テキスト ボックス: 脳卒中について
テキスト ボックス: 中風(ちゅうぶ)、中気(ちゅうき)などと呼ばれてきた脳卒中は突然に発症し、症状を有する脳血管障害を示します。現在は病理学的に脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血に分類されています。脳卒中は1970年代をピークに減少はしていますが、なお欧米と比べると発症する比率は高く今日においても心筋梗塞などよりも数倍高い比率となっています。この脳卒中は身体障害の原因の第1位であり、また寝たきりとなる原因の第1位でもあり現在でもなお国民病となっています。今回はこの脳卒中について説明をします。1960年代以前の生活環境には低栄養、食塩の過剰摂取、過重労働、寒冷と暖房不備があり特に東北地方ではこの傾向が強く脳卒中は東に多く西に少ないと言う状態がありましたが、高度経済成長後は生活環境も大きく変わり脳卒中の地域差は少なくなったと言われています。ただし食生活の欧米化とともに肥満、糖尿病、高脂血症の増加があり脳卒中の中でも脳梗塞の割合が増加しているようです。脳卒中と関連する最も大き因子は高血圧であり、血圧を下げることにより脳卒中は30%も減少する可能性があります。なお、心房細動などの不整脈、糖尿病、高脂血症なども脳卒中の危険因子として注意する必要があります。生活習慣としては喫煙、飲酒、運動不足、肥満、ストレスなどに注意する必要があります。なお、家族に脳卒中になったことのある人の方が危険であると言われています。なお脳卒中の初期症状としては病型により異なります。クモ膜下出血では突然の今までに経験したことのない頭痛と吐き気、嘔吐であり、脳出血、脳梗塞では運動障害(手足が動かしにくくなったり動かないこと)、意識障害、言語障害となることが多くあります。なお脳梗塞では4人に1人程度の割合で前触れの症状として一過性の麻痺症状などが出ることがあります。治療方法ですが一般的には手術療法、薬物療法があります。手術療法は脳出血、クモ膜下出血(脳動脈瘤)などの病気で年齢や全身状態等を考慮した上で適応となります。いずれの脳卒中も発症後にはまず入院の上で管理を受ける必要があります。なお急性期を過ぎた時期には再発予防として血圧、糖尿病、高脂血症などをコントロールする薬、抗血小板薬、抗凝固薬等を服薬することになります。一番忘れていけないことはリハビリテーションです。このリハビリにより70%程度の方が歩行可能になると言われています。以前は脳卒中直後は絶対安静でしたが、現在では発症直後から全身状態が安定していれば関節の固まり(拘縮)の予防や筋力低下予防などが始まり、意識が回復した時点で寝返り、起き上がり、移乗動作などの基本的リハビリが始まります。病院から帰宅後は関節の変形や拘縮の予防ならびに筋力低下の予防のために自宅でのリハビリが必要となります。なお、帰宅後の加療については現在では介護保険もあり在宅リハビリテーション、通所リハビリテーションなどのサービス利用も可能となっています。現時点においての脳卒中は他の疾患と同様でまずは生活習慣に気をつけて予防に心掛ける事が第一です。
山田医院 医師  山田 良宏
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テキスト ボックス: 第2巻 第1号
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