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生活習慣と肝疾患(脂肪肝)について
食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が密接にその発症・進行に関与する疾患群として生活習慣病があります。従来は成人病と言われていた心臓病、脳血管障害、癌、糖尿病、高脂血症、骨粗鬆症などが代表的な生活習慣病といわれています。
肝臓については従来からアルコール性肝疾患がこの範疇に含まれていましたが近年の飽食の時代の結果としての肥満を基盤とした脂肪肝が最近では注目を浴びる様になりました。従来脂肪肝に対する関心は低く人間ドッグあるいは検診などにおいて発見されても「進行する病気ではない」と放置されることが多かったと思います。
しかし、最近では非アルコール性脂肪肝(NASH)の登場によりこの脂肪肝は注目を浴びるようになりました。NASHとはアルコールの摂取がないのにもかかわらず従来から言われているアルコール性肝疾患類似の病理組織を示して進行性であり肝硬変さらには肝癌まで進行する疾患です。従来原因不明であった肝硬変の候補の1つとも言われるようになっています。このNASHは肥満特に内臓脂肪が蓄積する肥満との関連が強くなっています。メタボリックシンドローム(ウエストが男性で85cm以上、女性90cm以上の人で高脂血症、高血圧、高血糖のうち2つ以上を満たす人)においての発症が多くいわゆる内臓肥満を認める人に於いての脂肪肝では注意が必要となっています。このNASHは血液検査あるいは超音波検査あるいはCT検査等では一般の脂肪肝との区別が困難で組織を顕微鏡検査する生検が確定診断には必要となります。
なお、単なる脂肪肝では肝臓への脂肪の沈着のみですがNASHではさらに酸化ストレスやフリーラジカル等の因子が加わるために肝硬変への進行があると言われていますが依然として不明点も多いのが現状です。治療法としては食事、運動療法が中心となります。摂取エネルギーと脂肪の摂取の減量を目標とします。なお急激な体重減少はかえって脂肪肝を悪化させることがあるために2−3kg/月程度の体重減少を目標とします。
なお運動については有酸素運動が効果的です。運動により中性脂肪が減少し善玉コレステロールであるHDLーCHOを増加させることが出来ます。薬物療法としてはインスリン抵抗改善薬の服用あるいは高脂血症薬、肝庇護剤、ビタミン剤等が検討されていますが薬物療法の最良のエビデンスはありません。
1990年代まで増加していたアルコール消費量によりアルコール性肝硬変は肝硬変全体の12%程度を占めると言われています。ちなみにアルコール性肝障害は飲酒量が平均して日本酒換算で3合以上5年間が目安となります。(女性ではその3分の2)なお日本酒1合はビールでは大ビン1本、ウイスキーではシングル2杯、焼酎では0.6合に相当します。今後もアルコール性肝障害の増加は危惧されていますが肥満の増加に伴う脂肪肝、特にNASHについては今後もより一層増えるのではないかと心配されています。
アルコールを飲んでいなくても検診で指摘される脂肪肝を侮ってはいけません。今から運動ならびに食事療法を開始してNASHにならないように気をつけましょう。
山田医院 医師 山田 良宏
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