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山田医院だより
       

1:脳梗塞の診療の変遷について
2:ガンを防ぐ
2:診断書について
3:春です!ウォーキング始めませんか?
3:受けましょう、大腸がん検診
4:子どもの誤飲・誤嚥事故について
 

 水曜日午前中の
検査についてのお知らせ


水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。

なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。

脳梗塞の診療の変遷について

 脳梗塞患者さんの多くは治療法がなく麻痺が残り寝たきり状態になる事も多かったのが一昔前の話です。今でも脳梗塞で病院に運ばれ、普通の点滴治療のみを受け片麻痺が残っているという事は決して珍しい話では有りません。多くの脳梗塞患者さんを寝たきり状態から救える薬と期待されて登場した薬が血栓溶解薬t−PAです。2005年10月に承認されてから1年以上が過ぎました。このt−PAは注射をするだけで目の前の患者さんが見る見るうちによくなるというその効果が劇的であるために脳梗塞治療の現場に与えたインパクトは大きいといわれています。これまではせめてごく限られた専門医師が行う閉塞した血管を再開通させるための血管内治療、多くの場合にはウロキナーゼなどを使用する梗塞の進行を阻止する程度の治療が行われていました。t−PAの効果はmRS(脳卒中後遺症の重症度を測る指標)が0(全く症状がない)、1(症状はあるが特に問題となる症状はない)の患者さんの割合で示されます。従来の治療法ではこれが20%程度でしたが、t−PAでは40%近くまで高まると期待できます。ただし、副作用としては頭蓋内出血などがあります。日本においてはこのt−PAの使用量が海外に比べて体重あたりで換算すると約3分の2であるために副作用が少ないといわれています。(ただし効果も少ない?!)このt−PAは静脈投与を行うだけですが投与の制限があります。この制限は頭蓋内出血を起こさないようにするためのものです。まず発症後3時間以内の投与、CTの所見上脳梗塞が極早期病変であり広がりすぎていないことなどがあります。なお、このt−PAが使用できる施設自体も基準があります。脳卒中学会が施設基準を定めています。24時間体制でケアを行う事ができり設備基準、脳外科医師がすぐに駆けつける事ができる状態等が必須です。このような条件を満たす施設は病院の経営上非常に困難でまだまだ少数の施設しか有りません。脳梗塞患者さんの救急搬送において救急隊員がこのt−PAの治療を行える病院を把握していない場合も多いようです。なお、大阪においてこのt−PAの実績が多い病院は阪和記念病院、多根総合病院、国立循環器病センターなどです。なお、救急隊が救急搬送依頼時に脳卒中を判断する方法としてはシンシナティ病院前脳卒中スケールなどが有名です。顔面のゆがみ(片側が他側のように動かない)、上肢の挙上(一側が挙がらない、挙がりが悪い)、構音障害(不明瞭な言葉、間違った言葉、全く話せないなど)の3つのうち1つでもあれば脳卒中の可能性は72%といわれています。救急隊の段階でt−PAが使用可能な状況かどうか判断ができれば脳梗塞患者さんの回復を高める事は出来ます。なお、現在治験中ですが、脳梗塞発症後9時間まで使用することが可能な薬剤もあり期待されています。現在の脳梗塞の再発予防の中心となる治療法は「心臓が原因ではない脳梗塞」には抗血小板薬(アスピリンなど)、「心臓が原因の脳梗塞」には抗凝固薬(ワーファリン)でこの原則は以前から変化はありません。なお脳梗塞再発予防の新常識としては血圧管理は「低ければ低いほど良い!」ガイドラインにおいては140/90mmHg未満のコントロールが勧められていますがそれ以下の血圧管理のほうが良い、両側の頚動脈の狭窄がない限りは下げすぎる事はないとも言われています。糖尿病についてはきっちりと血糖管理を行う事は世界的な流れのようです。HbA1cでみると7.0未満に、理想で言えば6.0以下を目指すべきであるといわれています。なお、今まで証明されていなかったけどよさそうである言われていた高脂血症の管理についてもコレステロール値をコントロールする事により脳卒中の予防効果がある証明が行われました。ストレス社会になりまたメタボリックシンドロームの方も多くなり脳卒中はまだまだ多い病気です。特に脳梗塞については比較的若年者でも発症の危険があり注意が必要です。今説明したt−PAのような薬物を多くの人に使用できるように医療の環境がよくなることも大切であると思います。

山田医院 医師 山田 良宏

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