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山田医院だより
       

1:生殖補助医療について
2:排便リズムをつくる
2:血液サラサラのお話
3:波乱ずくめの新制度
3:転倒予防のコツ
4:母乳について
 

 水曜日午前中の
検査についてのお知らせ


水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。

なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。

経鼻内視鏡検査を
入れました!

8月から鼻からの内視鏡検査(胃カメラ)ができるようになりました。

生殖補助医療について

生殖医療は20世紀の後半から最も進歩した医学分野の1つであると言われています。1978年に英国で初めて体外受精が行われてから30年になりますが、日本においては5年遅れて1983年に第1例が東北大学で行われ以後24年が経過しております。1990年代はこの生殖補助医療(ART)が発展して一般化してきており2000年以降は一般の診療所レベルででも体外受精は行われるようになり現在ではこのARTを行う施設は600を超えているようです。現在は総出生児の大体56人に1人が体外受精関連技術でうまれており、5年もすれば30人から40人に1人の割合になるといわれています。欧米ではすでに3%程度になっています。通常は挙児を希望し1年以内にカップルの80%が、2年以内に90%が妊娠するので日本においては生殖年齢にある男女が妊娠成立を希望して正常な性生活を営んでいるにもかかわらず2年以上経過しても妊娠しない場合を不妊と定義しています。(欧米では1年と定義しています。)不妊の潜在人口は10から15%程度と言われており40%は女性に25%は男性に原因があると言われています。晩婚、晩産化の進むわが国においては不妊症に気が付くのは30歳台後半になることも多くなっています。加齢に伴い卵巣の予備能力の低下や生殖器官の異常が増加するために不妊症は難治化すると言われています。妻が35歳以下の場合は挙児を希望して1年以上しても妊娠が成立しない時、妻が35歳以上ならば6ヶ月以上しても妊娠が成立しない時には不妊の可能性もあるために早めの不妊検査が必要となります。生殖補助医療は各種の検査後に通常はタイミング法、人工授精、体外受精・胚移植(IVF−ET)法を中心に行い場合によっては顕微受精に進みます。一般には採卵あたり20%、移植あたり30%の妊娠率となっています。安全面からは多胎妊娠が約15から20%、流産も20%程度となっています。遺伝的な安全性については染色体異常については体外受精・胚移植についてははっきりと分からないものの顕微受精においてはやや増加するとの報告もありますが母体の年齢も関連しておりはっきりとはしません。体外受精・胚移植について問題となっていることの1つはPGD(着床前遺伝子診断)です。受精卵を検査して遺伝的な疾患の有無を診断する方法で、問題がない場合に子宮に戻す技術です。筋ジストロフィー、ハンチントン病など重篤で治療法のない遺伝疾患などに加えて染色体の異常がある習慣性流産の患者さんなど40例が承認されているようです。この技術については3つの問題点があり、1つは異常があった受精卵を廃棄する事に対する生面倫理的な問題、2つ目はハンディキャップを持った人たちからの優生思想につながると言う批判、3つ目は本来は自然妊娠が可能な人たちに対しても体外受精を行わなければならないと言う問題です。その他、生殖補助医療についての問題としては2007年3月に最高裁が海外で代理懐胎を依頼した女性に対して出生した子の母親とは認めないと決定したいわゆる代理母親問題があります。日本においては法律上は産んだ人が母親であると定められており厚生科学審議会においても代理母は禁止としています。(夫婦以外の精子、卵子の使用は認める。胚の提供も禁止しない。なお、提供者としては兄弟姉妹からの提供は認めない。子を出産した人を母親として、同意した人を父親とする。)この問題は社会問題にもなりましたが産婦人科医師間においても意見は様々です。日本においては分娩は安全であると言う神話ができておりこれを前提に代理出産OKと言う意識があるようですが子宮を貸しているドナーは肉体的、精神的にも危険にさらされていると言う点、生命倫理の点からも議論の多いところです。日本においては一般に不妊治療の期間は長引く傾向であり、そのような場合の心理的、社会的側面へのまなざしあるいは治療の終結も含めた患者さんの意思の決定を支援するための技術等も今後は必要になるのではないかと言われています。

山田医院 医師 山田 良宏

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