テキスト ボックス: 医療法人 山田医院
テキスト ボックス: 2004年6月20日発行:第5巻 第6号(第53号)
テキスト ボックス: 寄生虫症について
テキスト ボックス: 以前にも取り上げた事がありますが寄生虫について今回も考えてみました。寄生虫というと排便時にお尻から出てくる長いうどん(きしめん)状のサナダ虫を想像する人も多いのではないでしょうか?農業国であり,生ものを好んで食べるわが国は「寄生虫天国」といわれた事もあるようです。特に第2次世界大戦直後には糞尿を肥料とする自家栽培の野菜を通して回虫、鈎虫、鞭虫などの土壌伝播寄生虫症が蔓延しており、回虫に感染しているのは当たり前という時代があったようです。これらの土壌伝播寄生虫症は全国に寄生虫予防会が組織されたために1960年代後半には激減しました。寄生虫症は過去のものといった風潮は30年以上続きましたが寄生虫症については新しい問題が出てきました。最近のグルメブーム、自然ブーム、無農薬ブーム、ペットブーム、海外旅行ブームなどにより再び寄生虫症が増えてきました。寄生虫についてはマラリアなど5種類をのぞいて届け出制度がないために正式な実態はわからないようですが、幼虫移行症等を引き起こす人畜共通寄生虫症が増えているといわれています。これにはズーノーシスとも言われており、ペット病の一部で最近週刊誌等でも話題になっています。山田医院だよりでも44号で取り上げペットの飼い方の注意を促しています。この幼虫移行症とは本来はヒトに感染をしない寄生虫が幼虫のままヒトに入り込み幼虫のままでヒトの体の中を移動するものです。イヌ、ネコ回虫症は本来イヌ、ネコに寄生する寄生虫ですが糞便に排出されるために公園での砂場での感染が問題となっています。イヌ、ネコの糞便で汚染された砂場で遊んだ幼児が手指をなめて虫卵が入る事により感染を起こすといわれています。1から3歳の幼児に多く脳に移行して痙攣発作、眼に移行して失明、肝臓に移行して発達障害などを引き起こすといわれています。最近では公園の砂場には柵が作られていますが扉が空いていたりしますので注意が必要です。その他「ゲテモノ喰い」としはホタルイカを生で食べると旋尾線虫が皮膚に移動する皮膚爬行症を、ライギョ、カエル、ヘビなどの生血、生食いあるいはドジョウの踊り喰いでおこる同様の皮膚爬行症、移動する皮膚の腫瘤を形成する移動性限局性腫瘤があります。その他、カタツムリ、ナメクジ、サワガニ、レバ刺し、熊肉のルイベなどからも寄生虫は起こります。なお、地域特異性の寄生虫としては北海道のキタキツネを中心としたエキノコッカス、南西諸島を中心とした糞線虫があります。幼虫移行症は血液検査をすると好酸球、とIgEが増えますが症状からはアレルギー疾患あるいは血液疾患と疑われる事も多くなかなか診断が付かないこともあります。治療についても保険適応がある薬剤は少なく入手が困難な薬剤も多くなっています。ただし「寄生虫症薬物療法の手引き」も熱帯病に対するオーファンドラッグ開発研究班が出しており治療法の確立は一応されています。われわれが一般に気をつけることは寄生虫は熱に弱いので一般に生で食べないものは必ず火を通す事が大切です。また、ペットとはある程度距離を持ち接する事が大切であると思われます。
山田医院 医師 山田 良宏
テキスト ボックス: 水曜日午前中の検査についてのお知らせ
水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。
なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。

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