夜になると自然と眠くなるのは、体内時計のおかげです。体内時計とは体のリズムをつくる器官のことで、地球上に初めて生物が誕生した時から存在していたと考えられています。時とともに環境が変化する地球に、自分の体を合わせて生き延びるためには、時間を計る体内機能が必要だったのです。そして自然界の最も安定したリズムである地球の自転による24時間周期の昼夜リズムが体内にとり込まれ、昼活動し、夜休憩するという生活を長い間続けてきました。
現代人の5人に1人が眠れない理由
ところが社会はおもに先進諸国を中心にここ数十年の間に急激に変化し、自然界の規則正しい光ではなく、人工の不規則な照明を浴びて生活する時間のほうが多くなってしまいました。
それに伴って、夜に活動したり、就寝と起床の時間が不規則になるなど、生体リズムとは違う生活を強いられるようになりました。人類の長い歴史の中ではごく短い期間に急速に環境が変化したため、生体リズムがついていかず、その結果夜眠れず、昼はだるいというような症状を訴える人が増えたのです。国立公衆衛生院で1997年に日本成人2800人を対象に実施した調査では、5人に1人がなんらかの睡眠障害をかかえていました。
本来は朝、太陽の光を浴びて朝食をとることで、体内時計の調節器官に信号が送られて毎日リセットされる仕組みになっているのですが、不規則な生活ではリセットがうまく行われず、さらに進んで昼夜が逆転してしまうという問題さえ起きているのです。そんな中で現代人の体内時計は、壊れかかっているといっても過言ではありません。
体の温度や血圧、体液、血糖、ホルモン、食欲などのあらゆるリズムは体内時計によって調和しています。体内時計が狂えばバラバラに働き、生活の質が悪くなります。そしてまずは倦怠感、不眠症、うつ病などのなんとなく調子が悪いといった症状が現れ、慢性化すると生活習慣病などの病気につながります。
食事と睡眠の密接な関係
文明が進歩しても、人間がもともと持っている体内時計はかえることはできませんから、生活をその体内時計に合わせる努力が必要です。
その一つの方法に食事があります。食事と体内時計は密接なかかわりがあります。時間になるとお腹がすいたと感じるのは、体内時計がつくる摂食リズムのおかげですし、それに合わせて規則的に食事をとることで体内時計も整うのです。さらに摂食時間帯にきちんと食事をとることを習慣にすれば、ほかの時間よりもインスリンの分泌や消化吸収の作用が活発になり、より効果的に栄養素を体内にとり込めることがわかっています。
快眠のためには1日3食、原則として同じ時間に食事をすることがポイントです。
朝はできるだけ食べよう!〜朝食を抜いている人のため に〜
朝は食欲がないとか、朝は食べないのが習慣という人でも、とにかくなにか一口はお腹に入れるようにしましょう。まずは消化しやすく、準備に時間が要らない食品から始めてみましょう。
◆食品例◆
バナナ1本、チーズ6pサイズ1個、オレンジジュース1杯、野菜ジュース1杯、
フルーツヨーグルト1個、フルーツゼリー1個、卵豆腐1パックなど
参:栄養と料理 管理栄養士 越後 和江
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