Menu|Page01| Page02|Page03|Page04
![]() |
||||||
![]() |
||||||
|
下肢静脈瘤について 下肢静脈瘤は成人女性の5人に1人、男性でもその3分の1に存在する極めて一般的な病態です。下肢の血管がこぶのように膨らんだり、浮き出なくても血管が拡張して見える状態です。重症化すると下肢にできた潰瘍あるいは湿疹が治らない状態となります。自覚症状としては下肢のむくみ、だるさ、重さ、疲れやすさを感じたり、また下肢に熱感を感じ足がつったり(こむらがえり)する事があります。立ち仕事が長い人、お産を経験した人に多いといわれていますが血管の構造の問題もあるために遺伝的な点も指摘されています。静脈には弁がついていて血液が逆流しないようになっていますがこの弁は足の付け根や膝の裏などの太い血管につながる部位で壊れやすく、この弁が壊れる事により血液が逆流して静脈瘤となります。日常にたとえると静脈は下水で下水が詰まった状態が静脈瘤です。下水が詰まるとお風呂の排水が悪い、キッチンの流しの水はけが悪いなどおこりますがこれが体に起こると先ほど示した下肢のむくみ、だるさ等が生じます。この疾患は進行が緩やかでありまた症状も軽い事から医療従事者も患者さんもあまり関心がありませんでしたが近年では下肢静脈瘤と肺動脈塞栓症との関連が注目されたりまた治療法の1つである硬化療法に使用する薬剤が保険適応になったこと等から再認識され治療も積極的に行われるようになりました。下肢静脈瘤の原因は静脈の弁の障害ですが障害を起こす部位は95%が大伏在静脈(下肢の内側をはしりソケイ部の深部の静脈と合流する表在静脈)あるいは小伏在静脈(下肢の外側をはしり膝の裏で深部静脈と合流する表在静脈)といわれています。治療の原則は血液のうつ滞を取り除く事です。静脈血は寝ていれば重力で自然に心臓に戻ります。効果的に戻すには心臓よりも高い位置に足を置くことです。なお、一生寝ていればもちろん下肢静脈瘤はできませんし、また現在ある静脈瘤も進行しません。保存的な治療としては弾性ストッキングや弾性包帯があります。これらは下肢に適度な圧力を与える事で下肢に余分な血液が溜まる事を予防してまた下肢の深部にある静脈への流れを助けます。弾性ストッキング等は下肢静脈瘤では治療上とても大切ですがこれらの治療はあくまでも進行防止あるいは現状維持が目的であり下肢静脈瘤そのものが無くなる訳ではありません。治療方法としてはストリッピング手術(静脈抜去手術)、高位結さつ手術、硬化療法、その他(レーザー治療)があり静脈瘤の大きさ、部位、状態によって治療方法の組み合わせあるいは方法が変わってきます。一般に血管が盛り上がることなくクモの巣上あるいは網目状になったものでは経過観察あるいは弾性ストッキングのみで経過を見ることもありますが必要に応じて硬化療法といい薬剤を静脈瘤内に注射して静脈の炎症を起こして閉塞する方法が使用されます。なお、静脈が浮き出ているような静脈瘤においては95%が大伏在静脈あるいは小伏在静脈の弁の異常が原因である事からこれらの静脈を手術で取り除いたり(ストリッピング手術)、深部静脈とつながる部位を遮断(高位結さつ手術)を行う事に加えて硬化療法を行います。硬化療法はあらゆる種類の静脈瘤に使用可能ですが血液の凝固能が亢進している人には使用が出来ません。なお治療後はすぐに下肢を動かす事、歩行する事が原則なので歩行が出来ない患者さんには硬化療法はできないといわれています。その他肥満の方、ステロイド治療中、動脈閉塞性疾患の方も硬化療法は出来ません。硬化療法を行うと数日から数週間ほどで治療を受けた静脈は硬くなり軽度の痛みを生じます。なお、硬化した血管に一致して皮膚の茶褐色の色素沈着を3ヶ月目をピークに認めますがその後徐々に退色するようです。硬化剤が血管外にもれると皮膚壊死が起こったり、またごくごく稀にアレルギー反応があるようですが基本的に硬化療法は治療法が適切であれば問題は少ないようです。下肢静脈瘤の治療については種々ありインターネットで検索するとたくさん検索できます。最近は商業ペースになってきているために注意も必要です。下肢の血管が浮き出てきた場合あるいは心配ならばかかりつけ医師に見せて相談をしましょう。 山田医院 医師 山田 良宏 |
|||||