テキスト ボックス: 老年症候群と総合機能評価について
テキスト ボックス: 最近まで医療の本質は診断と治療でした。標的は疾患で目標は治癒でした。極端な話が内科では臓器別の縦割りで診療を行っていました。2020年には4人に1人が高齢者となる高齢社会となるために21世紀は高齢者の医療が中心になると考えられています。高齢者は1人で多くに疾患を持っており治療後も機能障害を残すことが多いといわれています。この様な事から高齢者の診察は臓器のみを診るのではなく全人的かつ包括的に診ていく必要があります。いわゆる「木を見て森を見ず」ではだめであるとの考えから「老年症候群」ならびに「総合機能評価」という概念ができました。今回はこの新しいことばについての説明をしていきます。加齢とともに現れてくるいろいろな臓器の生理的機能低下や筋力低下が中心となり起る多種多様な症状や疾患を「老年症候群」と言います。具体的には痴呆、せん妄、うつ状態などの精神機能低下や腰痛症や転倒骨折などの骨関節疾患、失禁などの排尿障害、摂食や嚥下障害、視力、聴力障害などを示しています。これらの疾患や症状は単一のものとして独立しているのではなく各々が絡み合って関連しています。また症状は同じであっても原因が異なっていたりまたいくつかの症状が同時に起ることがあります。年齢÷10で疾患ならびに症状数を推測できます。(80歳ならば80÷10で8つの疾患や症状がある?)些細な症状を含めるとそれほど多く持っていることになります。なお、今までは病気の状態と症状のみに関心がありましたが包括的に治療をしていくためにはその人の生活機能障害という観点から捉えるために疾患状態に加えて日常生活活動度、精神機能、社会的環境などを総合的に評価していくことが必要になりました。これが「総合機能評価」です。具体的には食事や着替えができるか、入浴、排泄が可能か、薬やお金の管理ができるか、買物に行くことができるかなどの基本的な評価に加えて痴呆があるかどうかの精神機能の評価、介護する人がいるかなどの社会的環境の評価など生活一般についての評価をするものです。受けた方はお分かりかと思いますが介護保険の基本調査とよく似ています。この介護保険の基本調査に医療面の評価が加わったのが「総合機能評価」となります。これらの評価に基づいて病院から退院後の在宅において医師が医療面の治療を行い栄養士が栄養指導を、薬剤師が服薬指導を、理学療法士がリハビリを看護師が介護の問題点の指導などを総合的に多職種の人が包括的なケアを行うことになります。これは介護保険とも大変密接な関係を持っていて今後はますます多くなると思います。今後の医療の流れとしては疾患による日常生活の障害が軽度から中程度ある老人、または現時点においては特に問題ないものの生活障害を起こしやすいと考えられる75歳以上の高齢者については臓器別の縦割り医療でなく老年症候群を考慮し総合機能評価に基づいた医療を行うのが良いのではないかとなりつつあります。皆さん、どう思われますか?
               山田医院 医師 山田 良宏

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テキスト ボックス: 2002年7月20日発行
テキスト ボックス: 第3巻 第7号
テキスト ボックス: 医療法人 山田医院
テキスト ボックス: 2002年7月20日発行:第3巻 第7号(通巻30号)
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水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。
なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。
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