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妊娠女性の高年齢化について 2011年1月の医師会雑誌の特集である項目を参考にまとめてみました。先進国では女性の就業が進みキャリア女性が出産を先送りにする現象が多くなっており、日本では妊娠女性の年齢は35歳以上が20%、30歳以上が60%近くになっています。日本においては婚外子の割合が2%程度とアイスランドの63%、フランスの43%と比べると極めて少なくなっておりこれはわが国の少子化の原因の1つとも言われています。女性の加齢に伴う問題点としては不妊症、不育症(流産)、染色体異常、子宮内胎児発育遅延、前置胎盤、分娩遷延、妊婦死亡などのあらゆる異常妊娠が増加します。なお、約15%のカップルが子どもに恵まれずに悩んでいます。 高校の教科書にはバースコントロールの記載はあるものの不妊についての記載はなく日本の若い女性たちは生殖に関係する教育を受ける機会がほとんどないという問題があります。この度、衆議院議員が卵子提供を受けて妊娠、出産をしたニュースがありましたが一般には体外受精を行うとほぼ100%妊娠すると思われていますが体外受精による妊娠率は20歳代で30%、40歳代になると10%以下になります。一般の状態では女性については20歳代後半から妊孕性(にんようせい)が低下傾向にあり男性においては40歳以上で低下する事がわかっています。 不妊治療にはART(生殖補助医療)が行われます。日本においてはART総数では米国を抜き世界最多となっており現在では50人に1人は体外受精によって生まれた子どもとなっています。このARTは自然分娩と比較して先天異常の発生が高くなることはなく同じ年齢の女性の自然妊娠の場合と同じ発生率といわれています。なお、高齢妊娠に伴い染色体異常の発生率は上昇する傾向にありまた流産の率も高率になります。流産についてはその要因としてはほとんどは胎児側要因が関与しておりその代表が染色体異常です。高齢妊娠の産科合併症としては妊娠糖尿病の発生率の上昇、低出生体重児および早産の増加、帝王切開術の増加が指摘されています。高齢妊娠において染色体異常が高いといっても40歳で1%程度であり多くは正常であり、高齢妊娠自体が決定的なリスク因子になるわけではなくこの事実については十分に認識をする必要があります。 なお、妊婦の体重管理についてですが日本産婦人科学会においては妊娠中毒症予防のために正常体格の妊婦に対しては体重の増加を7−10kg程度の制限をしていますが生理的な研究では11kgの増加は必要とされています。諸外国においては通常の健診では体重測定を行わないところもあり妊娠中の体重増加についての見解はわが国と大きく異なっているようです。 帝王切開術についてですがWHOの考える適切な帝王切開率は10−15%程度ですが現在の日本においては18%程度になり増加傾向となっています。これは妊婦の高年齢化、ハイリスク妊娠の増加、骨盤位の経膣分娩の激減、帝王切開術後の経膣分娩の減少、多胎妊娠の増加、医事紛争の過激化、患者の100%安全な挙児希望などが原因となっています。高年齢妊娠はリスクが高くなりますが個人差も多く極度に恐れることはありませんが妊娠適齢期は20歳代である事を一般人のみならず産婦人科以外の医療者も理解をして社会全体で子どもを生みやすくするようにする事が大切であると思われます。 山田医院 医師 山田 良宏 |
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