テキスト ボックス: 医療法人 山田医院
テキスト ボックス: 廃用症候群について
テキスト ボックス: 安静が一番であるという医療が日本においてはまだ目立ちますが、一方では病に伏しても早く離床させたほうが良い結果をもたらすという事はかなり以前から知られていたことです。長期の臥床により心身の活動性が低下してきて起こされる病態を総称して「廃用症候群」といいます。この廃用症候群は筋骨格系、呼吸循環系、消化器系など身体以外にも精神系あるいは褥瘡まで含まれます。今回はこの廃用症候群について説明をします。脳卒中などの疾患により寝たきり状態になった人だけではなく廃用症候群は無重力状態となる宇宙でも起こります。その為に後述の廃用症候群を予防するために宇宙飛行士は宇宙に滞在する間は毎日ハードなトレーニングをしている訳です。この廃用性症候群は長期の臥床で起こるのではなく高齢者では少なくとも2,3日から1週間くらいの単位で起こります。まず、筋力低下ならびに関節の拘縮についてですが筋力の低下は若い人よりも高齢者のほうが起こりやすいといわれています。また上肢よりも下肢のほうが筋力低下、萎縮は起こりやすくなっています。重力に対して仕事をする筋肉のほうが萎縮をしやすいからです。骨の萎縮も起こります。骨には海綿骨と皮質骨があり、海綿骨のほうが萎縮が起こりやすくなります。脊椎などは海綿骨が中心で出来ているので萎縮が起こり骨折などの危険も増えるわけです。筋力の低下については筋力の20%以上の負荷をかける事で萎縮を抑える事ができるのでリハビリが大切になります。拘縮については少なくとも1日に2回以上、関節をできる限りの動く範囲で動かす事が必要となってきます。具体的な運動方法としては大きな関節から小さな関節と順番に運動、関節の動きは大きくそして痛みを生じないようにゆっくりと行う事が大切です。できれば1回に10―15回をセットとして1日に3回ほど行います。なお、筋力低下についても関節の拘縮についても一度起こってしまうとなかなか治療が困難であるので予防が大切であるといわれています。基本的には座らせて起こす事が拘縮の予防には一番大切です。循環器系の問題としては循環血漿量の減少にともない起立性低血圧、静脈血栓塞栓症の危険があります。急に臥位から座位あるいは立位になると立ちくらみ、顔面蒼白、めまい、ふらつきなどを起こすのが起立性低血圧で健常者では3週間ほどの臥床で起こるようになりますが、高齢者では2―3日の臥床でこのようなことが起こるといわれています。静脈血栓塞栓症とは下肢の静脈に血栓が出来て肺などに飛んで肺梗塞を起こして場合によっては死亡する事もあります。エコノミークラス症候群とマスコミで言われていた疾患と同様の状態です。いずれも早期離床が一番大切なことです。お腹の症状としては便秘と食欲不振が有名です。安静にともない腸管の蠕動運動が低下、食物の通過時間が延長する事などによる症状です。最近特に問題となっているのが精神面への影響です。安静状態が骨や筋肉のように脳に萎縮を起こす事はないと言われていますが、抑うつ状態を生じる事は非常に多くなり抑うつ状態にともなって仮性痴呆症が生じます。今日が何月何日何曜日か分からなくなったり、ここがどこなのか分からなくなったりする見当識を含めて認知機能が低下することがあります。また睡眠障害などを起こす事も良くあります。このように廃用症候群は高齢者ほど発生しやすくまた重症で回復が遅くあるいは回復が不可能である事もあります。治療は難しいと言われているので運動を含めた予防が大切であると思われます。          山田医院 医師 山田 良宏
テキスト ボックス: 水曜日午前中の検査についてのお知らせ
水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。
なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。

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テキスト ボックス: 2004年12月20日発行
テキスト ボックス: 第5巻 第12号
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