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スギ花粉症について
例年、春になると多くの患者さんが発症する花粉症の有病率は全国民の約3割と言われておりまさに花粉症は「国民病」といえる疾患になりました。 スギの花粉の飛散量は前年夏の気象状況に大きく影響を受けます。昨年は猛暑日が続き、6-8月の平均気温が1898年の計測開始以降最高を記録した昨夏の気象状況から今シーズンは花粉が多量に飛散すると予測されています。スギ花粉は沖縄、北
海道北部、東部を除く広い範囲で飛散、昨シーズン飛散が少なかった東海、近畿地方では前年に比べると5-10倍の飛散量との予測もでています。 なお、花粉飛散開始時期は当初2月初旬頃とも予想されていましたが、スギの開花時期は1-2月の気温などによっても左右されるために1月の寒さが例年よりも厳しくなった今冬は花粉の飛散時期も例年並みあるいは零年余利もやや遅れるとの予測もあります。(大阪で2月中旬頃)ただし気温の上昇によって飛散が早まる事もあり注意が必要です。
飛散のリアルタイムでの紹介はwebサイト(環境省花粉観測システム(はなこさん)http://kafun.taiki.go.jp、日本気象協会花粉情報http://tenki.jp/pollen、など)を利用して情報を収集する心がけも必要です。
さて、花粉症治療の基本は花粉との接触をできる限り減らす「抗原の除去」です。投薬としては飛散開始前あるいは症状が出ていない時期の状態では初期療法が有効です。 くしゃみ、鼻水が中心の場合には第2世代抗ヒスタミン薬など、鼻づまりが中心の場合には抗ロイコトリエン薬などを投与する事です。抗ヒスタミン薬以外の薬は効果発現までに1-2週間ほどかかるために注意が必要です。発症後には点眼薬あるいは点鼻薬の併用等も必要になります。薬物療法で改善しない場合には鼻の曲がりが強いなどの鼻腔の構造自体に原因がある場合あり耳鼻科的な処置が必要となることもあります。長期に渡る血管収縮剤の混入している市販薬の使用では薬が切れたときにリバウンドで鼻炎が起こる薬剤性鼻炎が起こることもあります。
最近では鼻、眼の症状以外に呼吸器症状、消化器症状、咽頭症状、発熱などが診られることもありスギ花粉症は全身性疾患の1つとして考えられる事もあります。その1つとしてスギ花粉皮膚炎が最近注目されてきました。アトピー性皮膚炎が基礎にある方がスギ花粉を増悪因子として悪化する事があります。その他比較的まれですがアトピー性皮膚炎とは関係せずに皮膚炎が生じる例があります。典型的な場合には一見すると蕁麻疹様で腫れぼったい紅い湿疹が顔面を中心にできる皮疹で、赤味が強く境界もはっきりとしていることが特徴で若い女性に多いといわれています。このスギ花粉皮膚炎の治療としてはいわゆる対症療法が中心になります。花粉症そのものの治療に加えて接触性皮膚炎の治療(ステロイド外用剤で炎症を抑えた後にワセリン等の軟膏を使用)になります。過度の皮膚の洗浄、化粧、などの皮膚バリアを傷害する事を控える事が大切です。なお、外出後はシャワーなどでよく顔、頸部、頭を洗いスギ花粉抗原を除去することも大切で、また直接肌に触れる下着などは花粉に暴露されないように家の中で干すようにする事も大切です。減感作療法は現在は皮下注射による方法のみですが経口の治療法も現在は第3相の治験が進行しつつあり今後広がる根本的治療法として注目度も高くなっています。
山田医院 医師 山田 良宏 |