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C型慢性肝炎に対する瀉血療法について
体の中の「鉄」といえば貧血を思い浮かべる方も多いと思います。このイメージから「鉄」を多く含む食事は体によいと考え、日ごろから鉄を含むサプリメントを服用している方もいると思います。確かに貧血の原因として最も多い鉄欠乏性貧血に対して鉄の服用は大切で、鉄を服用する事で貧血は改善します。また、最近ではスポーツ選手の鉄欠乏性貧血も話題になる事が多く「鉄」は大変重要なミネラルとなっています。体内の鉄の総量は成人男子で約5g。その内70%は赤血球、筋肉内にあり利用されておりますが、残りの30%ほどは貯蔵鉄として脾臓、肝臓などに蓄積されております。通常の状態において鉄は1日あたり腸管等から1mgが喪失して、1mgは空腸上部で吸収されるといわれています。出血等にて鉄の喪失が吸収より多くなると鉄欠乏になりさらにこの状態が持続すると鉄欠乏性貧血になります。一方鉄が過剰に蓄積すると鉄過剰症となり全身性の臓器障害を認めるようになります。ヘモクロマトーシスという遺伝性の病気がこの代表例で鉄が肝臓に蓄積して肝硬変に、膵臓に蓄積して糖尿病に、心臓に蓄積して心不全等の多種多様の病状を起こす事が知られています。なお、以前からC型肝炎においては肝細胞内に鉄が蓄積する事が知られており、この鉄の蓄積が肝障害の進行を起こしている事が分かってきました。一般的にはC型慢性肝炎の治療はインターフェロンがウイルスを排除するために最も基本的な治療法になります。最近では多種多様のインターフェロンの登場ならびにリバビリン等の内服薬との組み合わせによる治療法などC型肝炎に対する治療法は発展しています。ただしうつ病、甲状腺疾患等の全身状態の問題から使用できない場合、インターフェロンの副作用にて使用できない場合、インターフェロンが無効である場合などもあり、その場合は従来から強力ミノファーゲンなどグリチルリチン製剤の注射を1週間に1回程度の割合で行い肝機能を維持するいわゆる対症療法を行う事が一般的な治療でした。肝機能とくにASTやALTを50以下に保つ事が肝硬変への移行、あるいは肝臓癌への進展予防には大切であるためにこの数値を目標に治療を行う事になりますが注射の回数を増やしてもどうしても目標数値まで到達しない場合あるいはどうしても頻回に通院できないこともあり肝数値が悪いままで経過する人も多くいました。最近では鉄を除去する事により肝機能を改善する方法が採用される事になりました。先ほども記載しましたが鉄は血液中にヘモグロビンとして含まれているために血液を抜き取る事が鉄を除去する最も簡単な方法でありこの治療法が瀉血療法です。一般に100mlの血液中には50mgの鉄が含まれているといわれています。一般的には1回につき200から400ml程度の瀉血を行う方法が取られていますが、当院においてはグリチルリチン製剤投与時に1回に50ml程度の瀉血を1から2週間に1回程度行う方法を今までに7人程度に行いました。この1回に50ml程度の瀉血を短い間隔で定期的に行う方法を外来少量持続瀉血療法といっていますが、この方法のメリットは瀉血に伴う貧血症状を起こさない、注射と同時にできる、あまり時間がかからない等のメリットがあります。なお効果についても瀉血量がふえてくると肝機能は著明に改善するケースが多く極めて効果的な治療法であると考えております。この効果等については平成19年11月に大阪府医師会医学会総会において発表しております。なお、C型慢性肝炎に対して鉄を減らす瀉血を行い実行しましたが、食事も注意が必要です。ウコンがいいと言って取り入れる人がいますが、ウコンには鉄が多く含まれているためにC型慢性肝炎の人にはよくありません。またシジミなどの貝類にも鉄が多く含まれているので注意が必要です。その他鉄鍋の使用を控える事も大切といわれています。今までよいと言われていたウコン、シジミなどは肝臓にはよくありませんので取り過ぎないようにしましょう。この瀉血療法は貧血がない限りは実施できます。肝炎の方で、コントロールが困難な方については私がお話をする事にしていますが興味のある方はまた診察時にでも相談をしてみてください。 山田医院 医師 山田 良宏 |
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