Menu|Page01| Page02|Page03|Page04
![]() |
|||||
![]() |
|||||
|
チックについてチックと言う言葉を一度は聞いたことがあると思います。体の一部の急速な繰り返す動きの事をいいます。よく見られるのは、目をパチパチする事、顔をクシャとゆがめる事、首を振る、などです。体の動きが出るものを運動チックといいます。一方「アッ」「ウッ」などの声が出るものを音声チックといいます。チックといえば心理的な原因でおこる子どもの症状の代表のように言われた時期もありましたが、今では原因は体質である事が分かっています。その病態も子どものある時期だけ一過性に出る軽いタイプから、大人になるまで持続して色々なチックが出る重症のタイプまで幅広い事が分かってきました。ただし、この事は一般的にはまだ理解されていませんから、子どもにチックが出るとお母さんたちは「育て方に問題があったのだろうか、叱りすぎたのだろうか」と考えてしまう事がまだ多いようです。原因は脳の神経伝達物質の異常だとされています。この異常は生まれつきの体質から起こると考えられています。ただし、遺伝といっても単純な遺伝ではなく、複数の遺伝子が関与していると言われています。決して親のしつけが原因ではありません。症状と経過ですが、チックは大きく分けると3つのタイプがあります。一過性チック障害、慢性運動性あるいは音声チック障害、トウレット障害の3つです。一過性チック障害は最も軽いタイプで子どもの5人に1人程度は経験するもので決して珍しいものではありません。乳児期後半から小学校低学年くらいの子どもに、眼や顔のチックが始りますが、数週間から数ヶ月以内に自然に治ります.チックのほとんど(95%以上)はこのタイプです。トウレット障害はチックの中で最も重症なタイプです。子どもの時期に始るいろいろな種類の運動性チックと音声チックがよくなったり、悪くなったりを繰り返しながら何年も続きます。この中には「汚言症」といい人前では言ってはいけない卑猥な言葉を言いたくないのに言ってしまうという症状があります。このトウレット障害と一過性チック障害の中間にあたるのが慢性運動性あるいは音声チック障害です。この3つのタイプはそれぞれ別の病気というわけではなく連続する事もあります。通常チック症状は重症型のトウレット障害でも大人になるとなくなるか目立たなくなります。多くは小学生以前に始まり、思春期から青年期にかけて悪化しますが大人になると3分の2は症状がなくなるかあるいは生活に支障がない程度に目立たなくなります。チックは叱られた時、学校の行事の前後などに悪化する事があります。精神的な緊張や疲れなどによって症状が一過性に強くなる事はあります。ただし、病気自体が悪化する事はないのでしつけ等について特別扱いをする事はよくありません。なお、チックはADHD(注意欠陥多動性障害)といい多動、不注意、衝動性などを主症状とする発達障害を30―40%に合併するといわれています。また、繰り返し行動や強いこだわりを持つ強迫症状も20―30%に合併するといわれています。その他学習障害、あるいは自閉症なども合併する事があります。その為にチックについてはこれらの疾患が合併していないかの評価が必要になります。では、実際にチックが出たらどうしたらいいのでしょうか?3歳くらいから小学校低学年の子どものまぶたをパチパチさせるなどの部分的なチックの多くは一過性なのでチック症状を叱ったり、周囲が意識をし過ぎないようにすれば数週間以内に良くなります。基本的には一過性のチックには治療は必要ありません。一方チックが良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、数ヶ月以上続くあるいは何種類かのチックが出現する、音声チックが出る、チック以外にこだわり、多動など発達や行動にも問題がある場合には専門医師(神経小児科医師)への受診が必要になります。この場合は自然に良くなる事が少なく、また発達や行動面に付いて専門的な助言が必要になります。なお、症状が強い時には症状を軽くする薬もあります。基本的には、大人になると良くなる事から症状をなくす事にこだわるのではなく、発達や行動の異常の問題に対応を行う事になります。なお、日本トウレット協会という組織もあります。当院においても乳幼児健診等にてチックについて伺う事があります。今回はこのチックについて、鳥取県立総合療養センター汐田まどか先生の論文を引用させていただき説明をしました。 |
||||