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恐ろしい風疹、先天性風疹症候群今回は子ども病気と考えられている風疹についてのお知らせです。すでにご存知の方もいると思いますが来年4月に予防接種法が改正されて風疹と麻疹のワクチンが2回接種となります。但し、この改正においては接種時期の問題あるいは接種年齢の問題などいろいろな問題点があり現在、小児科医師の間では大きな問題(話題)となっています。この改正の内容については4ページの子どものコーナーに記載していますのでご参照ください。風疹と麻疹。名前はよく似ているので時々お母さん方が間違って呼ばれます。診療所にとっては感染力の強い麻疹の患者さんが来たら大慌てです。当院は空気清浄機を設置していますが、大至急患者さんを別室に隔離して部屋は急いで換気をするほどです。(年に1―2名ほど来院されます。最近は子どもではなく大人の麻疹の方も見かけます。)麻疹は空気感染(同じ部屋にいたら移る可能性がある)をしますが風疹はさほど感染力が強くなく飛沫感染(1―2m以上離れていたら移らない)をします。なったら大変なのが麻疹であり、【1歳になったら麻疹の予防接種を!】とキャンペーンがあるほどです。今回は麻疹の陰に隠れつつある風疹に注目してみました。風疹がにわかに注目を浴びるようになったのは1964年米国での2万人、1965年琉球での408人という大量の先天性風疹症候群発生事件以降の事です。この大きな事件以降に風疹接種ワクチンの開発が始ったようです。1977年に女子中学生に風疹ワクチンの接種が始まりましたが5年おきの流行に変化は無く1994年の予防接種法の改正から始まった現在の予防接種の方法にて風疹の流行は大きく抑制されました。但し、この予防接種法改正の狭間の年齢で予防接種を受けていない人が出産年齢になっているために減少傾向であった先天性風疹症候群の数は2004年は10例報告されました。風疹は「3日はしか」とも呼ばれ、子どもでは通常3日程度で改善する穏やかな疾患です。但し、成人においては時々重症化する事もあります。この風疹ウイルスは人にしか感染しないウイルスで冬〜春〜初夏にかけて比較的流行します。2から3週間の潜伏期間の後に発熱(約半数程度)、リンパ節腫脹(耳の後ろ、首の後ろ、頭の後ろのリンパ節の腫脹)、発疹(顔から手足に広がる赤い発疹で3日ほどで消失)があります。成人では子どもに比べると症状が強く長引く事が多いために1週間程度仕事を休まなければならないこともあります。なお合併症としては血小板減少症、脳炎などがありますが一般に予後は良好と言われています。感染はこの発疹出現の1週間前から1週間後までしますが、発疹が消えると感染力が弱くなるので学校保健法では出席停止の基準を発疹が消失するまでとしています。なお先天性風疹症候群は妊娠初期(12週以内では危険性が高く21週以上では危険性はほとんど無いといわれています。)に風疹ウイルスに対して免疫が無いあるいは免疫が不十分な妊婦が感染を受けると胎盤を介して胎児に感染が起きて生じる疾患です。症状としては一過性の症状と永久的障害があります。また何年か経って出現する遅発性障害もあります。一過性の症状としては低出生体重、肝臓脾臓の腫大、肝炎、血小板減少性紫斑病、骨端発育障害などがあります。問題となるのは永久的障害で3大症状(白内障、難聴、心疾患)があります。白内障は視力の発達が障害されるために出来るだけ早期に手術をする必要があります。心疾患は動脈管開存、抹消肺動脈狭窄などがあり、症状により手術等が必要になります。難聴は両側性の高度の難聴で早期の対処が必要です。この先天性風疹症候群をなくすには妊婦が風疹に暴露されない事が大切です。以前にワクチンを受けていてもあるいは風疹になっていても抗体価が少なければ(一般の血液検査でHIは32以上ある必要があります。8や16では不十分です。)感染の危険性が強くなります。なお、今までの経験上、実際に発疹が出現したなどの感染した場合や風疹の患者さんと接触したなどが無く血液検査のみで風疹を疑われた妊婦さんの場合では、先天性風疹症候群の発生は少ないようです。なお、妊娠中に感染の可能性があれば血液検査等を施行すれば感染の有無については分かります。この先天性風疹症候群に妊婦管理の専門病院として大阪では国立循環器センター周産期科の千葉医師あるいは大阪府立母子センター産科大平医師が専門家で相談窓口になっています。なお、風疹ワクチンの接種は妊婦自身の接種は出来ませんが、妊婦の夫ならびに子どもについては積極的に推奨されています。風疹ワクチンの第1の目的は先天性風疹症候群をなくす事です。風疹は罹患しても軽いから受けないのではなく積極的に接種をするようにしましょう。山田医院 医師 山田 良宏 |
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