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テキスト ボックス: 第3巻 第10号
テキスト ボックス: お年寄りこそ肉類を
 日本では、お年寄りになると肉類を食べなくなる傾向にあります。お年寄りの食生活に対する意識調査を行った結果、普段食べている主なおかずとして、肉料理は野菜料理や魚・卵料理に比べて、3分の1程に少ない状況でした。
 
肉類を食べるというと、『コレステロール』の摂りすぎを心配される方もいらっしゃいますが、肉類に含まれている栄養素には、生活習慣病の予防に役立つものがあります。生活習慣病のなかで特に注意が必要なのは、死亡原因の第1位のガン、第2位の心臓病、第3位の脳卒中です。第1位のガンの予防には、肉類の摂取が効果的といわれています。それはガン化した細胞や腫瘍を攻撃して破壊するナチュラルキラー(NK)細胞の働きが豆類、魚介類などよりも、肉類を食べた時のほうがより活性化するからです。また、第2、3位の心臓病や脳卒中を防ぐには、血管壁の老化を防ぎ、若々しい状態に保つことが必要です。血管壁はタンパク質でできていますから、タンパク質を十分に摂ることは大切な予防といえるでしょう。特に肉類などの動物性タンパク質に含まれる硫黄を含む含硫アミノ酸は、効果があることが知られています。その他、若い人にとってはこわいうちに入らない肺炎や気管支炎なども、お年寄りにとっては生死に関わります。若い人に比べてお年寄りは大きく免疫力が落ちているからです。免疫力を強化して肺炎や気管支炎に抵抗するには、質のよい動物性タンパク質である肉類などを十分に摂ることがすすめられます。  
 肉類を含め動物性タンパク質をとることは、体の栄養状態や健康状態を維持するのにとても大切です。これらを知るバロメーターの一つに、血液中のアルブミン値があります。アルブミンは、タンパク質の一種で、栄養状態がよければ、1dl(100ml)中の血液中に4〜5g溶け込んでいます。この値が3.5g以下に下がると危険信号です。何かの病気にかかっているか、または極端な栄養不足などが考えられます。

 また、脳に含まれていて、神経の情報を伝達する役割をもっているセロトニンという物質があります。この物質が減るとうつ状態になって、ボケなどを招き、逆に増えると気持ちが高まり、充実感や幸福感が味わえるといわれています。このセロトニンは、タンパク質が分解されてできるアミノ酸の一つ、トリプトファンが代謝されてできる物質です。このトリプトファンを多く含む肉類を食べることによって、精神状態を安定させ、生き生きした生活を送れる可能性が高くなります。
心身ともに健康な生活ができるように、1〜2日に100g程の肉類を使った料理を食べるように心がけてみましょう。                                              
                                                
                     管理栄養士  越後 和恵
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