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再生医療の現状と展望今回は11月に大阪府医師会で行われた医療近代化シンポジウム「再生医療の現状と展望」についてまとめてみました。従来の医療は障害を受けて働きが悪くなった臓器(肝臓、腎臓、心臓など)をできるだけ早く発見してこの臓器の働きを助けることでした。しかしこの臓器の障害もある程度進むともとに戻りません。このような場合には人工臓器(腎不全における透析療法など)や臓器移植が適応となっていました。しかし現在行われている人工臓器は臓器としては不十分でありまた臓器移植は臓器を提供する人(ドナー)の不足もあり進んでいません。このような状況で組織や臓器を再生して医療に用いることが考えられました。これが再生医療です。近年盛んに研究が行われています。この再生医療が注目を浴びるようになったのは「夢の万能細胞」として広く一般にまで注目を浴びるようになったES細胞といわれるヒト胚性幹細胞の発見ならびに樹立があります。このES細胞は受精卵あるいは中絶を受けた胎児から取られますが、この細胞はまさに手、足から心臓、血液、脳とあらゆる臓器、組織になることが出来る細胞であることが分かりました。現在においてはまだこのES細胞から心臓や腎臓など特定の臓器に分化させる方法がわかっていませんが将来的には研究が進み特定の臓器に分化させることが可能になる期待がもたれています。ただし、このES細胞は先ほど述べたように受精卵あるいは胎児から取る必要があるために倫理的な問題点もあります。この倫理的問題点については生命倫理委員会が条件付(1研究所と国のダブルチェック、2受精卵は不妊治療であまった物のみを使用、3提供者のプライバシーは守る)でヒトES細胞についての研究を認めることになりました。このような倫理的な問題点を考慮しないでよい大変なことが実は最近分かりました。それは我々誰もが持っている骨髄の中にある血液の元の細胞と考えられていた造血幹細胞からも心臓あるいは肝臓や神経などの臓器ができることでした。この応用を使えばわざわざ胎児あるいは受精卵から細胞を取らなくても骨髄にある一部の細胞を取り出せば必要な臓器を作り出すことが出来るようになるからです。もちろんまだ夢の話ですが将来がある程度現実的になってきました。では、現時点においての再生医療はどのようなものでしょうか?現時点においては造血幹細胞といわれるすべての血液(白血球、赤血球、血小板など)の元になる細胞の移植は白血病などの血液疾患では実際に行われています。また火傷等による皮膚の欠損に対して10cm2の皮膚から4週間で2m2の皮膚の再生が可能で実際に皮膚移植が行われています。また、まだ治験段階ですがパーキンソン病の患者さんに対して病気の原因となるドーパミンを再生する細胞を移植して薬がいらなくなった報告や脊髄損傷の場合にも神経細胞の移植である程度の回復を認めた報告があります。なお、この再生医療を利用した例として人工膵臓や人工肝臓も長期ではありませんが短期間の使用については成功の報告が多くあります。先ほども述べたように今後の医療は臓器移植から再生医療になることは必須でありこれらの研究については目が離せません。また、トピックスがありましたら追って報告をしますので楽しみにしてください。山田医院 医師 山田 良宏 |
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