テキスト ボックス: 旅行医学について
テキスト ボックス: 海外に行く日本人が年間に1700万人を越すようになった現在、旅行にかかわる怪我や病気の予防、治療に関する分野の研究も進み「旅行医学」という新しい専門分野ができつつあります。島国日本にとり海外への旅行には飛行機を使用することが多いために、今回は「飛行機の中」に関する旅行医学を解説します。航空機内での救急患者の数は平均年間に1000便数当りでいうと約2件程度あるようです。症状としては意識障害、小外傷、腹部、背部痛などが多く元気な人が突然機内において発症する事もありますが、基礎に病気をもつ人が病気の悪化のために救急医療を必要とすることもあります。では、機内環境は医学的に見るとどうでしょうか?約7000から13000mの高度を飛行するために機内では与圧がかけられていますが0,7から0,8気圧の状態でありこれは1500mから2400m程度の高度にいるのと同じ状態です。この気圧の低下に伴い酸素濃度も低下するために肺疾患のある人では低酸素血症による障害をもたらします。また低酸素血症により狭心症や心筋梗塞の誘発原因となることがあります。また気圧の低下に伴う気体の膨張があり肺嚢胞や腸管内のガスは膨張し生体に悪影響を与えます。なお機体の下降時などには気圧が変化をするために耳閉塞感、耳痛、難聴を認める航空性中耳炎、前頭部痛などを認める航空性副鼻腔炎を起こすことがあります。この予防としては耳閉感の自覚時に飴玉等をなめて耳管を開くことが大切です。また海外でスキューバダイビングをしたあとすぐに飛行機に乗ると減圧症を起こすためにダイビングをした場合には少なくとも24時間は空けて航空旅行をするように勧められています。機内温度は20-22度に調整されていますが湿度については10−20%と低くなっており脱水症状やコンタクトレンズを使用する場合では眼球結膜の乾燥による角膜炎等の原因ともなっています。なお、空気の50%は再循環しておりフィルターによる結核等の細菌の除去は行われていますが、インフルエンザ等のウイルスに関しての完全な除去は困難であると思われています。なお旅客運送約款では伝染病者は搭乗できないことになっています。最近特に問題となっているのは「エコノミー症候群」といわれている深部静脈血栓症に伴う肺梗塞ですが、この病態は座席に固定されて足を動かさないことにより下肢の静脈の血流が悪くなり血栓を形成、それが歩行時などに肺に飛んで肺血栓を起こす病気です。これはエコノミークラスだけではなく長距離バスでも報告されています。予防法としては下肢を時々動かしたり、ふくらはぎをマッサージしたり可能であれば動くことです。なお先程述べた脱水を防ぐために水分も摂取することも大切です。現在では航空機内には多くの医療器具ならびに薬品もそろえてあり、ドクターコールによる医師の申し出は70%、看護婦を含めた医療従事者の申し出は90%となっており救急処置から緊急着陸までの態勢が整っています。海外旅行の機会が多くなってきた現在、身体障害者、疾患を持つ人に関するサービスも増えてきています。ただし、上記のように機内においては特殊な状態であるために海外に航空機を使用していく場合には主治医にアドバイスをしてもらうことが大切だと思います。海外に行く前には一度連絡をください。  山田医院 医師 山田 良宏
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テキスト ボックス: 2000年4月20日発行
テキスト ボックス: 第2巻 第4号
テキスト ボックス: 医療法人 山田医院
テキスト ボックス: 水曜日午前中の検査についてのお知らせ

水曜日午前中は予約診療として胃カメラ、大腸(直腸、S状結腸)カメラや超音波検査などをしております。
なお、血液検査、心電図検査、レントゲン、短時間の超音波検査はいつでも可能です。
テキスト ボックス: 2001年4月20日発行 :第2巻 第4号
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