|
緊急事態宣言の出た結核とは?
結核予防法、新薬の開発のために戦後順調に減少してきた国民病であった結核は1980年代から横ばいに近くなり1997年からは2年連続で結核の患者さんの数が増えています。
以前は若者がかかっていた病気でしたが、現在では半分以上が60歳以上の高齢者となっています。日本の中でも大阪市内は特に結核の罹患率が高く最も低い長野県の6,6倍にもなります。ちなみにノルウェーの22倍にもなります。高齢者の多くは、糖尿病やステロイドの服用など免疫力が低下したために以前かかった結核菌がぶり返した事によります。では、予防方法はあるのでしょうか?結核菌はいわゆる空気感染をします。結核菌を吸い込むと免疫力のない人は5−15%の割合で病気になるといわれています。現在唯一の予防方法はBCGです。これは乳幼児期に保健所で行なわれております。なお、小学校1年、中学校1年でも追加されることがあります。このBCGは牛型結核菌から開発された生ワクチンですが、これにより乳幼児の重篤結核(結核性髄膜炎や粟粒結核など)には80−90%の予防効果が得られ、成人の肺結核には約50%の効果があります。また、感染した可能性のあるときにはツベルクリン反応の結果により薬の6ヶ月内服をすることもあります。
では、結核の症状とはどのようなものでしょうか?まず、慢性に続く咳です。はじめは空咳ですが、病気が進むと痰(たん)がからんだ咳となります。なお、血の混ざった痰は有名ですが決して多くはありません。また、体重減少と発熱を認めます。結核の場合は他の肺炎とは違い高熱のわりには元気であるというものが多くあります。なお、病気が進行すると胸部痛、呼吸困難も出てきます。とりあえずは2週間以上続く咳があるときや、発熱が続く時等は医療機関を受診することが必要です。では、結核の治療はどうでしょうか?基本的には結核を発見した時に医師は2日以内に保健所に届ることになります。菌が痰から出ている時は大阪府知事にて結核療養所に入所することを命じられます。入院の上喀痰から菌が出なくなるまで薬を飲む事になります。喀痰から菌が出ていない時、レントゲン写真で空洞がない時は外来通院でも一応は可能となります。なお、治療は最低でも6カ月以上はかかり3−4種類の薬を飲む事になります。途中で服薬を止めることは耐性菌の出現、病気の再発、悪化が起こりますので決してしてはいけません。
密室に長時間(例えば航空機)菌を出している人といた場合に結核にかかったという報告はありますが、基本的には短時間の移動であるバスの中、電車の中で菌に感染することは心配いりません。なお、結核になった人の家の中をどうするかという心配もありますが、通常は心配なく食器などは普通に洗浄して部屋は窓を開けて太陽光線を当てて掃除すればいいようです。油断はできませんが、あまり神経質になりすぎる必要はありません。
山田医院 医師 山田 良宏 |
 |
| |
|
|