどが5歳以下の小児に集中しています。一方、鳥インフルエンザについてみてみるとキーワードは小児と若年者に犠牲者が出ることと致死率が高い事と病態は高サイトカイン血症にともなう全身性の臓器障害を起こすことです。H5N1のタイプは2004年に流行が開始して以来終焉がなく発症国は増加の一途をたどっており、このH5N1が世界的大流行を起こすといわれています。一部に人から人への感染も報告されましたが、感染者プロットを見ると散発性にばらばらと広がっている事から鳥の感染から人にうつっている事が分かります。この鳥インフルエンザは従来型と同様に初発症状は高熱ですが、従来型に比べると呼吸器症状は早い時期に出てきて呼吸困難が出現、その他全身の臓器障害が起こり大体1−3週間ほどで死亡する臨床像を示します。20世紀に新型のウイルスは3回出現しています。1918年のスペイン型(H1N1)、1957年のアジア型(H2N2)、1968年の香港型(H3N2)です。アジア型と香港型は鳥のインフルエンザと人のインフルエンザが豚の中で混合感染を起こして交じり合って出来たウイルスと言われていますが、スペイン型は直接ヒト型に変わったと確定されており、この事が現在のH5N1の新型ウイルスに対しての危機感を煽っています。スペイン風邪の病態を見ると、死亡例の多くは肺炎の合併でした。これは従来型のインフルエンザの犠牲者と同様です。ただし、発症後5日以内の劇症例が多数あったこと、実際に死亡した半数が20−40歳代の健康な成人であった事が言われております。新型インフルエンザはスペイン風邪に類似すると考えれており、劇症型と若年者に犠牲者が多い事実に対する対応が必要となっています。ワクチンは一般的には半年近くはかかると言われていますが、現在は100年前のスペイン風邪のときとは異なり抗インフルエンザ薬が使えます。発熱外来、感染症指定医療機関等の想定はありますが、まだまだ不十分の状態であり体制の構築を急ぐ必要があると考えられています。 山田医院 医師 山田 良宏 |
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