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新型インフルエンザについて 鳥インフルエンザ、H5N1ウイルス、新型ウイルス、高病原性鳥インフルエンザ等いろいろな言葉を見かけると思います。今回は言葉の整理も含めて、新型インフルエンザについて考えたいと思います。原則としては動物に感染するウイルスは感染する動物は決まっています。哺乳類に感染するウイルスは哺乳類のみで鳥類に感染するウイルスは鳥類のみに感染します。この例外のウイルスの典型例がインフルエンザです。インフルエンザは本来の感染対象は鳥であると言われています。すなわち今現在見受けるすべてのインフルエンザウイルスの祖先は鳥インフルエンザです。鳥インフルエンザは100種類以上ありますが、そのなかで高病原性(強烈な症状をもたらして高い死亡率をもたらす疾病)を持つインフルエンザがH5あるいはH7を持つインフルエンザウイルスです。H7ウイルスも人に感染して結膜炎等を起こして問題となりましたが、最近マスコミでよく話題となっている「とりインフルエンザ」はH5ウイルスで特にH5N1タイプのインフルエンザです。このH5N1ウイルスの人への感染は1997年の香港での生きた鳥を売る市場で発生した集団発生に始まります。当初はこのH5N1ウイルスは感染した鳥に濃厚に接触した人のみに感染して人から人には感染しないと言われていましたが、平成18年4月のインドネシアでの集団感染では人から人、さらに別の人に感染した事例がありました。この場合も看病等を行うようなかなり濃厚な接触があったためと考えられていますが、今までの常識からは考えられない事でした。現時点において鳥インフルエンザは感染者あるいは感染した鳥との濃厚な接触にて移る可能性があるもののまだ人には簡単には移らないと言う状況です。WHOにおいてもインフルエンザについてはパンデミックのたいするフェーズ分類を行っており現時点ではフェーズ3(ヒト―ヒト感染はないかあるいは極めて限定している)としています。この鳥型のH5N1インフルエンザは今流行している香港型、ソ連型などのように人から人へは簡単には感染しないために新型ウイルスとはいえませんが、人から人への流行が起こりやすいウイルスへの変移が最も考えられています。現在、話題となっている鳥インフルエンザ(H5N1ウイルス)は病原性が強く感染している人あるいは鳥と接触が強ければ感染する可能性がありますが基本的にはまだ広くヒトには感染することはなく新型ウイルスではありません。このH5N1ウイルスが変異を起こして人に感染しやすくなるとパンデミック(大流行)を起こす新型ウイルスになるわけです。この新型ウイルスになるのは時間の問題であるとは数年前から言われてきました。では、もし新型インフルエンザが出現したらどうでしょうか。H5N1の症状から考慮すると、発症直後は通常のインフルエンザ同様(発熱、関節痛、呼吸器症状)と変わりないものの発症2日目頃から純ウイルス性肺炎を起こすを起こすといわれています。その他サイトカインストームといわれる多臓器不全を起こすといわれています。現在使用している迅速診断用のキットでも陰性になり、臨床症状からの診断となります。なお、治療方法は確立していませんが通常の倍量のタミフルの使用も検討されています。なお、予防の基本は予防接種ですが、パンデミックから供給までに3から6ヶ月ほどかかると言われています。その間はプロトタイプワクチンと言われている鳥型のH5N1を基に開発された暫定使用のワクチンでヒト型へ変異したウイルスへの効果は保証されていないものの新型ワクチン開発までの頼みの綱となるようです。なお、新型インフルエンザ発生時には予防接種ができるまでの数ヶ月は抗ウイルス剤(タミフル、リレンザ)を使用して治療する事になりますが、国と地方自治体が進める備蓄の動きは遅く、備蓄目標の2500万人のうち、現在収納されているのは500万人分のみで全量がそろうのは2008―9年になるといわれています。現時点においては新型インフルエンザについては情報網をめぐらして早期に対処するしかありません。ただし例年流行する香港型インフルエンザについてはインフルエンザワクチンが効果的です。可能な限りはかかりつけ医師の下でワクチンを受ける事をお勧めします。 山田医院 医師 山田 良宏
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