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放射線被ばくと健康障害について
3月11日の東日本大震災での福島原子力発電所での放射線放出事故による報道が連日行われており、心配をされている方も多いと思います。一般生活において放射線と言えばレントゲン検査、CT検査、バリウム検査などの医療用放射線、がん治療における放射線治療などを思い浮かべると思います。一方では原爆あるいはチェルノブイリ原発事故など放射線には負のイメージも強くあると思います。我々は日常的にも実は放射線被ばくを受けています。
日本人では平均して1年間に3mSV(ミリシーベルト)の被ばくを受けています。 なお、胸部レントゲン写真では0.06mSV、胃のバリウム検査では透視もあわせると8mSVの被ばくがあるといわれています。なお、東京とニューヨークの往復では0.1mSVの被ばくがあります。福島原発から20km以内での避難対象、30km以内での屋内待避が発令されていますがこの地区でも被ばくの危険性は実際には外部から放射線を浴びるよりも体の中に入り込み被ばくをする内部被ばくであるといわれています。 チェルノブイリ事故で問題となった甲状腺がんについては放射性ヨードを含んだミルクを継続して飲用した事による内部被ばくが問題となっています。一般に1mSVの被ばくでは遺伝子の1個に傷がつくと言われています。生きていたらこれは修復されますが、たとえば100mSVの被ばくでは100個の遺伝子に傷がつき、これの修復の際にミスが出来て将来的に癌ができる確立は100人に1人といわれています。 アルコールを毎日少量づつ飲用して1升飲むのと1日に1升を飲用するのでは後者の方が身体に悪いのと同様で放射線についても毎日少量づつ被ばくする事は一度に被ばくするよりもリスクは少ないと言われています。 一度に被ばくした場合は5SV(5000mSV)で命を失うリスク高くなります。
死亡の原因としては中枢神経死(痙攣、意識障害からの死亡)、腸管死(水分の吸収障害、電解質異常)、骨髄死(白血球、血小板等の減少)が中心となります。放射線被ばくによる障害が大きいのは妊婦、女性、乳幼児と言われています。なお、20歳以上の男性においては被ばくによる感受性は少ないと言われています。 特にμSV(mSVの1000分の1のレベル)のレベルが一過性にあっても問題はないといわれています。
ただし、妊婦、女性、乳幼児については放射線感受性が高いので特に注意は必要です。 とくに100μSV/時間を越す場合には外出は避ける方がいいでしょう。関東での上水道で一過性に安全基準値を超える値が検出されたとの報道がありお店に水がなくなりました。この基準値は一般に放射線に感受性のある乳幼児を基準に算定されています。もしこの基準値に達する放射線を含む水を毎日2リットル2ヶ月飲用しても自然界から1年間に受ける放射線の3分の1程度です。 赤ちゃんあるいは妊婦においても基本的にはこの水を飲用しても問題はありませんが可能であれば汚染水道水以外の飲用水があれば使用したほうがいいと言う感じです。ましてや成人男性では問題はないでしょう。 なお、現時点では雨に濡れても問題はありません。もしも放射能が高い時にはすぐにシャワーを浴びる、服を着替える程度の対応で問題はありません。いろいろな意見がありますが今回の原発の事故はチェルノブイリとは異なり地球規模の危険は無いのでは と考えられています。 ただし対策が長期化している現在、避難する必要がある住民に対する精神的な問題あるいは原発内での作業従事者たちの被ばくで今後放射線障害についての心配があるようで注意深い対応が必要です。従業員のみなさんに対して我々は心から感謝をしたいと思います。
山田医院 医師 山田 良宏 |