テキスト ボックス: 閉経について
テキスト ボックス: 女性の寿命が50歳を過ぎたのはつい100年ほど前からであり閉経(生理が1年以上再来しない場合)がいろいろな面でマイナス要因としてとらえられるようになったのは最近の事です。なお、この閉経は時代、東西とわずほぼ50歳であり、これはヒトにとって決定している時期であると考えられます。今回は女性ホルモンの加齢に伴う変化とその変化による疾患、ならびにこれに対して欧米では広く行われているが日本においてはほとんどおこなわれていないホルモン補充療法についてお知らせします。閉経周辺期(更年期)をさかいとして卵巣の重量は減少、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量は減少しそれに伴い脳(間脳)からの性腺刺激ホルモンの分泌は上昇、その他副腎から分泌されるホルモンもごく一部を除いて減少することが知られています。この女性ホルモンが減少する頃(すなわち月経が不規則になるころ)から自立神経失調症状(血管運動性神経症状)といわれるホットフラッシュが起こるといわれています。このホットフラッシュというのは顔面、胸部におこる紅潮で急激に始まる熱感に発汗、動悸、めまい、吐き気等を伴うものです。その他ほてり、のぼせ、冷え、肩こり、腰痛なども起こります。またこの自律神経失調症状が起こる前後より精神神経症状としての無気力、不安、不眠、イライラ、憂うつなどを伴うようになります。その後しばらくして泌尿生殖器症状として外陰部掻痒感、膣炎、尿失禁、膀胱炎、性交痛などが起こります。なお50歳台後半より閉経晩期の症状として高脂血症などに伴う動脈硬化による心血管系疾患(心筋梗塞、脳卒中など)、骨量減少による骨粗鬆症が起こります。最近ではアルツハイマー病や白内障、さらには皮膚の老化(しわの増加、乾燥など)との関連も示唆されております。これらのすべての症状は原因として女性ホルモンの減少が挙げられるので欧米を中心に現在ではホルモン補充療法(HRT)が広く行われています。この治療法にもいろいろな方法がありますがホルモンを薬として連日あるいは周期的に服薬するかあるいは皮膚に貼り付ける薬も併用することが多いようです。副作用として性器出血、乳房緊満、嘔気、嘔吐などの消化器症状があります。なおごくわずかと言われていますが子宮内膜癌と乳癌の発ガンリスクを一部の人では上がる可能性があると言われています。このホルモンは恐いと言う誤った認識と心筋梗塞が欧米に比べるとはるかに少ないために日本においては現在2%程度しか行われていないと思われます。骨粗鬆症に対しては服薬後2年の骨量増加を認めるがそれ以後の骨量は増加しない(通常では減少する)事実や心筋梗塞については健康な人については予防効果があったものの一度かかった人についての再発予防の効果が少なかった等の細かなデータが現在発表されています。ただし、上記にも説明しましたがこのホルモン療法は多くの疾患の原因に対しての基本的な治療であるために今後おそらくは広く行われるであろうと考えられています。日本においては産婦人科が中心となってこの治療を行っていますが、欧米では内科も一般的にこの治療を行っています。今後閉経後の疾患についての認識が高まるに伴い日本においても一般にこの加療法が広まると思われます。
山田医院  医師  山田良宏

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テキスト ボックス: 2001年6月20日発行
テキスト ボックス: 第2巻 第6号
テキスト ボックス: 2001年6月20日発行 :第2巻 第6号
テキスト ボックス: 水曜日午前中の検査についてのお知らせ

水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。
なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。
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