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山田医院だより
       

1:高齢者の栄養障害について
2:胃にやさしい食生活を
2:あなたは颯爽と歩けていますか? 
3:後期高齢者医療制度について
3:地震について
4:里親の制度について
 

 水曜日午前中の
検査についてのお知らせ


水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。

なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。

経鼻内視鏡検査を
入れました!

8月から鼻からの内視鏡検査(胃カメラ)ができるようになりました。

高齢者の栄養障害について

世間ではメタボリック症候群がブームで如何に栄養を抑えるか、運動等を試みるかの話題が多くなっていますが一方では低栄養状態が問題となっています。今回は高齢者の栄養障害とくにタンパク質・エネルギー低栄養状態(PEM)についての最近の話題を取り上げてみました。1970年代の米国において入院患者さんの40から60%の人が栄養不良の状態である事が報告されました。これは当時は病院内栄養失調と言われ社会問題となりました。この病院内栄養失調の正体は身体内のタンパク質とエネルギー量の不足した状態である「タンパク質・エネルギー低栄養状態:PEM」でした。日本においても介護が必要な高齢者では40%以上、寝たきりの高齢者の半数以上がPEMに陥っている事が分かりました。このPEMの患者さんは病状の回復は遅れ、肺炎等の合併症になりやすく、また死亡する危険性が高いことも分かり社会問題ともなりました。PEMの指標としては種々ありますが簡単な指標は血液検査においての血清アルブミン値と体重減少率です。血清アルブミン値が3.5g/dl以下になるとPEMの中等度リスクとなります。また、体重減少率は(通常体重−現在の体重)÷通常体重×100で求めますが、この率が1ヶ月に5%以上あるいは半年間に10%以上となるとPEMの高リスクになります。ちなみに体重減少率が5%を超えると免疫能が低下し、筋力は低下、呼吸能も低下してうつ状態等も発症しやすくなるといわれています。従来から体重あたりの基礎代謝量は20歳以後は漸減して60歳では50%程度になり高齢化に伴い更に漸減していく言われておりましたが、これを鵜呑みにして高齢者の摂取エネルギー量を算定してそれに基づいて食事が提供されてきました。その結果寝たきり高齢者の40%以上がPEMになったのではないかとも言われています。実際には安静時エネルギー消費量は思春期(15―17歳)以降はほぼ一定となっています。なお、入院患者さん等状態の悪い人の安静時エネルギー消費量は個人差が大きくなっており、単に身長と体重から算定するのは危険であると考える必要があります。なお、基礎代謝は同じ体重であれば背の高く痩せた人のほうが、背の低く太った人よりも体表面積が大きいので基礎代謝量は大きくなります。気温の影響も強く25度以下あるいは30度以上ではエネルギー消費量は増大します。エネルギー補給における3大栄養素の比率はエネルギー比で糖質(炭水化物)50%、タンパク質20%、脂質30%といわれています。糖質は1gで4kcal、タンパク質は1gで4kcal、脂質は1gで9kcalのエネルギーを産生します。タンパク質の必要量はどうでしょうか?一般成人では0.8g/体重1kg/日といわれていますがPEMの改善のためには1.4から1.5g/体重1kg/日が必要です。栄養補給の方法は口からの補給(経口摂取)が望ましくどうしても不可能な時にはチューブを消化管に入れての補給あるいは点滴での補給となります。経口においても一般の食事からの摂食が望ましいと思われますが必要量が取れない時にはいわゆる栄養剤を使用する事になります。なお、高カロリー食を投与する際の問題として血糖値が上昇する事があります。同じカロリーでも血糖値があまり上がらないものとよく上がるものがあることが分かる様になりました。血糖値の上昇の違いを表すものはGI(グリセミックインデックス)といわれるものでこれが低いものを取り入れる事が大切です。豆、コーンスターチなどの高アミロース、食物繊維、酢はGIが低いために血糖値が上昇しにくくなっています。調理に際してはこのような食材を工夫する事も大切です。NHKのクローズアップ現代でも取り上げていましたがPEMに対して特に注意を要する人は独居の人、老人世帯の人、嚥下あるいは咀嚼に問題がある人、けが、病気などで食欲不振がある人です。毎食のおかずには肉または魚を入れる事が大切です。特に高齢者は肉類の摂取量が少なくなる傾向があるため肉と魚は同程度食べることです。なお、自分が痩せたなあと思ったら食べることに心がけた方が良いようです。特にタンパク質を摂る量が少なくなりがちなので、肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品など、良質のタンパク質を摂ることが重要です。 

山田医院 医師 山田 良宏

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