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高尿酸血症・痛風について 痛風の歴史は古く古代エジプトのミイラの足に痛風結節の痕跡が見られるようで歴史上著明な人物ではアレキサンダー大王、レオナルド・ダ・ヴィンチなども痛風を患っていたと思われています。痛風発作は下肢に多く特に7-9割は足の親指の付け根の関節に発症します。通常は局所がムズムズとした違和感あるいは軽度の痛みのような前兆があり、その後24時間ほどで強烈な痛みが出現、赤くはれ上がり熱を持ちます。通常は10-14日以内によくなりますが発作時にはまさに字の如く歩くとも困難な状態になります。発作の誘引としては暴飲暴食の後、長時間歩行の後、尿酸降下剤服用後などに起こります。メカニズムとしては高尿酸血症が続くと関節滑膜に微小痛風結節といわれる小さな尿酸塩の結晶が作られますが何らかの刺激でこの結晶がパラパラと関節内にこぼれ落ちるとそれを白血球が貪食することにより痛風発作が起こると言われています。痛風の発作時の初期の時にはコルヒチンという大昔からある薬を服用する事で改善しますが発作が進行すると痛みをコントロールするにはいわゆる消炎鎮痛剤が必要になります。この発作時に尿酸値を下げる薬を服用すると痛風発作が遷延したりするので痛みが完全になくなるまでは尿酸値を下げる薬を服用してはいけません。なお、尿酸を下げる薬を服用して尿酸値が下がっても2年以上しないと関節内の微小尿酸結節はなくならないので継続服用する事が大切です。痛風発作はないものの尿酸値が7mg/dl以上と言ういわゆる高尿酸血症の方は日本においては成人男性の3人に1人は当てはまると言われています。この高尿酸血症はメタボリックシンドロームとの合併が高くなっています。特に男性のメタボリックシンドロームの半数は高尿酸血症を合併しています。高尿酸血症は高血圧ならびに腎障害を起こすことが知られてきました。また、高尿酸血症は尿路結石の中で尿酸結石との関連性が強く示唆されてきましたが尿路結石で最も多いシュウ酸カルシウム結石を形成を助長する因子である事も分かって来ました。高尿酸血症の分類としては尿酸が体内でたくさん作られるタイプと尿からの排泄が低下するタイプに分けることが出来ますが日本人では9割近くが尿からの排泄低下によるタイプであることが分かっています。このタイプにより使用する薬も変わってきますので注意が必要です。治療については尿酸値が9mg/dl以上では治療を開始し、腎障害、メタボリックシンドローム、結石などの合併症があり尿酸値が8mg/dl以上であれば治療開始、合併症がなく痛風発作もない場合には8mg/dl以上でも投薬を行うのではなく食事運動療法が大切になります。アルコールは1日量としてはビール500ml(日本酒なら1合、ウイスキーはダブル1杯程度)までで週に2日以上の休肝日の設定、肥満の解消、アルカリ色を中心とした低プリン体食、乳製品は尿酸値を下げるので積極的に摂る事が望ましく、清涼飲料水や甘味飲料水は避け、果物もとりすぎないことが大切です。なおいわゆる有酸素運動を週に3回以上継続して行うことが大切です。なお、痛風とよく似た疾患に偽痛風と言われるピロリン酸カルシウムが関節内に沈着して関節痛を起こす疾患があります。高齢者に多く、膝関節などの大関節等に発作を起こし発熱などを伴う病気です。治療は対症療法しかありませんが診察時にはまぎらわしくなる疾患です。尿酸は利尿剤、あるいはテオフィリンなどの薬剤でも上昇することがあります。特に最近は降圧剤のARBと利尿薬の配合剤が増えてきており服薬をしている方については尿酸値の測定も必要になります。痛風発作がない限り高尿酸血症は自覚症状がないものですが突然の痛風発作の可能性あるいは高血圧、腎機能等への影響を考えると尿酸値に注意をする必要があると思われます。 山田医院 医師 山田 良宏 |
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